朕深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み、非常の措置を以て時局を収拾せむと欲し、茲に忠良なる爾臣民に告ぐ。 ――――。 朕は時運の趨く所、堪へ難きを堪へ、忍ひ難きを忍ひ、以て万世の為に太平を開かむと欲す。 ――――。 宜しく挙国 一家子孫相伝へ、確く神州の不滅を信じ、任重くして道遠きを念ひ、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くし志操を鞏く し誓って国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらむことを期すべし。爾臣民其れ克く朕が意を体せよ。 朗々とした声が部屋に響き渡る。 源之助の周りを取り囲むように、虹色の光が渦を巻き始めた。 島に巻き起こる、常人には見えない不可視の嵐。 魔法の力。魂の力。気持ちの力。それらの流れ。 「――――――――――――!!」 源之助の口から、呪文以外の言葉が発せられる。 これから消し去らんとする神奈へ、どんな言葉を投げかけたのか。 不可視の風が集い、一つの大きな流れになった。 暗雲に、島と青空をつなぐ穴が開く。 『神奈ぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!!!!!!』 ――カッッッッッ!! ―― 空で光が爆ぜ、島全体を閃光が包み込む。 全ての雲が吹き飛び、その後にはなにも無い青空が広がっているのみ……。 「まさかこんなことを考えていたとはね……」 担いでいた男を投げ捨て、彼はしばらくその場で考えをめぐらせる。 これからの自分の役割について。 【源之助の魔法の成否やいかに】 【暗雲は全て消え、雲一つない青空に】 【最後に爆ぜた光のみ、一般人にも見えます。他は魔法使いにしか見えません。力の流れを感じる奴はいるかもしれませんが】
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