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2001年の留学生活を振り返って

 
 念願のアメリカ留学をはたしラボの移籍があった波乱の2000年に比べ、2001年は波風のない平穏な留学生活を送れたと思う。大きな出来事としては次女の春月が6月に誕生したこと、及び10月にホームページの立ち上げがあったなどがある。と同時に研究も予定よりはやや完成が遅れているものの、独自の分野で「山田オリジナル」を築けていっていると思っている。語学力はいまだペラペラしゃべれるまでには至ってないが、ヒアリングの方は格段に進歩した。話す方はプレゼンテーションの一時間ならなんとか原稿なしでもしゃべれるようにはなってきた。とは言っても、正直まだまだ進歩する余地は残っているようである。何よりの進歩は娘の英語力で、ペラペラとアメリカ人と会話をしているのをみているとまるで自分のことのように嬉しいものである。また、小生も幼き頃はこのようだったのかと推測したりも出来た。こういう一つ一つの小さな出来事もアイオワでの留学生活を充実させている要因の一つとなっているようだ。
 
 さて、ホームページ上で「ポスドク留学」を開設したがここでは出来るだけアメリカに留学に来られた多くの先生方の最大公約数の意見をヒントにテーマを選びながら長々と書いた。構成の大部分は若い人達の考えを重点的に取り入れ、それに自らの意見を加味していった。「実績は少ないが、明るい将来が無限にある若い人達」が思う存分力を発揮できるよう母国のシステムが変革していけばという思いから内容をえらんでいった。決して「自分のために社会がこう変わってほしい」などという理念を入れたわけではない。仮にそのような自己中心的な考えなどを綴れば、そういう文章は読み手側からすればすぐ解ってしまうことも十分承知していたからである。

 ホームページの運営は今までに経験したことのないものを小生に教えてくれた。ホームページの立ち上げをしなければきっと解り得ぬことも多く経験したし人の出会いも演出してくれた。思わぬ方から連絡をもらうこともあり励まされることもあった。そっと自分の胸の内に秘めておきたい言葉もあった。その中で小生が予想していたこととは全く逆の現象も現れた。上記に記したごとく、紹介してきた小生の内容は下から上に向けた注文や批判を多く表現したつもりである。また内容にやや挑戦的な部分も入れたことに多少勇気を必要とした。かといって正直な気持ちを封印する気も更々なかった。そのため、きっと多くの若い人達や同世代の人達から歓迎され、一方、上におられる人には「所詮若いやつらの意見」「アメリカかぶれ」と冷たく一蹴されるかと予想した。フタを開けるとものの見事に予想は覆され、私のかつて恩師達あるいは今の日本のボスからは異口同音に励ましの言葉を頂いた。「その調子でしっかりアメリカで学んできなさい」という内容のものがほとんどであった。トップに君臨してきた、或いは君臨している先生方の器量の大きさに少なからず驚かされ、込み上げてくるものもあった。逆に私が圧倒的支持を受けると予想した人達は皆「サイレント」であった。心の中では賛同できても自分の立場を考慮すると意見を公表するのが躊躇されるのであろうか。今の日本の閉息状況を思わず遠いアメリカから想像してしまったものである。それ以外では、既に日本で地位を持っている人の中には私の意見を煙たがる方もおられたようである。ある程度の地位を築いた人には今さら改革など唱えられることは迷惑千万以外のなにものでもないようである。
 当面、感想を述べてこられる方は全体のごく一部であるゆえ、聞こえてくる声が本ホームページに対する一般的な意見であるとは履き違えないように注意している。いずれの意見であれ正直に感想を聞かせて頂くと今後の大きな参考と反省になることが多かった。

 理想と現実は違う。しかし誰かが理想を語り今の母国をより発展させていく思い持っていかなければならないと思う。そしてその同胞者数は少ないより多い方がより良い。小生とて社会の矛盾や慣習にも時として逆らわぬ方がよい場面があることくらい十分承知している。 しかしそれで自らの考えをフィックスしてしまえば、何のためにアメリカにきて異種文化や違う考え方を学びにきているのか?ということになる。異なることを学ぶということと、慣れた慣習から離れないということは対極にある考え方だと思う。選択肢は「増やす」のが目的ではなく、増やしたその中から主体的に「選ぶ」のが目的であるべきだというのが小生の持論である。 それによって得られるものは?「自分の知らない事実の確認」と「人からの理解」と「人への理解」である。また予期せぬハプニング、新しい人との出会い、そして自分の夢を受け継いでくれる多くの人の誕生もありえる。敢えて大きく言うなれば「未来の予想」、現在誰も想像できない「将来のビジョン」を持てるということであろう。素晴らしい映画をみた時の<感動>と、それを創作する側の<創造するイマジネーション>を味わいたいから我々は、次を求めて努力しているような気がする。
 己の自己実現と、自分の生み出すエネルギーや結果の社会還元はたとえ年を重ねて行こうが変えてはならぬ小生の人生目標である。 逆に今も将来も「現状維持」の人は、月日が経つと古くなり次の世代からは疎まれるだけであろう。世代を超えた共通概念を持つのも小生の楽しみの一つである。そのためにも、2002年も変わらぬ信念のもと書き続けていこうと思う。またいつかこのホームページ上での内容を一冊の本という形で出版できれば、より多くの人の目にも留まるであろうとも思う。実はもっと過激なことを表現したいのだが、今は我慢しているのである(笑)。近い将来 実現させたい密かな淡い計画である。

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最後に、

日本の皆様、またアイオワの皆様明けましておめでとうございます。
本年もどうかよろしくお願いいたします。


                文責;山田博    2002年元日 アイオワより

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