どうも私は、思い出というものにならないと経験や読んだ本などの知識を実感として感じないらしい。後になって全ての事が貴重な経験だったと感謝する。困ったものだ。

タイについては私の中でまだ進行形であるため、なかなかこの国をどのようにあらわしていいのか迷っていた。何度もタイに行きその度に多様な顔を見せるタイ。インドのように強烈な印象から始まるのでなく、じわじわと浸透してきた感じだ。はじめは近いし、安いし、美味しいものがあるからという単純な理由から何度も訪ねたのかもしれなかった。でも今はタイの国や人々そのものが魅力的なのだということが分かってきた。まだこれからもタイについては進行形が続く気がする。暮らしたわけではないからやはり観光という特定の感覚でしか感じられないのが残念なのだけれど少しずつタイを追加していきたい。(写真の年代がばらばらになっている事があると思います。)

まずは多様な顔を持ちタイの中でも多分特別な存在のバンコク。暮れのバンコクのラーチャプラロップ通り、ラーマ一世通りはイルミネーションがものすごくきれい。道の脇ではTシャツからアクセサリー、置物あらゆるものが売られている。ワールドトレードセンターのビアガーデンでは、いろいろなビールの会社別に分かれいてステージが付いている。それぞれ好きな銘柄の席に付くか、気にいった音楽を演奏している場所に行く。学生バンドのような若者が一生懸命歌っている。結構渋くて上手だ。演奏が終わって拍手と歓声か聞こえたが皆の見ている顔の方向が少し違う。彼らに歓声を送っているのではなく、テニスの試合にタイの選手が出場していてそちらの大きなスクリーンに送っていたりした。今日のバンドの人たちはちょっとかわいそう。シンハビールも好きだけれど、クロスタービールも好き。今回(2002〜2003年)は新しクラッシックとかいうビールが飲みやすかった

何年か前にこのビアガーデンで隣にいる若者達の中に日本でも流行った事のあるプロミスリング又はミサンガとかいうのを腕にしていた子がいた。酔っ払って気分の大きくなっている私は、それがとってもタイぽくて気にいってしまい、ほしいなどと言ってしまった。その子は嫌そうなのに周りの若者たちにけしかけられてとうとう私にくれた。その子にとっては何か願いを掛けていたのに違いないのに。日本に帰ってしばらくしたら切れてしまった。願いが叶ったのでもなく単に私の腕が彼の腕より太くなっただけだったけれど。そのリングは今、大切にタイの仏様の手の中にある。

その界隈でぶらぶらしていたら5〜6才の子供が仔犬を抱いていた。じゃれているのか時々仔犬の頭をパシーンと叩いていた。どうみても私にはいじめているように見えて仔犬が可哀相だなあなんて思いつつ、そのまま通り過ぎた。それからだいぶ時間が達ち、夜の賑わいが感じられる頃、歩道橋を降りたその時、なんとその子供が道路脇の隅にいる。その横にあの子犬が死んだように身動きせずにいて、その子供は仔犬が死んでしまったというような感じで悲しそうな顔をして手に持った缶を下から差し伸べていた。とっさに思った。あの仔犬も彼と同じように演技をしているのではないか。そして仕事?をしない時は彼と子犬は友達でもあり子弟関係であるから、あの時、あの子供は子犬にきびしい訓練をしつけていたのではないかと。

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