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◎ カードストラテジー


 どうも、「いろこいす」のゲームデザインを務めさせて頂きました日本ア太郎です。
ここでは、このゲームに登場して平安の雰囲気とプレイの戦略を彩る本カードについて、その魅力をお伝えしてみようと思います。
このゲームの本カードは、イメージとしては発展・開拓系のゲームで言うところの特殊建物のような位置付けのものだと思ってください。
  1. 日記
  2. 随筆
  3. 風土記
  4. 説話集
  5. 和歌集
  6. 物語
  7. 軍記物
  8. 鏡物
  9. 装束抄

本カード「日記」 1.日記

現代でこそブログやSNSのおかげで一億総執筆者とでも言える様な状況になっている日記ですが、平安時代でも『土佐日記』『蜻蛉日記』『更級日記』など日記文学は持て囃されています。

ゲーム中での効果は、成長でアバンチュールのトークンを獲得する時に余計に獲得できるというもので、思い出を美しく記す日記の面目躍如となっています。アバンチュールのトークンは最終的にイコール勝利点となりますので、姫の獲得に次ぐこのゲームでの重要な得点源です。姫の獲得で他プレイヤーの後塵を拝しているプレイヤーが旅先での遊蕩で散々プレイボーイとなって、勝敗レースにおいて思わぬ伏兵なることも稀ではありません。各地方(京都奈良大宰府平泉)でのアバンチュールの、どれがどれより価値が出るかも、それぞれの地方で行われたアバンチュールの回数によって左右されるため、日記を駆使して自らの主要アバンチュール先の価値を高めることは安定した戦略と成りえるでしょう。

またこのゲームでは、過去のアバンチュールの清算を行って姫への操を立てる場合にも、消費するための燃料としてアバンチュールのトークンが必要です。身辺整理的に過去の関係を切り捨てて見せることにより、狙いの姫の心を一気に自分に向かせることも夢ではないのです(我ながら酷いゲームだと思います(笑))。

かようにアバンチュールの使い道はゲームの重要な要素の1つです。正攻法でいくにしろ搦め手でいくにしろ、その入手を拡大する日記は、初級者にとってもわかりやすく強力な味方となってくれるでしょう。


本カード「随筆」 2.随筆

現代にもエッセーとしてその形態を残す随筆は、言わずと知れた『枕草子』など、筆者の興味の赴くままに様々な所感を書き記したものです。

ゲーム中での効果は、姫の興味の移り気を助長させる効果と、姫の興味が移って趣味のコミュニティ(色恋蹴鞠和歌囲碁弦楽格式)を移り変わる場合に、予定とは異なったコミュニティに移動させる効果を持っています。興味に直結した随筆らしい効果と言えますが、いずれにしても直接的に自分の点数を増すようなものではないため、使い方には思案が必要な、ある意味玄人向けのカードと言えるでしょう。

基本的には、姫を積極的に移動させる使い方になりますので、例えば、自分になびいているとびきり魅力度が高い姫を他のプレイヤーが幅を利かせているコミュニティに移動させてそこの他の姫たちの価値を下げてしまうとか、逆に魅力度が低めのお抱えの姫を紅一点となるコミュニティに移動させてその姫の価値をあげるとかが主になると思います。他にも、身分(ステイタスレベル)の高いプレイヤーが自分が有利な格式コミュニティに姫たちを集めてハーレム状態にするとか、狙いの姫へのアプローチ度で他のプレイヤーに負けてしまっているプレイヤーが争点の姫を色恋コミュニティに移動させて二股での点数獲得を狙うとか、考え方次第で様々な応用が利くでしょう。随筆に相応しいウィットの効いた使い方で、他のプレイヤーを唸らせてください。


本カード「風土記」 3.風土記

奈良時代からの歴史ある書物であり土地土地の文化や風土を記した風土記は、「代表がこれ!」というものでもなくその土地ごとに編纂されています。『出雲国風土記』『播磨国風土記』などです。

文化に敏感になる現れとしてゲーム中での効果は、毎ラウンド選択できる興味カードが1枚増えることになります。場にめくられて全てのプレイヤーでドラフトし合う興味カードの他に、自分だけ1枚選択可能な興味カードが用意されるのです(しかも流行に敏感なファッションレベルの高いプレイヤーの場合ほど、最初に増やす興味カードの選択肢は多くなります)。興味カードは毎ラウンド「場所」と「話題」に使用するので、1枚増えた3枚中から2枚を使用することになるわけですが、余った1枚はまた次のラウンドの選択肢として持ち越されます。これはつまり、自分だけ次のラウンドに手に入れられる興味カードを事前に当てに出来るということも示しているわけで、先々のラウンドの計画が立てやすいということも意味します。慣れ親しんだ風土では、人は将来の展望も見据えやすいのです。

派手な能力ではありませんが、風土記はこのように、あなたの戦略に安定感を与えてくれるでしょう。堅実な進め方を好むプレイヤーに向いたカードと言えます。訪れる「場所」をずらせる効果のある姉君妹君への文(ふみ)カードを獲得できなかったプレイヤーも、風土記という選択肢は重宝するはずです。


本カード「説話集」 4.説話集

興味深い昔話や伝承を集めた説話集は、いつの世も人の興味を惹きつけます。『今昔物語集』の中のエピソードなどはそれとは知らずとも誰もが耳にしたことはあるのではないでしょうか。

ゲームでの効果も、多くの人に耳を傾けさせるその魅力を再現する形で、姫にアプローチしに行った「場所」で別の姫にも追加でアプローチできるというシンプルながら強力なものとなっています。

最も効果を発揮するのは、同じコミュニティに狙いの姫たちが集まっている場合でしょうが、ついでのつもりで声を掛けていた姫がいつの間にか一番の贔屓になっているという展開も十分にあり得ます。手を広げすぎてフットワークが足りなくなることは気をつけなければなりませんが、純粋にパワフルなこのカードは、使いどころさえ間違えなければきっとあなたを勝利に近づけてくれるでしょう。


本カード「和歌集」 5.和歌集

平安時代を代表する書物とも言える和歌集。読んだ歌が『古今和歌集』に載ることは掲示板への書き込みが書籍化されるより価値があっただろうことは言うまでもありません。

ゲーム中での効果も他のプレイヤーに差をつけるのに十分な能力を備えています。あなたの文(ふみ)カードに箔を付け、受け取った姫のへのアプローチの効果を増幅させてくれるのです。他のプレイヤーと獲り合っている姫へのアプローチ合戦で差を広げるのもよいでしょうが、そのオーバーキル気味とさえ思える効果が真にその価値を発揮するのは、他のプレイヤーが既に自分のものだと安心しきっている姫に対して文(ふみ)を出し一からアプローチを始めて遂には颯爽と奪い去って行くときでしょう。それほどのポテンシャルはあるカードではありますが、あたな自身のフレンドリーレベルを成長させて書カードを公開できる枚数を増やしていないと効果的な和歌集編纂もままなりません。一見簡単に見えて、方針を決めて使いこなす必要があるカードと言えるでしょう。


本カード「物語」 6.物語

世界的にも賞賛されている『源氏物語』や誰もが知っている『竹取物語』など、物語には人々の心を酔わせる力があります。現代でのヲタクや腐女子が萌える作品にも通じるのではないかと思われる、日本を支える誇り高い文化です。

ゲーム中での効果もその陶酔を体現し、色サイコロでアプローチしている姫へのアプローチ度が、数ラウンドに1回、自動的に上昇するというものになっています。作者の手を離れても物語は読者を魅了し続けるのです。

白サイコロを色サイコロに交換できるムードの成長あってこそのカードであるのは確かですが、アプローチした姫の本命になれなくても半分の獲得点を貰えるという守りの成長分野だったムードが、物語の後押しを受けると一気に姫の心をトップで射止める攻めの能力としても牙を剥き始めるのです。しかも同時に複数の姫に関して。

使い方は限定されてしまうカードではありますが、物語は明らかな脅威を秘めたカードと言っていいでしょう。


本カード「軍記物」 7.軍記物

平安の風雅の中では少し異端のイメージになりますが、平将門の乱を記した『将門記』などが軍記物のはしりです。

ゲーム中の効果もその異端の雰囲気を残して、他のプレイヤーを指定して直接リソースを奪える唯一の手段ともなっています。具体的には、自分がスタートプレイヤーであるラウンドに、プライドマーカーを1つ獲得できるというものですが、ストックから取るかもしくは自分よりフレンドリーレベルの低い任意のプレイヤーから奪ってもよいのです。特に、他のプレイヤーと権力闘争をしている身分(ステイタスレベル)の高いプレイヤーにとっては垂涎のカードとなるでしょう。

そうでなくとも本命特典でプライドマーカーをそのままもらうより、時間さえ掛ければこちらのカードの方が得られる量は単純に多いことが多いので、中長期的視野で損得勘定をする場合にも有用です。ただし、プライドは高すぎても魅力度の低い姫にアプローチし難くなるという不利益がありますので、ほどほどに。


本カード「鏡物」 8.鏡物

『大鏡』・『今鏡』・『水鏡』・『増鏡』の4つの歴史物として名を残す鏡物は、当時の歴史を知る貴重な文献です。

執筆者の史観が如実に顕れる鏡物は、ゲーム中での効果も他にあまり類を見ない特殊なもので、現在のラウンドを示すラウンドカウンター(12面サイコロ)の目を1増やしたり減らしたりできるというものになっています。これにより、12ラウンドで終わるゲームを自分の体制が整うまで長引かせたり有利なうちに終了させて短期決戦にしてしまったりできるわけです。さらに細かいところまで言えば、終わるラウンドが変わるということは、各ラウンドでスタートプレイヤーを持ち回るこのゲームに於いては最終ラウンドの手番順が変わるということでもあるわけで、そこまで計算して有利不利を吟味する上級者にとってはまさに痒いところに手が届くカードと言えるでしょう。

また初級者にもわかりやすい効果として、このカードを公開したラウンドに、ラウンドカウンタースタートプレイヤーマーカーを兼ねている)を自分の元に持ってくるという能力も併せ持っているので、特に先述の物語や軍記物など、自分がラウンドカウンターを持っているラウンドに効果を発揮するカードとのコンビネーションも、ライバルにとって泣きっ面に蜂の一刺しとなり得るでしょう。


本カード「装束抄」 9.装束抄

今で言うファッション誌にあたるというのは言い過ぎでしょうか、『満佐須計装束抄』などに代表される当時の装束の専門書です。

こういったものを書ける人というのは流行に敏感なマメでイケメンな御人でしょうので、ゲーム中での効果もそれを踏まえ、本来1ラウンドに1枚しか手に入らない文(ふみ)カードを、余分にもう1枚手に入れられるというものになっています。メルアドを集める色男のイメージか、人気のファッションリーダーのイメージとでも言いましょうか。

用途としては、そのまま文(ふみ)カードの多さで姫への最終アプローチ権利の獲得を期するのも良いでしょうし、文(ふみ)カードがコストに掛かる他の本カードと共に使用し文(ふみ)カード不足を補うのも魅力的な提案です。

ただし、この効果を発揮するには当然のようにファッションレベルが自分より高いプレイヤーがいてはなりません。流行の最先端にいる者のみに許された特権なのです。


以上のように、本カードはプレイヤー(の担当の殿方)の成長分野(ステイタスムードハートフレンドリーファッションアバンチュールフットワーク)などとも組み合わさって、多彩な展開が期待できるようになっています。

なおゲーム中での本カードの入手方法は、4ラウンド目と8ラウンド目に、各プレイヤーとも自分が本命になっている姫の数だけ本カードを1枚(もしくはプライドマーカーを1つ)を選択して入手するようになっています。その際、どの本カードを獲得するか(もしくはプライドマーカーを獲得するか)は魅力度が”低い”姫の本命のプレイヤーから優先的に選んで行きます。こと文学の趣味などに関しては、奔放なまま生きられる魅力度の高い女性よりも自分の殻に閉じこもってしまいがちな魅力度の低い女性の方が傾倒が深い可能性があるという偏見(?)を世知辛く再現したものです(魅力度の高い女性と付き合えると自分のプライドが高くなってしまいかねないということも戯画的にあらわしています)。より望む本カードを獲得したい場合は、魅力度の高い姫ばかりを狙ってもいられないのもこのゲームのジレンマの1つとなっているわけです。

また、本カードは獲得しただけで効果を発揮するわけではなく、「自分が執筆者だ!」という意味で公開しなければ効果がありません。その公開は、姫や姉・妹に出す文(ふみ)カードも合わせて各プレイヤー2枚まで(フレンドリーレベルの上昇により上限の拡張は可能)と決まっており、無闇に出せるものでもありません。手紙を書く暇を削らなければ、書物の執筆だってできないのです。

以上のように悩みどころ満載の「いろこいす」ですが、心ゆくまで悩んでください。それが恋愛というものです。


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●公開日 : 09/05/31  ●推奨 : IE5.0/SVGA/HighColor以上  ●著作権保持 : © 2009 もみあゲームズ