脳圧亢進症と脳ヘルニア

 

参照「神経内科学」P21,58,230,239,240,355

 

脳ヘルニアは、頭蓋内圧亢進により、脳実質が変形し起きる。

         ↓

頭蓋骨内には、脳実質(80%)・脳脊髄液(10%)・血液(10%)がある。

これらにより、頭蓋内圧(intracranial pressure;ICP)を一定に保っている。

3つの成分は、1つが増えても他が減って一定に保たれる。

↓しかし

腫瘍・血腫が増大すると、代償出来なくなり、頭蓋内圧は亢進する。

これを頭蓋内圧亢進症incraised intracranial pressure;IICP)という。

 

  脳には、血管運動神経vaso motor nerve以外に、血流量の自動調節能があり、脳血管圧が

50〜60mmHg以下になるまでは、血流量が保たれるが、IICPがより亢進すると、脳血流が減

少する

IICP亢進→脳血流量の減少→脳代謝障害・脳浮腫進展

 


         悪循環

          ↓

         脳ヘルニア

脳ヘルニアの発生部位

@          大脳鎌ヘルニア・・・帯状回が、大脳鎌に嵌入

A          鉤ヘルニア・・・・・側頭葉内面が、大後頭孔内に嵌入

B          中心性ヘルニア・・・上部脳幹が、テント切痕から後頭窩内に嵌入

C          小脳扁桃ヘルニア・・小脳扁桃が、大後頭孔内に嵌入

番号が下にいくにつれて、危険度は増加する。小脳扁桃ヘルニアが起きると、呼吸が止

まり死に至る事がある。

 

IICPの3大徴候@〜Bの事。けど、C〜も大事!

@ 頭痛

A 嘔吐・嘔気

B うっ血乳頭IICP時に、両眼の視神経乳頭が赤色を帯び、辺縁が不鮮明になり、次第に乳

頭が隆起してくる。持続すると、視力低下をひき起こす。網膜中心静脈の圧

迫により起きる。

 

C 意識障害

D 呼吸状態

 

E 瞳孔症状(瞳孔不同・対光反射消失)

瞳孔不同とは、左右の瞳孔の大きさが異なることをいう。健常人の15%に肉眼でも識別出来るほどの瞳孔不同があり、生理的(本態的)瞳孔不同という。瞳孔径の左右差が1mm以上の場合、病的と診断する。

動眼神経麻痺により、生じる。

F 眼球運動異常(人形の頭・目反射・頭位変換眼球反射)

G 姿勢異常

H 髄膜刺激症状 参照「神経内科学」P18,20,26,52,55,54,555

 (1) 頭痛

 (2) 嘔吐・嘔気

 (3) 項部硬直

 (4) Kerning徴候

 (5) Brudzinski徴候

 (6) 皮膚の感覚過敏

 

  項部硬直

  髄膜・頚部の神経の圧迫により、後頭部や頚部の筋は持続的な収縮を起こす。この時、他

動的に頚部を前屈させようとしても、髄膜や神経根部に緊張・ねじれを生じさせるので、

前屈する事が出来ない。

 

Brudziski徴候

頚部前屈すると、上部脊髄神経根の圧迫により、下部脊髄神経根も引っ張られる。それに

応じて股・膝関節が屈曲してしまう事。これは、髄膜刺激による膝屈筋(ハムストリング

ス)の不随意な収縮による。

仰臥位の患者の頚部を他動的に前屈させ、股・膝関節が屈曲した場合、陽性とする。

 

Kerning徴候

腰仙髄部の髄膜に炎症が及ぶと、その脊髄根が障害される。その時、坐骨神経を伸展させ

ると、痛みと共に筋の抵抗が生じる事。

膝の伸展は、135°以上は不可。

 ※ ラセーグ徴候と違い、両側に出るのが特徴。

IICPの原因と治療

頭蓋内占拠物

脳腫瘍頭部外傷・脳膿瘍

※脳浮腫の発生と共に病態は悪化

除去術

脳浮腫

CVA急性期脳感染症

脱水剤投与

水頭症

シャント術

脳静脈環流障害

(静脈圧迫による)

静脈洞血栓症

過換気