レジェンド・オブ・リーフィス
ヴァン=ライムズ放浪記
第1話 すべてのはじまり(前編)
・・・う〜。は、腹減った。
三日間ほとんど飲まず食わずで旅をしているとやっつぱりキツイか。
ふらふらとしか歩けないし、頭もクラクラする。あ〜めまいが…
ドサッ!!
ん〜。どうやら俺は倒れてしまったようだ。立ち上がろうにも力がでない。
グギュルルル〜
ぐわっ。腹が…減った。つら過ぎる。
あ〜意識が…
「きゃっ。大丈夫ですか。」
なんだ、何か聞こえたような。気のせいだろう。あ〜意識が、もうダメだ…
・・・・・・・・・。
う〜ん。見たことのない天井…ってここはどこだ。
いや、こういうときは俺が誰なのかも忘れているかもしれない。
ゆっくり思い出そう。おちつけ、俺。
俺の名前はえ〜っと、そうだ、ヴァン=ライムズ。冒険者だ。た、たぶん・・・。
いろいろな仕事をしながら旅をしてきたんだ。
だが、五日ほど前から路銀がなくなりはじめ、三日前からほとんど飲まず食わず。
そう、たしかウィルムの街に着いた直後に俺は空腹のあまり気を失った。
そうなると…
普通に考えるとここはウィルムの街にある家の一室だろう。
部屋の様子を見ると家というより宿屋のようだが…
いったい誰が助けてくれたんだろう。
ガチャッ。
ドアが開いた。
「あっ、目が覚めたんですね。よかった。
ちょうどお昼ご飯を持って来たんですけどいかがですか?」
そう言ったのは17、8歳ぐらいの女の子だった。
ここの娘さんだろうか。少女は俺の顔を見て首をかしげている。
「どうかしましたか?」
考えていてもしかたがない。
「いや、なんでもない。」
そう言って昼食をとることにした。
はあ〜三日ぶりのメシはうまいっ。最高だ。これを幸せと呼ぶんだろ〜な、人は。
などと思いながら食事をしていると、少女が
「あの、私シフォン-=フィレーヌ。ここのお店でアルバイトしているんです。」
そうだった。自己紹介くらいはしとかないとな。
「ああ、俺はヴァン=ライムズ。冒険者をしている。
ところで、倒れていた俺を助けてくれたのは君なのか?」
そうたずねると彼女は、
「ええ、そうです。私がおつかいから帰ってくる途中、
あなたが道に倒れていたんです。
あと、私のことはシフォンでいいですよ。」
そうだったのか。
「ありがとう、シフォン。助かったよ。
それと俺のこともヴァンでいいからな。」
そう言うと、シフォンは、
「はい。わかりました。」
う〜む。助けてもらったうえに飯を食べさせてもらったのに何の礼もできないのか、俺は。
たしかに空腹で倒れるほどなんだから金はない。
かといって武器を売ってはそれこそ確実に路頭に迷ってしまう。あ〜どうすれば〜。
「あっ、たしかヴァンさんは冒険者なんですよね。だったら、明日
一階にいるマスターに仕事をもらったらどうですか?」
そうだっ。それがいい。
「そうだな。そうすることにするよ。助けてもらっただけでなく仕事まで、
ありがとう、シフォン。って、どうして俺が考えてることがわかったんだ?」
そう訊くとシフォンが笑った。
「だって、ヴァンさんは道に倒れていたのに傷はなかったんですよ。
だから、お金がなくておなかがすいて倒れたんだと思ったんです。
冒険者がお金を持っていなかったらまず仕事を
するんじゃないかなあと思ったんです。」
なかなかスルドイな。しかし、冒険者じゃなくてもお金がなけりゃ
仕事をすると思うんだけど…。まあ、そんなことはいいか。
「じゃあ私、マスターに言っておきます。ヴァンさんは明日から働くんですから
今日はちゃんと休んでくださいね。」
それもそうだな。そう思い俺は休むことにした。
もちろん夜に食事をしてだが…。
…翌日。
ん〜。もう朝か。もう少し寝ていたい気分だな。
トントン
ドアをノックする音が聞こえる。
「あいてるぞ。」
俺がそう言うと、ドアを開けてシフォンが入ってきた。そして、
「もう起きていらしたんですね。じゃあ、マスターに会いに行きましょう。」
シフォンのあとについて階段を降りる。
一階は酒場と食堂をたして二で割ったような感じだった。
酒場の部分のカウンターにいる男がおそらくマスターだろう。
いかにもマスターとゆーよーなオーラを放っている。
「あんた冒険者なんだってな。見たところ剣士のようだが…。」
「まあいい。腕に自信はあるのか?」
どうだろう。まあ、強いとは思うが世界とゆーものはとてつもなく広い。
世界で何番目かはわからないがどうなんだろう。
「まあ、強いとは思うが…。一人で五年間も旅をしているからな。」
とりあえずそう答えることにした。すると、
俺の横で話を聞いていたシフォンが、
「そうですよ。私が見つけてきた人ですからどんな仕事だって絶対できるはずです。」
なんでそーゆーこと言うかなあ。などと思っているとマスターが、
「そうか。わかった。じゃあ仕事の内容だ。ここウィルムから北に行くと山がある。
その山奥にある洋館付近にとんでもない魔物が現れるらしいんだ。
そこでその原因を調べてほしいんだ。もちろん、その魔物が危険な奴なら倒してくれ。」
なるほど、有害な魔物をやっつける。
冒険者の仕事の基本だな。そして俺は、
「わかった。だが、その山までどれくらいかかるんだ。俺は金を持っていない。
遠くに行くならそれなりに食料や金が要る。それはどうするんだ。」
そうきくとマスターは、
「大丈夫だ。山まではそんなに時間はかからない。せいぜい六時間ほどだ。」
どこがだ。
「そして山のふもとに村がある。村長に言えば飯は食える。安心しろ。」
それなら大丈夫だな。
「じゃあ、行ってくる。北の山のふもとの村へいけばいいんだな。」
そう言って出かける俺に、
「いってらっしゃ〜い。」
シフォンが言った。なんだか気が抜けるなあ。
気を取り直して、行くとしますか。俺は北へ向かって歩き出した。
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