1日目・2002/8/9(金)
 6時、セットしておいたラジカセがCDで「Avalon」を奏でた。一応目が覚めはしたのだが、案の定フラフラ。なんとか起きられたのは6時半頃。居間に出てみると、i3は既に出発の準備を終えて本など読んでいた。「起きてたならそう言ってくれりゃいいのに...」と言っても詮無いことをボヤきつつ、すぐに着替えて出発の準備。今日の手持ち荷物はカメラバッグ、着替えとカタログ・通行証などコミケ必需品を詰め込んだリュックバッグ、そして昨夜半徹夜で用意したレイヤーさんへのプレゼント写真ともろもろの雑物を詰め込んだカートの三つ。7時前に家を出たが、日向に出るとすでに暑い。昨日同様の快晴。これはコスプレ広場に出るとエラいことになりそうだな、と予感する。この時とんでもない忘れ物を、それも一つではなくいくつも忘れ物をしたのだが、寝不足の頭では気付く余裕も無かった。
 表通りに出てバスで駅に向かう。バスを降りると基本的には平日なので、出勤客と競争みたいな形で駅構内に入る。恐れていた通り、出勤ラッシュは始まっていた。もう少し早く出るつもりでいたのだが、と言ってもあとの祭り。新橋までラッシュは変わらず、新橋着がほぼ7時45分頃。ゆりかもめの構内は既に混み混みだったが、去年の冬コミの1日目ほどではなかった。それでも次発を2本やり過ごして8:03発車。コミケ客はともかく一般の通勤客は大迷惑だったろうが、見るからに一般客の人はもう諦めてるかのように迷惑そうな顔をするでもなく押し合いへしあいの中に乗っていた。もっとも一般客のほとんどは思った通り台場で降りていった。国際展示場前駅着は8時25分。若干危惧はしてたのだけど、特に問題なく余裕で会場に到着した。昨日同様改札前の売店でむぎ茶PETを買う。いつものようにエントランス前の 行列写真 を撮ってからさっさと入場。入口入ってすぐにいつもの通り「本日の行事案内」の電光板 を撮りに行ったら、たまたまそこにトラブル対策スタッフのブースがあり、
 「何か問題ありましたか?」
とスタッフが驚いたように聞いてきたので
 「いや、恒例行事です、この掲示板を撮りに」
と応えてカメラを見せて電光ボードを指したら安心したような顔をしてた。
 それから東ホールへ向かう。と、ここで椿事発生。カートにバッグを固定しておくベルトが酷使に耐えかねてブチ切れてしまった。ついでにそこに挟み込んでおいた2日目一般行列を慮って新調した折り畳み椅子が転がり落ち、後ろを歩いてた人に拾ってもらった。こりゃまいったなと思ったが、バッグはカート上部のフック部分に引っかけてなんとか固定、支柱側に傾けて転がしてく限りは落ちないようにすることができた。ブリッジは早くも暑い。本日は3ホール。お隣さんに挨拶して荷物を一旦ブースに置いてから、ペリカンの荷受けに向かう。この時、折り畳み式のキャリーを持って来るのを忘れたのに気付いた。その時はまあいいやカートを使えば、と思ったが帰りにはその手は使えないことに気付いて新橋までの持ち運びどうしようかと思ったが、その時点では取り敢えず考えないことにした。荷物は集積所ですぐに見つかり、カートに載せてプースに戻った。チラシを整理するが、今回はご丁寧に全部のチラシをまとめて入れられる紙袋が別々の印刷会社から2つ配られていて重宝した。すぐに荷物を開いて机シートを取り出してひいてから、組立棚を組み始める。9時過ぎ頃にi6がやってきた。金曜日にi2が来られないということで助っ人に頼んで通行証を先に郵送しておいたのだ。一応棚を組み立て終えたところで、一旦ニコチン補給と称してガレリアの喫煙所にタバコを吸いに出る。ところが9時15分頃にスタッフが早くも「ブースにお戻り下さい」と注意しに来た。さっさと吸い終えたが、そこにいた僕以外の人間はまだなんとなくグズグズしている風情。ダミー入場組か?
 ブースに戻って今度は棚の中仕切板を付け始める。これがいつも一番時間がかかり、毎回どうにかしようとその度に思うのだが毎回持ち越しになってしまう。その最中に、なんと販売物メニューを貼り込んだボードも忘れてきたのに気付く。一体どうしたんだ、今日の俺は?
 途中見本誌回収スタッフが来て、「抽象企業・10i」を渡したが、ざっと見て
 「この楽譜はちゃんと許可もらってるんですか?」
と気になることを聞いてきた。
 「200年前に死んだ作曲家の作品ですよ?」
と答え、特に問題にされることなく受理された。
 棚の組立がどうにか終わったのは9時50分頃、それから本を取り出し棚に入れ始める。相変わらず本の配置に四苦八苦していて、ふと気が付くと既に9時59分、開会の瞬間の写真を撮らないといけない。ちょっと焦って、座っていたi6に
 「おい、立って!」
と呼びかけて島の中に入り、カメラを持ち出して椅子の上に立った。ただ自分ではそれほどと思わなかったのだけどi6に呼びかけた声が思わず大きな声になってしまったらしく、隣近所の人たちがびっくりした顔でこちらを見ていた。
 ともあれ10時ちょうど、開会のアナウンスといつもの拍手その光景 を体を巡らしながら撮影するが、いつもほどの盛り上がりはないような気がした。いつもの暴入も無かった。けれどそれがスタッフの必死の努力によるものということを知ったのは3日目のこと。
 それからまたブース準備。新刊と最近既刊を前に出すようにして、どうにか並べ終わる。するうち、お客さんがパラリパラリとやって来る。まず「水の墓」を手に取るが、
 「いつものコミケレポ本は無いんですか?」
と聞かれたので、
 「今日は売っちゃいけないんですが...、これからやることは見なかったことにして下さい」
と因果を含めて「コミケット2001・夏」を取り出す。そこら辺のことは僕のところに来るお客さんも重々承知なので黙って買って行く。
 とはいえ始めのうち客が来ないのはいつものことなので、i3に断って1〜3ホール内の買い物に出る。近いところから順に「あああアルフレッドさま」、「ガミラス愛国党」(ここで平野あゆさんと談笑する紙袋抱えた岩田さんを目撃)、「ザ・コマーシャル」、それから「STUDIO UPUP」「スターシアター」「FuriFuri天国」(ここではとうとう売り物がイラストCD-ROMになった。「これMacで見られますよね?」と確認したら「というよりMacで作ってるので」よっしゃ〜!(^^))のいつもの「ようこ」本サークルを巡って終了。ちょっと外に出て一服するかと思って東側のトラックヤードに出てみたが、灰皿は全て貼り紙がされていて使用禁止、代わりに入出口そばのバケツに吸い殻が捨てられていた。仕方ないので僕もそこで一服。青空はますます冴えて陽射しがキツい。けれど風が強く、屋内よりも気持ちいい瞬間もある。そこでDr.モロのイラストそっくりの赤い胴長の犬のぬいぐるみを持った列整理が目に入った。「モロモロ」に違いない。列があまり長くないようだったから並ぼうかと思いホール内の列の長さを確認するが、列は全て外並びであまり長くもなかったので、外行列に並ぶ。その犬のぬいぐるみを写真に撮ろうとした人(実はスタッフ)がいたが、列整理員が「すいません、撮影禁止にしてます。でないとキリが無くなっちゃうんで」と断っていた。残念、僕も撮らせてもらおうと思ってたのだが。「コミケカタログ漫画
III V」と「サイボーグスタッフ009」を買う。その後一旦ブースに戻る。
 11時半過ぎ頃、東4〜6ホールのとあるサークルさんに顔見知りのコスプレイヤーが売り子に来てるはずなので、前のイベントでの写真を渡そうと思って挨拶がてら行ってみた。NARUTOコーナーの真ん中で、それらしきサークルの前に行ったが見当たらなかった(後でこの日は休んでたことを知る)。再びブースに戻り、しばらく売り子に徹する。
 12時過ぎ、そろそろ西ホール遠征の準備にかかる。カートはベルトが切れてしまったので使えず、仕方ないのでコスプレイヤーさんへのプレゼント写真を、多分会えそうだと思われた人の分だけ選んでリュック兼用バッグに移す。全部では重すぎ、嵩張り過ぎるのでとてもバッグで持って歩く気になれない。カメラバッグと両抱えでいざ準備会本部へ向かおうとしたら、取材許可申請書に捺印するための印鑑を忘れてきたのに気付いた。またか。しかたない、拇印で代用させてもらおう。全く今日の俺はどーしたんだ。身分証明用の保険証のコピーも忘れていたが、これは名刺で大丈夫なはず。i6に断って西ホール遠征に出発。まずは取材許可。
 総本部に向かう途中、東2ホールの真ん中あたりで顔見知りのコスプレイヤー野乃宮このみさんとスレ違う。早くも「サイバー」のコスプレ。挨拶すると
 「後でみやびん(神戸のコスプレイヤーみやびさんのこと)と合わせしますよ」
と教えてもらって、別れた。準備会総本部に出頭、既に顔なじみになってる女性の取材受付スタッフに挨拶して、早速取材申請。取材腕章を付けていざ西ホールへ出発。これ、取材腕章って着けていても事実上何のメリットも無いんだけど、なんとなく百人力を得たように感じてやる気がいや増す。東ホールのガレリアからエスカレーターで昇ってる時に振り返ってガレリアを見下ろしたら、およそ 通路とは思えないほどの混雑 。多分今がピーク時だろう。西ホールへの向かいがてら通路の混雑ぶり を数枚撮るが、そこで椿事発生。突然カメラのシャッターが降りなくなった。ここんとこしょっちゅうあることなので、またかいなと思って電源スイッチの入・切を数回繰り返す。回復しない。荷物を オープンカフェの前 で置いてバッテリーチェック。別にバッテリーが切れてる様子はないが、念のため予備と取り替える。まだ回復しない。こりゃマズイぞ今回カメラこれ1台だし、と少し本気で焦って、レンズを一度外してはめ直すと、やっと回復した。接点不良か何かだったのかな? でもさっきまでちゃんと撮れてたのに。“本番前”に若干不安が残ったが、数枚 試し撮り して、とにかく西ホール屋上のコスプレ会場に向かった(結局コミケ中その症状が再発することは無かった)。
 西屋上に向かう階段 の昇り口にスタッフが立って注意を呼びかけていたが、その口上が面白かった:
 「走らず、歩いて、立ち止まらず、一歩一歩昇ってください。私の後ろから1本見えないローブが伸びています。皆さん、想像力を働かせてください。その見えないロープの向かって左側が上り、右が下りです。お互いハミ出ないようにして下さい。想像力が大切です...」
なるほど、いつもだったら上り一方通行の大階段が上り下り両方の通行が確保されてる。
 入口近くで「さいと」を受け取り、そのままかざして入口を通る。とにかく凄まじい陽射し、抜けるような青空、雲一つ無い。ただ風が強いのと湿度がそれほど高くないので意外と快適。
 まず見知った顔を探してしばらくウロウロ。広場の真ん中あたりで 内藤めいあ さんを見つけた。本日は「サイバー」のSUGOキャンギャル。風見ハヤト役の男性と組んでたから、菅生あすか、かな? 6月の後楽園で撮った写真をプレゼント、ペアで撮らせてもらう。ところがデイライトシンクロやろうとしたら、その時になって初めてストロボを忘れてきたことに気付いた。これで5箇目の忘れ物、やれやれ。露出補正で何とか対応しようとしたが、間に合いそうにない。つまりそれほど眩しい訳で、キャンギャルコスは露出が多いから涼しいとは思うけど、日焼けが心配。
 会場内西側、大階段寄りの一画で1年振りのみやびさんを見つけたが、撮影囲みが一旦バラけたところ。一休みしますということなので、後でこのみさんとの合わせで再会できることを念じてその場は別れたが、結局今回の夏コミでみやびさんと会えたのはその一瞬だけだった。
 顔見知りのカメラマンK氏に出会い、挨拶。
 「今日は遅いじゃないですか?」
と言われた。
 「今日は委託サークルで出てたんで」
取材腕章を見て、
 「あれ、今日は取材ですか?」
 「えっ、ここんとこコミケじゃ毎回取材許可取って出てますよ、レポート本作るんで」
互いの健闘を祈って別れた。
 その後しばらくウロウロしてたが、なかなか知った顔を見ない。今日はまだみんな休みかなあ。前日時間が無くて、ネットでレイヤーさんの参加状況を各個確認することができなかったし。飲み物売り場でコーラを買って、タオルでまいて飲みつつ歩き回る。
 東側のテラスで腰掛けてたまりや ちゃん発見。金ヅラ着けてたので一瞬わからなかったが、「満月をさがして」という漫画/アニメの「フルムーン」というキャラらしい。
 「『神風怪盗ジャンヌ』と同じ原作者の漫画ですよ、種村有菜さんっていう」
 「ああ、ありなっち! 確か文化放送の桑島法子の番組で何度かゲストに来てたね、そういや次の作品てことでそういうお話もしてたかな」
ところがまりやちゃんの方はラジオのことは知らなかった。やっぱり僕の方がまだオタクなのかな(^^;)
 「今まったりモード? 撮影お休み?」
 「いえ、構いませんよ」
と確認してから撮らせてもらう。長袖で暑そうなコスだったけど、立ってもらってみると腹出しコスだった。となると、今度は日焼けが心配。
 「日焼け止め思いっきり塗りました(笑)」
とは言ってたけど、この陽射し限界越えてるんじゃないかな。相変わらず風が強く、金ヅラが乱れまくるが、それよりどうしても顔に影が出てしまう。つくづくストロボ忘れたことを悔やむ。露出補正を目一杯かけて、どうにかなったのかなあ。やや見上げアングルを狙って膝付こうとしたら、床が熱くて飛び上がった。こりゃレイヤーさんに膝付きポーズ、座りポーズは頼めないな。
 それからまたウロウロ。相変わらず知り合いに会わない。こりゃ先に企業コーナーに行っちゃった方が正解かなあ、と思い始めたところで、 内野うさ子・ぴぃ子姉妹 を発見。「ちょびっツ」のちぃのペアでうさ子さんが白と水色、ぴぃ子さんが黒と赤のドレスヴァージョンだったんだけど、なんと今正にDIVERSEの取材を受けてる最中だった。こりゃあグッドタイミングだとばかりにそばでしばらく拝見する。DIVERSEの名物カメラマンT氏の口八丁手八丁インタビューに一歩も引かず丁々発止と受け応えする様は正にライブ漫才、見てるだけで楽しい。終わった後、うさ子さんたちに挨拶して6月の後楽園の時の写真をプレゼント、その後撮影させてもらう。フィルムが切れたところで終了。
 その後、ちょうど休憩中のDIVERSEのT氏に挨拶。撮影状況など聞く。
 それからまたしばらくウロウロ。相変わらず知った顔に会わない。と、二人連れの私服女性とすれ違ったが、そのうちの一人にハッとして追いかけ、
 「すいません、もしかして、ゆきなさん?」
 「はい? あら、お久し振り!」
と、やっぱりそうだった! ゲーマーのスレンダー美人コスプレイヤーのゆきなさん。今年からタレント事務所に入って、主に企業系イベントでイメージガールやキャンペーンガールで御活躍。ただ契約の関係らしいのだけど、普通のイベントでの撮影は不可になってしまったのが残念。
 「お久〜、5月以来でしたね。ステージの方はもういいの?」
今日開場後早い時間帯に企業スペースのイベントステージでゆきなさんのトークショウがあることはHPで知っていた。
 「もう終わりました」
 「午前中だったよね、僕は今日は午前中はサークルと本買いで東にいたから」
そこで早速プレゼント、
 「もうイベントで会うことも無いだろうから、せめてオミヤゲにと思って...」
 昨年の1月にメダリオンで撮ったデジコ のアップ写真を六切りに伸ばし焼きしてパネルに入れたものを用意しておいたのだった。ノーストロボの開放で撮ったのだけど、ちょうどレンブラントの肖像画のように陰影が深く出て、ゆきなさんを撮った写真の中では自分で一番気に入った写真だった。
 「あー、覚えてますよ、これ!」
と言って受け取ってくれた。
 「東芝のブースでコンパニオンやるんじゃなかったの?」
 「今日はもうアップしてるんです。だけど明日もやりますよ。時間帯によるけど」
 「それじゃ明日運が良ければ」
と言って別れた。
 その後また少し動くが、やっぱりなかなか知り合いに会わない。会場の東側に寄ったところで、今正に合わせが終わったばかりの紫のヅラで白無垢ドレスの美人レイヤーを見掛けたが、見覚えがあった。近づいて行って、
 「もしかして...勇ちゃん?」
と声を掛けると
 「はい!」
冬コミ以来の高室勇 さんだった。久し振り〜、と挨拶しあう。高室さんがこの夏コミ来るかどうかもわからなかったので、会えて良かった〜! 早速冬コミの時の写真と今回の新刊贈呈。
 「コミケで登坂さんに新刊もらうのが楽しみになってるんですよ」
と嬉しい言葉。それにしても古代ギリシャ風の白いドレスが陽にまぶしい。
 「また見違えるところだったよ、このキャラ何?」
 「昔のアニメで『聖闘士星矢』のアテナってキャラです。でもこれ、時間無くって2日前にババーって作ったんですよ」
 「いやあ、とてもそんな風に見えない、よく似合ってるよ。だけど結構懐かしいアニメだよね...そうだなあ、『星矢』コスが一番流行ってたのって昔のTRCの頃のコミケだったね。14,5年前か。もっとも僕も今回の新刊は16年前のアニメ扱ってるんだけどさ(笑)」
とか話してたけど、とにかく撮影。まず立ち姿、相変わらず風が強かったのだけど、これがドレスの裾が風になびいてちょうどいい感じ。次に床が熱いのでどうかと思ったが、ロングドレスの定番、裾広げの座りポーズをお願いしたら快諾してくれた。てなことしてるうちにカメラマンが集まって来て、壁ができてしまった。まあ高室さんほどの美人でこんなに目立つコスではしょうがない。
 「それじゃ運が良ければまた明日。日焼けに気を付けてね!」
と言ってその場を後にした。
 実は今回の夏コミ、コスゾーンは屋内にもあったのだが、それに3日間全く気付かなかった。企業コーナーとはまた別のホールで委託展示コーナーと女子更衣室との間のスペースが屋内コスプレ広場に当てられてたのだけど、いつもは企業コーナーとスペースを分けあってたのが今回見当たらず、屋内コスプレコーナーは廃止されたのかと思いこんでたのだ。ということは、日焼け&暑さを嫌ったレイヤーさんたちは皆屋内に逃げ込んでた訳で、コミケ後いろんなレイヤーさんのサイトのコミケレポで屋内写真を見て初めて気が付いた。そのせいでいつもは遭遇してるかなりの数のレイヤーさんと会えなかったのだろう。
 ともあれ再びウロウロ。既にして大分日焼けしてしまった。
 ビシッと似合った黒のキャミーに壁ができてたが幸い見覚えのある人、久し振りの葉村モモ さんだった。声をかけて撮らせてもらう。もともとスタイル抜群の人で、レオタードが黒で金ヅラに赤のベレー、ロングブーツのペイントタイツと隙の1点もないコス。だけどキャミーは一応露出系に分類されるんだろうけど、これだとなまじっかのフリフリ系コスより暑いんじゃ? まあそれを覚悟してのコスな訳だから、毎度思うのだけど、コスプレって愛と気合いと根性の世界だなあ。
 そろそろ企業コーナーに入ろうかと東端まで来たら、あいさん・けいさんのコンビを見つけた。 あい さんはなにやらカウボーイ、じゃないカウガール風のコス(この時はわからなかったのだけど、後であいさんにゲーム「Dead or Alive2」のティナ・アームストロングのカウガールヴァージョン、と教えてもらった) けい さんは「ナデシコ」のユリカ。会うのは久し振りだったけど、二人とも相変わらず抜群のプロボーション。囲い壁ができるのも当然。個々に撮らせてもらう。
 伊藤りえさんがクリィミーマミをやってるのを見つけたが、既にカウントが入ってまともな写真が撮れなかった。
 先ほどの葉村モモさんのキャミーがまだ囲まれていたが、振り返り姿 のバックショットがカッコ良かったので改めて呼びかけて撮らせてもらう。
 そろそろスタッフが「屋上展示場は15:00で終了します」というプラカを抱えて徘徊し始めた。サークルブースには15:30くらいまでには帰らねばならないし、もう企業スペースに河岸を変えるべきだろう。
 企業スペースに入ると、しょっぱなにGAINAXブースで「まほろまてぃっく」まほろコスの 美夜 さんに出くわした。見たところ、GAINAXブースには他に知った顔でうさこ(綾瀬ゆい)さんがいた。美夜さんはチラシ配りの最中だったが、お願いして1枚だけ撮影。ストロボがないので屋内撮影は絞り解放+補正で行かざるを得ないが手ブレがコワイ。20分の1秒でなんとか。
 「明日もGAINAX?」
と聞くと
 「明日はGROOVERです!」
 「ええ? GROOVER?」
GROOVERなら先刻承知の人が何人かいるけど。
 「仲間うちで回ってるの(笑)」
なるほど、そういう業界か(^_^)
 うさこさんはブースの中に入ってたので撮影できず、でもまあここで働いてることさえわかってりゃあと2日のうちにチャンスはある。
 企業コーナーの奥の方に入ってくと、「キャラメルBOX」のブースの前でルークさん発見。顔なじみのカメラマンHさんもいた。寄って行って挨拶。ブースの中を見ると羽村未来さんもいる。今回ルークさんたちがどこで働いてるかは知らなかったのだが、思った通り行き当たりバッタリ作戦成功。未来さんはブースの中で忙しそうだったので、挨拶して6月の後楽園の写真をプレゼントしただけ。ところでルークさんのコスはというと額冠というかアンテナというかなんだか複雑な頭飾り、金色の首輪に惑星系風の首飾り、複雑な留め方のローブというかシースルーのマントで、どこか別の惑星の古代ローマの貴族といった感じ(どんな感じだ(^_^;))のなんとも優雅な雰囲気のコス。
 「このコス、何です?」
と聞くと
 「これです」
と言ってチラシ をくれた。ミンクソフトというところから冬に出る18禁ゲームのヒロイン?のコスらしい。ルークさんには今回の新刊「コミケット2001・夏」の表紙に昨年夏コミで撮った写真を使わせてもらってるので、ルークさんだけには是非とも渡したかったのだ。贈呈すると、表紙を一目見るなり
 「あぁ、これ...」
と破顔一笑。そばにいたHさんに
「この表紙のこの(写真の)部分だけ欲しいね(笑)」
と言われた。
 「この写真ならWebに載っけてますよ、今回の本ちょっと仕掛けがしてあって...」
と今回のWeb連動企画の説明をする。するとそこに綾河美亜さんが通りかかってルークさんに挨拶していった。ちょうどいいとばかりに呼び止めて、6月の後楽園の時の写真、そして以前美亜さんのHPの掲示板で確認してもらったコミケ50の時に撮っていた写真を
 「大ショック写真(^^)! 廃棄されるなり、なんなりと」
と言って渡す。目を丸くしてたが笑ってもらって行ってくれた。しばらくHさん、ルークさんと話してたが、そろそろ時間が無くなってきたので撮影をお願いする。ストロボが無いので全身はピントの自信が持てず、バストショットだけ。そしたら、ルークさんが「コミケット2001・夏」をちょうどその表紙写真のように、つまり昨年夏コミの時にやってくれたように持って ポーズ をとってくれた。思わず吹き出す。
 「か、鏡合わせですか?(笑)となるとまた来年この写真使わなくっちゃ(^^)」
 別れ際、ルークさんが「明日は蓮ちゃんも来ますよ」と教えてくれた。それじゃまた明日、と言ってその場を離れた。
 ぐるぐる回ってるうちにスペースの配置が分からなくなってきて、一旦会場から出てスペース配置ボードを見て確認。確か今回「ソニア」と「コスパ」が共同ブースで出店していて、「ソニア」にはおなじみの毛利摩生さん通称まうぽんが、コスパには水來海音さんが出てるはずだが。行ってみると、ソニアに摩生さんはいたけどコスパに海音さんは見当たらない。お休み中かな、と思ってそのままスルーした。後で知ったが、これは僕の勘違いで海音さんが出るのは2日目・3日目だった。
 他にレイヤーさんがいそうなところで「GROOVER」を覗いてみると、伊藤瞳子さん、SATOKOさん、そして有名男性レイヤーの早川乙彦氏などの姿が見えた。と、どこかのTVクルーが取材していた。見ると鈴々木保香さんがバニーガールのコスプレでGROOVERのコンパニオンのコスプレイヤーにインタビューしている。冬コミの時と同じお仕事か、と見ている間にインタビューが終わってクルーがコスプレイヤーへのアンケートに移った。いいかな?と思って保香さんに寄って行って挨拶し、
 「今回はどこのお仕事で?」
と聞いたら
 「スカイパーフェクTVの...」
やっぱり、冬コミの時と同じお仕事。でも残念、僕はスカイパーフェクTVは見られない。保香さんのバニー姿は冬コミで撮り逃してたので撮りたかったのだが、お仕事が詰まってそうだったので諦めた。
 そのうちまたブースの配置がわからなくなってきたので再び配置ボードを見ておこうと思ったが、そうだ確か企業スペースはそれ専用の パンフ を配布してたはずだと思い出し、入口のインフォーメーションコーナーに寄ってみると、確かにあった。まあ今日はこれだけもらっといて、後は明日でいいやと西4階を後にした。エスカレーターで降りて東ホールへ。東ホールの1階ガレリアに降りたところで缶ジュースを買って喫煙所で一服。目の前では一人の男がガレリアの真ん中で 今日の収穫 を選り分けている。御苦労様なこって、でもここは座り込み禁止の場所のはずだけどね、とこっそり写真を撮る。それから総本部に出頭、腕章と取材許可証を返却、ブースに戻る。
 戻ったところで、i3が
 「ちょっと荷物を宅配便に出してきます」
と言って出て行った。その後時間も時間だし片付け始めたが、その途中少々自己嫌悪に陥った。今日の忘れ物はカメラのストロボ、ガムテープ、キャリー、販売物メニューボード、印鑑。なんてこった。こんなに忘れ物をしたのは初めてだ。これから荷物を新橋のホテルまで持ってくのに一番必要なキャリーを忘れるなんて。片付けそのものは棚の分解、本の段ボールへの箱詰め、雑物のまとめと割と簡単にできたが、これをどうやって持ってくか。リュックバッグは背負い、カメラバッグは肩に掛け、木工具箱は片手に持って、カートは引きずりでなんとかなるが、段ボール2箇はどうにもならない。どうせ段ボールは明後日まで用なしなんだから、思いあまって宅配便に頼んで明後日の朝にまたビッグサイトに持ってきてもらうよう頼めないものかと考えた。試しにペリカン便まで行って聞いてみたら
 「宛先をビッグサイトにして配達日を明後日にしてもらえばそうできます」
と言われて、ほとんどそうしかかったけど、戻ってきてその料金がもったいない気がしてきて再びためらう。どこか近くでキャリー安く売ってないかな、とまで考えた。だがそうこうしてるうちに17:00になってアナウンスが流れ、翌日の搬入準備の時間となった。いつまでもホール内に留まってはいられない。i3はまだ戻って来ない。i6が見に行って来たが、まだまだ行列が長くてi3の順番まで30分くらいかかりそうだと。気が付いてみると、お隣さんの荷物も僕らの荷物と一まとめに床に置かれていた。お隣さんは確か女性一人だったはず、ははあやはり宅配便に荷出しに行ってて引っ掛かってるんだな。けれどそのうちそのお隣さんは戻ってきて、挨拶して荷物を持って去った。周りで残ってるのは例によって僕らだけである。仕方ないので、i6に頼んで二人で荷物をとにかくガレリアに引きずり出して喫煙所のベンチのそばに積み上げた。そこでしばらく休憩。対策を再考したが、結局どうしても段ボールは抱えたまま新橋まで持ってかなくちゃだめだろうと覚悟が付いた。
 i3が戻って来たのはもう6時近くだった。
 「まいりましたよ、ペリカンの荷捌きが遅くて遅くて」
 「窓口何人くらいでやってるの?」
 「係の人は10人くらいいるんですけどね、その処理が遅いんですよ」
 「これで僕がいつも荷物の発送で手間取ってた訳がわかっただろ?(笑)」
と精一杯のギャグを飛ばす。
 とにかく新橋のホテルに7時までにチェックインせねばならない。i3、i6に手伝ってもらい、僕はリュック背負ってカメラバッグ肩にかけ両腕で段ボール箱一つ、i3は自分のカバンと僕の段ボール一つ、i6にはカートと木工具箱を持ってもらい、ヨタヨタと出発。こりゃ他の人から見たら「なんだー、あの準備の悪い連中は、コミケ初心者か?」と思われたに違いない(^_^;)。外に出るともう夕方だったが未だ雲一つ無い。なんとかゆりかもめに乗り込んで新橋へ。
 新橋駅からホテルまでは歩いて3分。この近さだけがせめてもの救い。前日下見しておいた甲斐があった。けれどJR新橋駅の中を突っ切らねばならない。勤め帰りの人とコミケ客とで構内はゴッタ返してたが、なんとか駅内をすり抜け、ホテルへ。フロントにチェックインを告げると、
 「i3様シングル、登坂様カプセル、でしたね?」
と言われた。面食らって、
 「えっ、両方ともシングルでお願いしたはずですが?」
と訴える。どうも間違って予約登録されてたらしい。その場で予約を直してもらって、事なきを得た。けれどその事務処理の間、フロントの人にこう話しかけられた。
 「やはりマンガ祭りの関係ですか?」
その言葉に3人ともウけてしまった。
 「ははあ、こちらじゃあれをマンガ祭りって言うんですか?」
と聞き返すと、平然と「はい」と応えられた。
 ともあれ荷物を持って部屋に向かうが、その途中も「マンガ祭り」という表現を話題にした。
 「マンガ祭りって言い得て妙ですねー」
 「なんかさ、語感からすると後楽園あたりで参加者1万人程度のイベントって感じだね」
都バスやタクシーの運ちゃん仲間ではコミケのことは「コミック」で通ってるらしいし、一体コミケはどれだけの種類の通称があるんだろう? だけど、僕の怪しい記憶の奥を探ると、確かコミケ誕生以前にあった同人誌も扱うイベントで「漫画祭り」と呼ばれてたモノがあったような気が。
 部屋に入ってみると、驚くべきことが判明。広さはなんと2畳。それも縦にだ。横幅はベッドの幅ぴったり。ドアの回転半径を含めて、ベッド以外のスペースは1畳未満。無論トイレ、洗面台、風呂など無く、鏡があるだけ。天井からはでっぱりがあり、大型テレビがはめこまれていてちょうどベッドの枕の位置から寝たまま見られるようになっている。i3もi6も呆れて
 「こりゃ究極のビジネスホテルですね、ほんとに寝て泊まるだけ」
 「俺、建築学で言う最小限住宅って用語思い出した」
 「赤塚不二夫の『おそ松くん』ってマンガの中で、六つ子がそれぞれ自分の部屋が欲しいってんで居間を6等分して部屋を作ったって話があったな」
 「いや、私の会社の社員寮もそれがシャレにならん状態ですよ」
でもコミケ参加者にとっては実に相応しいホテルであり、部屋だったかもしれない。僕の荷物を詰め込んだら、もうドアの回転半径くらいしかスペースが無い。
 とにかく汗だらけの服を着替えて、夕飯に出かける。すぐ近くにi3の知ってる焼肉レストランがあって、i6も誘ってそこに入る。店は地下にあって、20畳くらいの広さ。勤め帰りのサラリーマンが数グループいたが、それほど混んでた訳でもない。
例によって“とりあえずビール”を頼んでしまう 。昨日から身体がくたびれ果ててるはずだからちょっと怖かったが、その場で爆睡するようなことも無かった。適当に注文して四方山話をしながら食いまくる。3人分のセットメニューだったのだが結構食いでがあって、かなり満腹になった。考えてみたら朝食も昼食も摂ってなかった。我ながらよくあれだけ動き回ったなあ。食後の話題も尽きたところでお開き。僕はそこで別れてそのまま忘れ物を取りに一旦北浦和に戻る。
 既に9時過ぎだったが、京浜東北はまだ混んでいた。北浦和について、駅前からバスで家へ。家に入って、とにかく忘れてたものを揃える。それからMacを起動し、いくつかの掲示板を見て書き込んでから終了して、再出発。駅前までは自転車で行った。途中、24時間営業のスーパーでガムテープとタオルの買い物。自転車を駐輪場に置いて、再びJRに。既に11時過ぎ、さすがにこの時間は上り京浜東北はガラガラ。車内で少々うつらうつら。眠りに入りかけたところで新橋到着、フラフラしながら降りてホテルに向かう。自販機でビールでも買おうかと思ったが、この時間既にアルコール飲料の自販機は停止してるのだった。
 部屋に戻るとi3がその音を聞きつけて出てきて、
 「明日何時頃起きますか?」
 「明日は一般だしね、7時半起きでいいや」
といい加減に決めて部屋に入る。風呂に入りたいのはやまやまだったがいかんせん疲れがピーク。寝ぼけまなこで腕時計のタイマーを5時半に会わせて早朝入浴を企む。携帯ラジオでQRのアニラジ番組を聞き始めたが、何時の間にやらグッスリ寝ていた。


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