大内宿と塔のへつり

青森から東京へ行く際に寄り道をすることにした。南会津の湯野上温泉に1泊し、大内宿を訪れるといった寄り道である。 大内宿は江戸時代の宿場町の面影を残す茅葺き屋根の集落であり、現在は多くの観光客が訪れる観光地になっている。 観光としては3月上旬のオフシーズンであるが、どのような旅になるのであろうか。

       
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会津鉄道の湯野上温泉駅に着いた。茅葺き屋根の駅舎になっている。


   
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湯野上温泉駅に観光案内板があり、周辺の観光スポットを確認する。
事前調査では大内宿のことしか頭になかったが、「塔のへつり」と呼ばれる場所も面白そうだ。


   
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湯野上温泉の宿は阿賀川の渓谷沿いに点在している。写真に示されているように深い渓谷になっている。
湯野上温泉街の背後に東北百名山の小野岳が見える。
当サイトは山歩き関連のサイトであるので、一応、登山情報も少しは記載しておこう。
小野岳への登山口は湯野上温泉側の小野観音口と大内宿側の大内登山口とがある。


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到着の翌日、大内宿を訪れる前に、塔のへつりを訪れることにする。朝8時半であり、大内宿へ行くには早すぎる。
塔のへつりでは、100万年もの歳月をかけて疑灰岩が侵食・風化した渓谷美を楽しむことができる。


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阿賀川に架かる藤見橋を渡り、対岸へ移動する。対岸の高台のところが「舞台岩」と呼ばれている。
岩にはそれぞれ名前が付けられている。
塔の写真も撮るべきであったが、塔のへつりのことは駅の案内板で知った程度であり、事前調査が足りなかった。


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切り立った崖の窪みが歩道になっている。川へ突き出た岩は「土俵岩」と呼ばれている。


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切り立った崖の歩道から藤見橋を振り返る。


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行き止まりとなった洞窟から藤見橋を見ている。


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現在は洞窟のところで通行止めになっているが、断崖の水際に出来た自然の回廊は更に先へ延びている。
「塔のへつり」の「へつり」という言葉は、写真に見られるような、断崖の険しい道筋、または険しい断崖自体を意味している。
一方、沢登り用語にも「へつり」という言葉があり、それは険しい水際の岩場を水際べりに横へ横へと移動することを意味する。


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舞台岩のところには虚空蔵尊を祀った祠がある。
オフシーズンのためか、早朝のためか、扉が閉ざされており、祠の内部へ入ることができなかった。


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藤見橋から見た小野岳。小野岳の左側(西側)山麓に大内宿がある。


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大内宿に着いた。大内宿は会津若松と日光を繋ぐ会津西街道の宿場町であった。
観光オフシーズンの9時半のためか、観光客が見当たらない。今日の観光客一番乗りとなった。
福島原発事故前の観光シーズンは長蛇の交通渋滞で大内宿へ到着するのも大変だったようだ。


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前方に見える小山を20mほど登ったところに子安観音堂があり、そこが撮影スポットになっている。
その東側となる小野岳山麓に大内登山口がある。


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現在の大内宿は土産物屋やそば処が多い。民宿は数軒ある。
そば処については「箸ではなく、ネギ1本で食べるそば」が名物になっているようだ。
ねぎそば」や「高遠そば」と呼ばれている。


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大内宿の中央あたりに本陣跡があり、いまは大内宿町並み展示館が建っている。
同じ街道の糸沢宿・川島宿の本陣を参考にして再建された家屋である。


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本陣跡に立っている案内板


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大内宿の端から端まで500mほどを歩き、これから子安観音堂へ登るところである。


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子安観音堂付近から見た大内宿


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本陣跡を含め、大内宿観光に2時間ほど費やした。昼前ぐらいから観光客がポツポツ見え始めた。


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湯野上温泉駅へ戻り、プラットホームから小野岳を望む。
青森から湯野上温泉へは5時間、湯野上温泉から鬼怒川温泉経由で東京へも5時間ほどかかった。
会津鉄道線は1時間に1本の汽車が通るような路線であり、ほとんどが各駅停車である。
「ユッタリとしたローカル鉄道の旅が楽しめる」と言えばよいのだろうか。


記録

資料

塔のへつりに関し、水際に沿って延びた断崖の回廊が街道として使用されていた資料を集めてみた。 ウェブページ「塔のへつりの廃道」によると、「へつり」という言葉は会津方言とするものの、その意味は前述したのと同じである。 ある辞書によると、「へつり」は東日本の方言で、絶壁や川岸などの険阻な路を意味する。 別の辞書には、侵食・風化によって出来上がった断崖や急斜面といった意味も記載されている。 いずれの意味にせよ、「険しい」といった共通項的なイメージが含まれている。



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