オキーフの好きなチエさんより


チエさんから旅人というなら、ブルース・チャトウィンの「パタゴニア」です。というメールをいただきました。正直、私は読んだ事がなく、さっそく「パタゴニア」と数ある著書の中から、題名が気にいった 「どうして僕はこんなところに」(自選短編集)を読みました。驚いたのは、「パタゴニア」でのチャトウィンが撮った写真がとっても気にいってしまった事です。天は二物を与えずというけれど、それは嘘。彼は教養と鋭い観察力と行動力と芸術性を持った人のようです。でも、彼は風土病で48歳で夭折してしまいましたが・・・・



恥ずかしながら、「パタゴニア」を読んだ時、その文体に馴染めず、違和感を感じてしまいました。私の教養のなさが一行読むごとに 「これってなんだっけ」 みたいな感じになって感情移入ができなかった事もあると思います。しかし 「どうして僕はこんなところに」 の最後の短編 「私のモディ」 の中で彼は、「5冊も著書を出すと、世間はその作家の文体についてあれこれと言いはじめる。人は私の飾り気のない、切り詰めた文体を、ヘミングウェイやロレンスにたとえた。ロレンスといっても、ありがたいことにT・E(アラビアのロレンス。知恵の七本の柱の著者)ではなくD・H(チャタレイ夫人の恋人の著者)の方だ。確かに彼らは私の愛読する作家である。冷ややかな文章という点では、イプセンの「ヘッダ・ガブラー」も熟読した。」と書いてある。引き合いに出した著書の事は、詳しくはわからない私にとって、切り詰めた冷ややかな文体という点では、感じる所があった。ただ彼の本は何度でも読み返すたびに新たな発見ができると思う確信がある。ずっと手元に置いておき、その時が来たら、いつでも読めるようにしておきたい。 
永遠の旅人 チャトウィンが書いたものだから、なんて。


ブルース・チャトウィン Bruce Chatwin

1940年、イギリスのサウスヨークシャー州に生まれる。モールバラ・カレッジ卒業後、美術オークション会社「サザビーズ」の有能な美術鑑定家となる。

1966年に辞職し、エジンバラ大学で考古学を学ぶ。

1972年「サンデー・タイムズ」のジャーナリストとして勤務。

1977年 紀行小説「パタゴニア」で作家としてデビュー。多数の賞を受賞。

1989年 その才能を惜しまれながら夭折。



『パタゴニア』  チャトウィンは、幼少時代に祖母の家で見た古生物の皮に誘われ、30代の半ばを過ぎてパタゴニアへと旅立つ。彼がそこで出会ったものは・・・・

『ウィダの総督』  アフリカの奴隷商人を描いた。

『ON THE BLACK HILL』 ウェールズの片田舎を舞台にした小説。

『ソングライン』 オーストラリアのアボリジニの精神世界を縦軸に放浪をテーマに描いた異色作。


ステキな本を紹介してくださったチエさんありがとう。全ての本をじっくりと読んでチャトウィンの事をまた紹介できたらと思います。



「君の宗教はなんですか」アリは聞いた。

「キリスト教?」

「今朝は、とくに宗教を持っていません。僕の神様は歩く人の神なんです。

たっぷりと歩いていたら、たぶんほかの神様は必要ないでしょう」

「パタゴニア」より


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