| 1、購入について
〜紆余曲折〜
デジカメを購入し使用し始めたのが、2001年度であった。このホームページの全ての画像を一台のデジカメが請け負ってきたのである。 暗い室内を撮影する最大の条件は、F値が小さい、つまり明るいレンズを搭載していることである。 あと更に持ち運びが便利である事、つまりコンパクトであることである。大きければ性能は高いが、機動力は低下する。 何より予算がない(ほとんどの方々がそうであろう)。これが最大の要因ではあるが、選択肢は一つしかなかった。 O社製のコンパクトデジカメ(当時ハイエンド)を購入する事になった。最初の1年は、ISO感度を変えるだけで、ほとんどオートでの撮影。 更に、ホームページ用の画像のみ、ハイクォリティモードで撮影。他は最低画質で、サイズも最小で撮っていた。 ただオートだと、蛍光灯によって、色が目まぐるしく変化する事が分かり、蛍光灯モードを多用するようにした。 日中でもISO400(太陽光モード)で撮影し、シャッター速度の速さに感動するといった、素人的な物であった。 2年目になればさすがに明るさを考え、ISO100での撮影もあったが、スタンダードクォリティ2の最低画質モードは変わらず、サイズは下から2番目。 メディアが一杯になることなど、まず無いにも関わらずそうだったが、この年の終わり辺りから全て、ハイクオリティーモードでの撮影になった。 3年目、つまり、去年2003年の初頭から、不満が出てくるのだ。CAPAなどを読み始めるのが原因の一つであったが、まずは画角の問題である。 このデジカメの焦点距離は35mmカメラ換算で、35mm〜105mmである。対角線63°の物を撮影できる。 しかし、室内だとこの画角外を写したくても、一度では写せない。つまり複数枚を合成することになるが、35mmでは樽型に収差が出る。 となると、線が合ったりしない。50mm相当で一番歪みが出ないと思われるが、これだと、最低3枚は撮らねばならない。かつ時間がないのだ。 更に同じシャッター速度で撮影する事になるので、基本的には相当無理がある。更にPCのメモリ限界で処理をするにしても、厳しい。 で、根本的に考え直す事になった。35mm相当では基本的に欲しい写真が撮れない。銀塩は撮り直しが出来ないので、却下だった。 そこでデジカメを見る事にする。まずは28mm相当。N社から出ていたE5000。純正のワイコンを使用すれば、19mm相当まで可。 若干購入したデジカメよりは高いが、第一候補に挙げる。しかし、暗部でのAFがイマイチ。さらにF値も2.8と暗い。 19mm相当だと、対角線97°であり、全ての問題を解決してくれるように思えたが、暗部でのAFが強力でないとダメである。 更にワイコン装着だと、ボディサイズが大きくなり、機動力に欠ける。M社の7を見る。28〜200mm相当。ただしF値が2.8〜3.5。 常用を考えると、全く問題はない。レンズ交換式のデジタル一眼と比較しても、CCD部にホコリが付いて取れないという心配も少ない。 ただ、これも電池の持ちが悪い、AFがやや弱い、等の問題がある。更に純正のワイコンがないのだ。そしてこれも却下になった。 そのうち、N社にも後継機種5400が登場、ズームも4倍になったが、装着出来るワイコン使用で22mm相当になってしまった。 F値もそのままであり、暗部、夜景がメインになるので、却下。M社も2種、後継機種、7i、7Hiが出るが、これも却下になる。 そのうち、銀塩にも目が行き始めた。当然並行するのだが、どうしても欲しいレンズがずっと頭の中にあった。 魚眼を除くと世界最広角の12mmレンズである。対角線121°、長辺114°、短辺89°を誇るレンズである。 長辺114°は、14mmレンズ(一眼レフ用当時最広角)の対角線画角に相当し、短辺89°も21mmレンズの対角線画角にほぼ相当する。 まさにウルトラワイドへリアの名前に相応しいレンズであった。 ただしかし、F値は5.6。室内では三脚使用であり、開放でも8秒間の露光は必要になる。 これにしたかった。しかし、レンジファインダーである。理解はしたが、室内での使用は不可に近い。 並行して考えたのが、M社の銀塩α7とS社の20mm、F1.8の組み合わせである。これだと現在使用中のデジカメと同じシャッター速度で使用出来る。 CAPAの比較では、α9と純正レンズの組み合わせでは、暗部での最高合焦能力を誇るので欲しかったが、ボディだけで中古で10万。却下である。 さらに、ボディが大きく重い。さらに馬場さんのコラムでは、色々な機能で一番揃っているのが、α9とα7なのである。 だから、銀塩一眼ならこのどちらかにしようと思っていた。しかし、α9よりは小さいとは言え、α7でも大きい。さらにS社の20mmレンズも大きい。 ずっとこの2つで迷っていた。12mmの魔力に取り憑かれ、ほぼ購入を決定していた。が、L社のバルナックと合わせて、11万。 しかし、シャッター速度が最高速で1/1000なのである。高感度フィルムとの組み合わせでこれは厳しい。 それは、L社は憧れである。ただ、室内と室外混合で考えた場合、シャッター速度は早い方が良いのだ。 1/2000のC社のB−Lとの組み合わせで10万強で収まる。周辺光量落ちも室内なら我慢出来るし、9割方決定していた。 しかし、考えてもみろと言う言葉が聞こえるのだ。AFで慣れてしまった自分に、ほぼ写真撮影の原点に近いレンジファインダーが使用出来るのか。 さらに、明るいレンズに慣れてしまった者が、暗いレンズを使用出来るのかと。15mmならば、F値は4.5になる。 ただ、どうせ買うのなら、世界一の超広角にしたい。しかし欲を言ってはキリがない。12mm&15mmのどちらにするかでずっと悩んでいた。 でもどちらにレンズにしても、室外でしか利用法がない。で、しばらく何も買えないではないかと諦めが先行していた。 しかし、そこにM社にデジカメの新製品が登場する。A1である。CCDを動かし、手ぶれ補正を行うという画期的システムで登場した。 デジカメの後継には十二分であろう。しかし、純正ワイコンが無いので、ためらう。それも10万以上する(現在では7万前半)。 暗部でのAFも相当強力になったという。余裕があれば購入は即決定であった。 M社のTC−1も頭にあった。冠付きのロッコールで28mm単焦点。F値は3.5。対抗してR社のGR1V、そして一番気になったのが、 21mm単焦点のGR21である。全てAFである。GR21を考えた時期は、9万弱で新品が購入出来た時期である。現状は中古でも高騰している。 R社が銀塩から撤退すると表明した途端、R社のコンパクト銀塩は市場価格が一気に上がった。ただ、GR21はF3.5。 使用を前提とする室内には若干厳しい。さらに周辺減光が思った以上にある。しかしキレのある描写をするので、L社とも十分対抗しうるとあった。 しかし、もたついている間に、それも消える。更に並行し、K社のレンジファインダー機、21&35mmのデュアルレンズも考えるが、30万になる。 更にR社のデジカメのラインナップには、G4−Wideがあった。F値は2.6、28〜85mm相当で登場し、ISO800も搭載する。 4万と値段も安い。しかし、28mm相当のデジカメを購入する意味があるのか?悩みに悩んだ。 コストパフォーマンスに優れ、かつ広角の欲望(!)を満たしてくれるカメラは最早ないのか? ところがそれがあったのである。2万数千円で。銀塩コンパクト、富士フイルムのシルヴィF2.8である。通常仕様のシルヴィF2.8と、 露出補正が付いているシルヴィF2.8ブラックが存在する。もちろん、シルヴィF2.8ブラックを選択することになった。 しかし何と言っても、魅力はF2.8レンズに、24mm相当の広角である。これは衝撃的であった。 天保山の大観覧車を撮った時だが、35mm相当のデジカメから、24mm相当のシルヴィでは、20m以上接近しても全貌が収まるのだ。 コンパクトさでは無敵である。ジャケット等の内ポケットに収まるほどであるから。問題は軽さである。いや重さと言うべきか。 昼間でも不安だったのが、シャッターを押すと、思いっ切りボディが動いてしまう。現在のコンパクトデジカメも軽さをウリにしているが、 絶対に手ぶれ写真を量産しているはずである。ただレンズ付きフィルムと同じ使用法をする人が、ほとんどであろうが。 ただ、問題があった。1秒〜1/350のシャッター速度なので、室内で使用していたISO800フィルムを、屋外で使うと地獄を見る事にならないのか。 絞りがどの範囲であるかは、明らかにされていない。ISO100で、1/500を越えるのが晴天下の屋外である。 カメラ本体の方で、F32まで絞って貰えれば、セーフかも知れない。 F1.8に対してF2.8なので、ISO800で事足りると思っていたが、4秒弱の撮影もあることに気付いていなかった、いや重視していなかった。 この値段からすると、夜景をバックにフラッシュ撮影する、つまりレンズ付きフィルムの延長でしか考えられていない。 当然、スペックを求めるのには無理がある。手のひらに収まりそうなボディに24〜50mmズームを搭載するのだ。 求めるシャッター速度に満足出来ないので、フィルムを10本ほど消費したところ、購入から3ヶ月で出番は再び無くなってしまった。 購入したにも関わらず、その後一ヶ月後くらいから、全てを納得出来うる物はないか探し始めた。 まず気になったのが、SWCの存在である。ビオゴン38mmF4.5を搭載する、6×6フォーマットの中判カメラである。 世界で最も歪みの少ない、神が宿ると言われる至宝的存在のレンズである。ただ、現状の905SWCは、本体だけで54万弱する。 ならば中古はどうか。数年前に生産の終わった903SWCは、中古でも50万ほど。更に古いSWCでも40万前後。 最古のSWでも25万は下らないのである。更に、フィルム、現像代が35mm判に比べ、相当高く付く。 で、考える。ホームページに載せるレベルで、高コストなカメラを使うのは馬鹿げている。コストパフォーマンスを考え、何とかならないか。 中判の6×6フォーマットで考える。38mmと言うのは、35mm換算21mm相当である。 この時点で10mm台の超広角を捨てたのには、原因がある。超広角は広く景色を取り込むため、パースペクティブ(遠近感)が問題になる。 つまり、遠近感が超広角になればなるほど誇張されるので、実際見た景色と変わりすぎてしまうのだ。 室内を出来る限り見た目に近い状態で写し取りたいとなると、超広角では満たされない部分が出てくる。 10mm台に突入すると、1mmの差で20mm台とは全く違う世界が展開されていく事になると、気付いた、いや学んだのだ。 最初は、18mmが欲しかった。水平画角がほぼ90°となり、一番欲しい角度とマッチする。 しかし、18mmレンズとなると、ニッコールと、ディスタゴンしか存在しない。O社にもズイコーが存在するが、生産終了である。 18〜21mmで悩む事になる。しかし納得出来るレンズがない。その内に、画質にもこだわりを持つようになってもいた。 3M機の画質をモニターで等倍で見る度に思うのだ。甘いと。もうすでに3年が経過したデジカメである。後継を導入すべきなのである。 当然画質の向上を求める事になる。必然的にそうなろう。やはりデジカメを追い越すには35mm判を越えて中判である。 6×6だと、M社と、ブロニカである。ただボディが大きい。若干値段も張り、どうしてもSWCに劣りそうな感覚があるのだ。 少しフォーマットは小さくなるが、645を見る。もちろん、6×8や6×9も見るが、値段が全然違う。 645を見ると、値段は35mm判と変わらない事に気が付いた。P社の645がベストである。35mmレンズ、21mm相当があり、 更に、値は張るが33〜55mm(20mm相当〜)があり、35mmレンズと、P645で決定しかかっていた。 でも問題がある。中古では安いが、これもボディが大きい。AFは645Nからであるが、ボディだけで10万強になり、 35mmレンズ一本と合わせ15万になる。機動力に欠けては、元も子もなく、ブレ写真を量産しそうなので、フィルム代、現像代もかさんでしまう。 そして、AFが強力なP社製も結局は却下になる。その間に、M社からA1の後継になる8M機のA2が登場する。 同時に純正のワイコンも登場し、22mm相当の撮影も可能となった。 暗部でのAFも見る限り、他社の8M機と比較しても、デジタル一眼に匹敵、それ以上の能力を保持している。 8M機なので、モニターでも納得の出来る画質を得る事が出来るのだ。しかし、本当に欲しいレンズは何なのか? 遠くの物を撮影することより必要な事はないのか。中判並みの画質になってくれるような35mm判のレンズは無いのか? H社こと、ハッセルブラッドのSWCのレンズは、カールツァイスであった。同じビオゴンは無いのか? それが存在していた。それも現行品で。21mm(21.5mm)のビオゴンである。分かってはいたが、カールツァイスは高い。 高いので敬遠していた。しかし、中古カメラ店を覗くと、ビオゴンを使えるカメラが1台、登場した。 購入を決めて、2週間後に。それが今手元にある通称「AFレンジファインダーカメラ」CONTAX−G1である。 ビオゴン21mm等の新レンズは、メーカーの調整が無いと、G1には使えないのだ。現状での最新鋭はビオゴンと共に登場したG2であるから。 幸い、メーカー調整済、新レンズ対応済で、新品同様でプラナー45mmレンズとセットになって、5万2千円弱で。 そして、西日本最大の電気街の北端にある、Kカメラ店で、ビオゴンの新品を。合わせて11万4千円弱で夢と共に手に入れたのだ。 デジカメの進歩は早い。去年の機種はすぐに型落ちになってしまうのだ。 しかし21mmビオゴンは初代が登場して半世紀を生き、カメラ好きを魅了して止まないレンズなのである。 ならばその歴史の1ページに自らも加わってみようではないか。いやそんな大それた物でもないのだが、そういう気持ちになったのだ。 ただ単に、21mmビオゴンは数ある超広角レンズの中でも、素晴らしい解像感と、歪曲収差が皆無に近い。これが最大の魅力である。 それが他レンズと比較してこの値段で手に入る。これを使いたいという一番強く感じたのが、購入に及んだ一番の原因である。 |
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購入編〜END〜 |
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