万葉歌碑を求めて!

万葉集の世界に夢と宝を求めて!


□□□ 万 葉 歌 碑 □□□
□歌碑ニュース □
万葉歌碑新碑情報収集中!
********** 歌碑番号 K−151 **********
     (田村本「萬葉二千碑」以降の情報収集) 
<1>田村歌碑番号  府県別の一連歌碑番号:Tー289ー奈良県

<2>碑    文     萬葉集 巻一ー七九
              或本、従藤原京遷于寧楽宮時歌
           天皇乃 御命畏美 柔備尓之 家乎択
           隠國乃 泊瀬乃川尓 船浮而 吾行河乃
           河隈之 八十阿不落 万段 顧為乍 玉鉾乃 
           道行晩 青丹吉 楢乃京師乃 佐保川尓
           伊去至而 我宿有 衣乃上従 朝月夜 
           清尓見者 栲乃穂尓 夜之霜落 磐床等
           川之氷凝 冷夜乎 息言無久 通乍 
           作家尓 千代二手尓 座多公与 我毛通武 
              反歌  巻一ー八○
           青丹吉 寧楽乃宮尓者 万代尓 吾母将通 忘跡念勿   右歌、作主未詳
           
           祝献上「日本書紀」奏上千三百年記念

   解 説 板      萬葉集  巻一ー七九
               和銅三年(七百十年)春三月
               或る本、藤原京より寧楽宮に遷りし時の歌
           
           大君(おほきみ)の 命(みこと)かしこみ にきびにし 家をおき こもり
           くの 泊瀬の川に 舟浮けて 我が行く川の 川隈(かわくま)の 
           八十隈(やそくま)おちず 万(よろず)たびかへり見しつつ 玉鉾の 道行
           き暮らし あをによし 奈良の京(みやこ)の佐保川に い行き
           至りて わが寝たる 衣の上ゆ 朝月夜(あさづくよ)さやかに見
           れば 栲(たえ)の穂(ほ)に 夜の霜降り 岩床(いはとこ)と 川の氷凝(ひこご)り 寒
           き夜を 息(やす)むことなく 通ひつつ 作れる宮に 千代ま
           でにいませ大君よ 我も通はむ
                                                  
               反歌  巻一ー八○
           あをによし奈良の宮には万代(よろづよ)に われも通はむ忘ると
           思ふな
               右の歌は、作主未だ詳らかならず。
                  
                   祝献上「日本書記」奏上 千三百年記念
                                 阪手 藤本又祺

      白   文  天皇乃 御命畏美 柔備尓之 家乎擇 隠れ國乃 泊瀬乃川尓 ?・ふね(扁:舟、旁:共)浮而 吾行河乃
          河隈之 八十阿不落 万段 顧為乍 玉鉾乃 道行晩 青丹吉 楢乃京師乃 佐保川尓
          伊去至而 我宿有 衣乃上従 朝月夜 清尓見者 栲乃穂尓 夜之霜落 磐床等
          川之氷凝 冷夜乎 息言無久 通乍 作家尓 千代二手尓 座多公与 我毛通武 
          (出典:佐竹昭広 木の下正俊 小島憲之「補訂版 萬葉集 本文篇」 塙書房刊 平成十二年三月)
        
   読み下し文  おほきみの みことかしこみ にきびにし いへをおき こもりくの はつせのかはに
          ふねうけて わがゆくかはの かはくまの やそくまおちず よろづたび かへりみしつつ
          たまほこの みちゆきくらし あをによし ならのみやこの さほがはに いゆきいたりて
          わがねたる ころものうへゆ あさづくよ さやかにみれば たへのほに よるのしもふり
          いはとこと かはのひこごり さむきよを やすむことなく かよひつつ つくれるいへに 
          ちよまでに いませおほきみよ われもかよはむ
            
   歌の作者名  「作主未詳」

   詞   書  或本従藤原京遷于寧楽宮時歌
          (和銅三年庚戌春二月従藤原京遷于寧楽宮時) 

   歌番号    巻1ー79

      歌   意    或る本の藤原京から寧楽宮に遷る時の歌
          天皇の仰せ言のおそれ多さに、住み慣れた家をあとにして、初瀬川に舟を浮かべて私が行く川の
          たくさんの曲がり目ごとに、何度も何度も振り返りながら道を行き、日暮れになり、奈良の都の
          佐保川に行き着いて、私が仮寝する着物の上を照らす朝の月の光ではっきりみると、真っ白に夜の
          霜が降り、岩床のように厚く川の水が凍っている、そんな寒い夜でもゆっくり休む事もなく通いながら
          造営した宮殿に、どうかいつまでもおいでください。天皇陛下、私も通いましょう
            反 歌
          奈良の新宮殿には、いつまでも私も通いましょう。忘れたなどと思ってくださいますな。
                    (出典:桜井満 訳注「全訳古典撰集 万葉集(上)」旺文社 )

   歌碑写真   (下記添付写真参照)


(上)歌碑全景(下左)万葉歌碑の表面碑文(下右)裏面の解説文銘板
<4>揮毫者氏名    楷書印刷文字

<5>建碑年月日  平成28年5月11日   
          
<6>除幕式典    平成28年5月11日 午後1時30分ー午後2時
          1.神事
            村屋神社・禰宜守屋裕史氏による、神事が挙行された。 
            (1)開式 (2)修祓の儀 (3)降神の儀 (4)献饌の儀 (5)祝詞奏上
            (6)除幕の儀 (7)玉串奉奠 (8)撤饌の儀 (9)昇神の儀 (10)閉式
               除幕の執行人は、建立者ほか、村屋神社関係者、および田原本町関係者4名による。
          2.祝辞 藏堂自治会会長 三濱敦彦氏
          3.建立者挨拶 藤本又祺氏 (<10>関連情報参照方)
          4.日本書紀朗読ー巻第二十八・天武天皇上より・壬申の乱・村屋神社ー奏上千三百年記念としてー
          5.祝宴 万葉Jazz Live (<10>関連情報参照方)

建立者および関係者による除幕式の挙行風景
<7>建立者    藤本又祺氏(なら記紀萬葉文化研究家・奈良県立万葉文化館スタッフ)
   歌碑施工者  大倉石材工業所 大倉長氏 タンセイクレーン工事 村井庭園
   管理者    蔵堂自治会(会長 三濱敦彦氏氏)
   所有者    村屋坐弥冨都比売神社      
   
<8>所在地    奈良県磯城郡田原本町藏堂426番地 村屋神社境内    
            
   交通     近鉄橿原線田原本駅より東へ約2.5km タクシー約10分
          JR桜井線巻向駅より西へ約2km 初瀬川西側 徒歩約30分

(左)奈良県田原本町周辺地図 (右)村屋神社周辺地図
(Google・ZENRIN 地図情報より)  (村屋神社案内資料より)
<8>碑の石質   (碑本体)斑糲石(はんれいがん)・通称「生駒石」(<10>関連情報参照方)
          (扁額) 御影石
                       
   碑の寸法    歌碑(自然石)高さ160cmx横幅310cmx厚さ70cm
           扁額(御影石板嵌合)縦幅90cmx横幅120cmx厚さ4cm
           台座(石組み)高さ50cmx幅400cmx奥行190cm
              
<9>情報提供者   藤本又祺氏(田原本町在住) 

   情報確認者    中西久幸
   情報入手年月日  平成28年1月1日  (現地情報確認 平成28年5月11日)

<10>関連情報
 (1)万葉歌碑・生駒石について
    歌碑の台石整備作業に、平成27年秋から半年間、直接関与した建立者藤本氏の解説資料によると、
    「台石は田原本町の生涯学習センター南側池堤畔の草むらに埋もれていた」という。
    いずれ歌碑として活用したいという建立者の長年の思いが今般叶ったことになる。
    巨大な重量(7トン)で、存在感のある当該生駒石の万葉歌碑は除幕式の一ヶ月前に、定置された。

 (2)村屋神社(むらやじんじゃ)について
    村屋坐弥冨都比売神社(むらやにますみふつひめじんじゃ)〒636-0234 TEL:0744-32-3308 
    式内社、旧社格は県社。大和三道の一つ「中つ道」(橘街道)に面している。
    主祭神 三穂津姫命(別名 弥富都比売神)ー大国主命(大物主と同神)后神。
        大物主命は大神神社の祭神で、当社はその別宮とされる。
    創立年代 不詳。天武天皇元年(673年)壬申の乱で、村屋神が大海人皇子方大伴吹負に
         「敵が来るので中つ道を防げ」と神託をした功績により神階が授与された。
     『日本書紀』巻第二より
        時に高皇産霊尊、大物主神に勅すらく、「汝若し国神を以て妻とせば、吾猶汝を疎き心有りと謂うはむ。
        故、今吾が女三穂津姫を以て、汝に配せて妻とせむ。八十万神を領ゐて、永に皇孫の為に護り奉れ」と
        のたまひて、乃ち還り降らしむ。

       摂社 村屋神社式内社。祭神 天津屋根命・経津主神・比淘蜷_・武甕槌神・大伴健持大連・室屋大連
       末社 服部神社(はっとりじんじゃ)式内社。祭神 天之御中主命、天之御鉾命
       摂社 久須須美神社(恵比須神社)(くすすみじんじゃ)式内社。祭神 天之久之比命・事代主命
       末社 市杵嶋姫神社(いちきしまひめじんじゃ)・物部神社(もののべじんじゃ)
          祭神 炊屋姫命・宇麻志摩遲命、配祀 物部守屋連。由緒は不詳、社家・守屋家祖神を祭祀。


(左)境内地図(右)航空写真(村屋神社案内パンフレットより)
  (3)除幕式典祝祭・記念コンサート-芝山真知子・万葉Jazz Live ピアノ:宮川真由美
    13:30−13:45(30分のライブ演奏)
    演奏された曲目は、次の萬葉集関係
   *やまとより 巻1−78(元明天皇) 作曲:原田悟
   *紫野行き  巻1−20(額田王)巻1−21(天武天皇) 作曲:芝山真知子
   *うわさを越えて 巻2−114,115,116(但馬皇女) 作曲:芝山真知子
   *奈良八重桜 作詞・作曲:芝山真知子
   *思う如くならぬ 巻13−3310、12,13 作曲:芝山真知子
   *夏は来ぬ 作詞:佐佐木信綱 作曲:小山作之助
   *Over the rainbow in Nara 巻8−1494 
   *大和より 巻1−80 作曲:尾田悟

 (4)新聞情報(奈良新聞 平成28年5月12日付)
<11>歌碑情報提供者への謝意
     当該万葉歌碑情報の作成に当たって、藤本氏より当該歌碑の紹介ならびに関係資料を
     提供していただきましたので、御礼申し上げます。  
   

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開設日:平成20年7月4日ー更新日:平成28年5月18日