花笑み
ひとつ花の
まだ咲き切らぬ白ゆりを
いち本だけ
こうして
そう
生けるには少うし難しいのだけれど
丈は長めにして
水さしを
水と
凍ったその塊で満たして
挿してみましょう
きっと
花は
名のように
あやふやに
傾いて
ふちの
さしくちの
わずかなくぼみへと
からだ
を
納める事でしょう
私は
花の
ことり
と
うつむいた
首を
少しだけ
起こしてあげます
そうすると
絹糸の
その
ほそいとのばらんすで
花は
私を見つめます
やがて
水の塊が
からん
と
溶けて
糸の
切れて終わるまで
私は
花と等しくなって
見つめられたまま
そこに
じっと座って
居りました
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「花笑み」とは、花の咲くことを人の微笑むさまに例えていう言葉なのだそうです。亡くなった母の名前は百合子といいました。 ーーー |
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