裏岩手縦走路 八幡平〜岩手山

梅雨シーズンであるが、降水確率30%以下の日が数日つづくとの天気予報である。 そのような時期に裏岩手縦走路をKさんと2人で歩くことにした。八幡平から岩手山へ行き、八幡平へ折り返すといった3泊4日の往復が基本的な計画である。 その一方で岩手山から松川温泉へ下る選択肢も残しておきたい。そのような理由から、私の車を松川温泉にデポするといった「保険」をかけることにした。 そしてKさんの車で八幡平へ向かい、畚岳(もっこ)登山口から出発する。このような具体化案にした。

登山ガイドブックによると、時間的な目安は次のようになっている。

    畚岳登山口〜(4時間)〜大深山荘〜(4時間)〜三ツ石山荘〜(6時間)〜岩手山八合目避難小屋

この縦走路を歩く場合は、水場の情報がキーポイントになる。 大深山荘の水場は枯れることがなく、水が得られることは確実である。三ツ石山荘の水場は夏場に枯れることがあり、8月〜10月は要注意である。 岩手山八合目避難小屋の水場は、ほとんど枯れることがないが、夏場に一時的に枯れることがある。 岩手山八合目避難小屋の水場に関する最新情報は、小屋を管理している岩手県山岳協会に聞くのが良い。 山小屋としては岩手山八合目避難小屋から15分ほどのところに不動平避難小屋もある。

このような基本的な知識を得てから、八幡平の畚岳登山口へ向かった。


裏岩手縦走路 八幡平〜岩手山

歩いた道筋を赤点で示す。1日目に松川温泉へ下らなければならない事態が生じ、その結果、きわめて変則的なコース取りになっている。



1日目: 畚岳登山口〜大深山荘〜松川温泉

1日目は畚岳(もっこ)登山口から出発し、三ツ石山荘に泊まる予定であった。 ところが、大深山荘に着いた時点で松川温泉へ下らなくてはならない事態が生じた。


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八幡平の畚岳登山口あたりには、車道脇に駐車スペースが2、3カ所ある。
平地では部分的に青空が見える曇り空であるが、標高1500mぐらいの稜線はガスの中にある。


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ガスの中、畚岳登山口から出発する。400mほど離れた籐七温泉から出発することも考えられる。


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ガスが徐々に消え、展望が得られるようになってきた。展望と花を楽しみながら進んでいる。


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嶮岨(けんそ)森への登りとなり、歩いてきた稜線を振り返っている。
畚岳登山口〜畚岳〜諸桧(もろひ)岳といった区間を眺望している。


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嶮岨(けんそ)森は尖ったピークが特徴的である。


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嶮岨森を通過すると、長くて緩やかな鞍部へ向けて下る。その最低部に大深山荘がある。
上の写真では、白い残雪のあたりに大深山荘がある。


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左下方に鏡沼と八幡平樹海ラインが見える。


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大深山荘に着くと、Kさんの登山靴が壊れていることに気づく。
Kさんの希望により、最も近い松川温泉へ下ることにする。


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大深山荘の水場がある湿原を通り、松川温泉〜源太ガ岳のコース途中へ出るようにする。


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松川温泉〜源太ガ岳のコースでは、松川温泉の近くになると、温泉に利用する水道パイプが見られる。


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松川温泉の源太ガ岳登山口に着いた。源太ガ岳登山口は八幡平樹海ラインの入口あたりにある。
松川温泉にデポしていた私の車を用い、八幡平樹海ラインを通ってKさんを出発点へ送っていった。


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1日目は松川温泉のキャンプ場に泊まることにした。
気持ちを新たにし、松川温泉から出発する裏岩手縦走のコース取りを考えよう。


1日目の記録


2日目: 松川温泉〜姥倉山〜鬼ガ城〜不動平避難小屋

2日目は松川温泉から姥倉山を経て縦走路へ戻り、鬼ガ城を経て不動平避難小屋へ向かうことにする。


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松川温泉のキャンプ場脇に姥倉山登山口がある。キャンプ場入口あたりに登山口と駐車場がある。


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姥倉山登山口から岩手山へは11Kmぐらいあることを確認し、出発する。


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姥倉山コースは、展望が得られないものの、緩く登るコースになっている。


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姥倉山あたりから展望が開け、前方に岩手山が見えてきた。岩手山の山頂部はガスがかかっている。


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地熱のある区間であり、コース外へ出ないように進む。


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縦走路と姥倉山コースとが合流する分岐(姥倉山分岐)に着いた。これで本来の縦走路へ戻ったことになる。


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地熱のある区間が続き、展望の得られる縦走路を進む。


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黒倉山分岐に着き、姥倉山方面を振り返っている。縦走路は黒倉山をバイパスするように延びている。


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黒倉山に立ち寄り、再び姥倉山方面を眺望している。


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黒倉山では火山活動が見られる。火山活動の蒸気が舞い上がっているのが見える。


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黒倉山から岩手山を眺望する。数メートル先の断崖からは火山活動の蒸気が舞い上がっている。


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縦走路を進み、黒倉山を振り返っている。


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お花畑コースと鬼ガ城コースとに分かれる切通し分岐に着いた。


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鬼ガ城コースをいくらか進んだ地点から、鬼ガ城コースを振り返っている。


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絶景を楽しみながら鬼ガ城コースを進む。


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眼下には「お花畑」と呼ばれる湿地や火口湖が見える。


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鬼ガ城コースの終点近くになったと思い、通過してきた鬼ガ城を撮影している。しかし、・・・


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鬼ガ城コースの半分ぐらいしか進んでいないことに気づく。
写真に写っている大きな谷は、崩壊地が見られることから、御神坂沢であろう。
御神坂沢の左岸尾根に御神坂コースが延びており、御神坂コースと合流すると、鬼ガ城コースが終わる。


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絶景と共に多くの花が見られる。


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絶景を楽しみながらの尾根歩きが続く。


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鬼ガ城の難関のひとつを撮っておこう。岩の割れ間を通っていく。


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御神坂沢の源頭を通過するあたりになってきた。慎重に進む場所である。


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御神坂コースと鬼ガ城コースとが合流する分岐に着き、鬼ガ城方面を振り返っている。


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不動平避難小屋が見えてきた。不動平避難小屋は石室様式と呼ぶような山小屋である。


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不動平避難小屋の内部


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八合目避難小屋へ行き、水を得る。


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八合目避難小屋の内部


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岩手山頂上へ向かう。岩手山の登山回数は3回ぐらいであるが、お鉢(外輪)は反時計回りに歩くことが多い。
下りよりも、上りの過程で花を見たいといった心理が働いているのであろう。
上の写真に「コマクサ」と書いているあたりではコマクサが見られる。


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ほとんどの人がお鉢を歩くことを考えると、お鉢内の小路が「お花畑」であることは意外に知られていないようだ。


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お鉢内の小路ではコマクサがまじかに見られる。


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お鉢内の神社に着いた。このあたりでも花が見られる。


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お鉢内の小路散策がつづく。小路の出口あたりであり、お鉢(外輪)へ戻る。


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岩手山頂上(薬師岳)が近い。


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岩手山頂上から屏風尾根方面を眺望する。尾根の先、白い煙のところが松川温泉になる。


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不動平避難小屋へ下る途中から、きょう歩いた鬼ガ城を眺めている。


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鬼ガ城の先には、かすかに黒倉山が見える。


  

2日目の記録


3日目: 不動平避難小屋〜お花畑と火口湖〜三ツ石山荘〜大深山荘

3日目は昼頃から雨が降るかもしれない天気予報である。 第1の計画は、お花畑コースを通り、三ツ石山荘を経て大深山荘まで行くことである。 もし、三ツ石山荘あたりで本降りの雨降りが続いているようであれば、三ツ石山荘に泊まるか、松川温泉へ下る可能性もある。 天気の状況によって判断することにしよう。


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ガスの中、不動平避難小屋からお花畑」コースを辿る。


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樹林帯の中に延びたお花畑コースを下っていく。普通の山と同じくらいの勾配がある。


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「お花畑」と呼ばれる湿原に着いた。鬼ガ城の尾根はガスの中にある。
ここで10分ぐらいの雨降りにあう。その後も10分ぐらいの雨降りが2回、3回と生じる。


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お花畑脇の火口湖を訪れる。こちらは「御釜湖」と呼ばれている。


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こちらは「御苗代湖」と呼ばれている。


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お花畑に戻り、花を撮る。昨日の鬼ガ城コースの方が多くの花が見られた。そのような印象である。


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大地獄谷では沢の中を通る区間(20mぐらい)がある。


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大地獄谷の左岸へ上がり、黒倉山を右手に見ながら登るようになってきた。


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このあたりは展望が開け、谷側を振り返っている。


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お花畑コースが鬼ガ城コースと合流する切通し分岐に着いた。ガスのため、稜線上は展望が得られない。


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縦走路と姥倉山コースとの分岐に戻ってきた。ここは網張温泉の方向へ進む。


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犬倉山あたりではガスが消えつつあったので、犬倉山に登ってみた。
縦走路は犬倉山をバイパスするように延びている。


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犬倉山から進行方向の稜線を見ている。三ツ石山荘あたりは遥か彼方にある。


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縦走路と網張コースとの分岐となり、右の縦走路を進む。
網張リフト終点0.2Km、三ツ石山荘4.5Kmといった位置になる。


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大松倉山あたりになると風衡帯となり、展望が得られる。大松倉山を下れば三ツ石山荘である。


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6時間かかって三ツ石山荘に着いた。


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三ツ石山荘の内部


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1時間の昼食休憩を取り、三ツ石山荘から三ツ石山へ向かう。


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三ツ石山に着いたが、ガスで覆われ展望が得られない。
三ツ石山〜小畚山の区間に関する写真は4日目の写真で示す。


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大深山荘から0.4Kmのところとなり、水場への分岐に着いた。
水場を経由して大深山荘へ行く脇道コースもあるが、ここは縦走路本線を通って大深山荘へ行くことにする。


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不動平避難小屋から10時間かかり、大深山荘に着いた。


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大深山荘では独り占めで泊まることになった。水場は小屋から3分ぐらいの湿原にある。


3日目の記録


4日目(最終日): 大深山荘〜三ツ石山荘〜松川温泉

4日目は朝から晴れの天気となった。いままでの天候パターンは、朝10時か11時ごろまでガスで覆われ、その後にガスが消えるパターンであった。 よい方向にであるが、わたしの予測が大きく外れた。 大深山荘から直線的に松川温泉へ下る選択肢もあるが、三ツ石山荘を経由して松川温泉へ下る選択肢もある。さて、どうしよう。

小畚山〜三ツ石山の区間は、「天空の縦走路」と呼びたくなるような稜線が続き、裏岩手縦走路ハイライト区間のひとつである。 2時間ほど余分に歩くことになるが、再びハイライト区間を通り、それから終点の松川温泉へ下ることにする。


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大深山荘から出発し、大深山に着いた。展望が得られないことから、大深山は単なる通過点になっている。


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大深山から10分ぐらいで八源森分岐に着く。このあたりは展望が得られ、休憩に適している。
右折して別の縦走路を辿れば烏帽子岳(乳頭山)や秋田駒ガ岳へ至る。


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大深山方面を振り返っている。稜線の先端が源太ガ岳になる。


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きょうは岩手山が全開で見える。谷から白い蒸気が噴き出しているところが松川温泉になる。


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大深山から小畚山へは、下りの標高差200m、登りの標高差100mといった大きなアップ・ダウンがある。


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小畚山に着いた。360度の展望が得られ、休憩に適したピークである。


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小畚山から大深山方面を振り返っている。


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小畚山〜三ツ石山の区間は、裏岩手縦走路ハイライト区間のひとつであり、花を撮りつつ、ゆっくり歩きたい。


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晴れた空の下、全開の縦走路を歩く。


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ところどころで花も見られる。


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小畚山〜三ツ石山の中間ピーク・覘標ノ台(てんぴょうのだい)に着き、小畚山方面を振り返っている。


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進行方向には三ツ石山が眺望できる。


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散策気分で歩いている。


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三ツ沼から三ツ石山方面を見ている。


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ニッコウキスゲも、気分上々のようだ。


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三ツ石山が近くになってきた。


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三ツ石山はどのようにして出来たのであろうか。


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三ツ石山に着いた。昨日の三ツ石山と大違いだ。


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柱状の岩場から、歩いてきた縦走路を眺めてみよう。


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なんと表現すれば良いのであろうか。


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きょうの岩手山


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西の方向には烏帽子岳(乳頭山)が見え、その背後に秋田駒ガ岳がかすかに見える。


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三ツ石山に別れを告げ、三ツ石山荘へ向かう。


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三ツ石山荘へ向かって下っていく。


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三ツ石山荘から松川温泉へ下る分岐に着き、三ツ石山荘を振り返っている。
三ツ石山荘は人気の山小屋であり、昨日(土曜日)は10名ぐらいが泊ったようだ。


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三ツ石山荘〜松川温泉の中間地点となる分岐に着いた。
松川大橋への道筋は路肩崩壊のため通行止めになっている。


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三ツ石山荘〜松川温泉のコースは、上部がアオモリトドマツ林、下部が広葉樹林と単純化できる。
このコースは、山岳スキールートになっていることからスキー用指導標が見られる。


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松川温泉の三ツ石山登山口に着いた。温泉につかり、ソバを食ってから帰ろう。


4日目の記録


付録: 裏岩手縦走路の水場

八幡平〜岩手山の縦走路を歩く場合は、水場の情報が重要になる。 個人的にできる範囲の簡単な調査であるが、水場の情報を示す。

大深山荘の水場

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大深山荘の水場は大深山荘から3分ほどの湿原にある。


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大深山荘の水場は枯れることのない水量を誇っている。


三ツ石山荘の水場

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三ツ石山荘の水場は三ツ石山荘から2分ほどのところにある。水量が少なく、夏場に枯れると考えた方が良い。


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これは2014年9月27日の撮影である。このときは枯れていた。8月〜10月は水が期待できない感じか。


犬倉山東側の水場

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犬倉山東側の水場は、水場の標識が立っている。このあたりの最低地点であり、沢のところになる。


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沢の脇に湧き水が流れ出しており、枯れることのない水量である。


岩手山八合避難小屋の水場

       
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岩手山八合避難小屋の水場は、避難小屋の正面にある。


   
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枯れることはほとんどないが、夏場にときどき枯れることがある。
この水場の最新情報は、小屋を管理している岩手県山岳協会に聞くのが良い。


   

源太ガ岳東側の水場

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源太ガ岳〜松川温泉の途中にある湧き水であり、枯れることはない。
松川温泉2.6Km、源太ガ岳1.2Kmのところにある。


姥倉山北側の水場

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松川温泉〜姥倉山の途中にある水場は、沢水になる。標高1100mぐらいであり、水場の標識はない。
この区間を歩いた結果、これ以外に水場らしき場所がなかったので、この沢が水場であると判断した。
この水場は松川温泉の登山道案内板に示されていた。
この水場を利用することはないと思うが、情報として示しておく。




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