錐体路・錐体外路

伸張反射

痙縮・固縮

脳出血

Broadmannはヒトの6層ある大脳皮質(cerebral cortex)を作る

神経細胞の種類と構造の分類から、52の領野を区別し、

Penfieldは感覚や運動などに関係する機能の諸中枢が特定の部分に局在しており、

それが上下左右逆に分布していることを示した。これを体部位局在という。

※小脳

小脳皮質は分子層、神経細胞層、顆粒層3層よりなる。

分子層の深層にはPurkinje細胞と呼ぶ大型の錐体状神経細胞が並ぶ、

その樹状突起は分子層にあり、軸索突起は小脳核に付く。

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錐体路・錐体外路

錐体路※1とは随意運動の情報の通り道であり、ブロードマンの第4野(大脳皮質中心前回)の

5層に存在するBetzの巨大錐体細胞に始まり、延髄の錐体を通る。この2重の意味で錐体

路と呼ばれる。錐体路以外の経路は全て錐体外路と呼ばれ、その中枢は

大脳基底核(basal ganglia)であり、その中でも特に淡蒼球が深く関わっている。

赤ちゃんの時に見られるパタパタしたぎこちない動きは錐体外路に依るものであり、これは発育

の過程では錐体外路が先に出来上がる為である。又、錐体路が出来上がるのは神経生理学的には

8歳であり、この時全身のネットワーク(体部位局在)が完成する。

これを髄鞘化(ミエリゼーション)と呼ぶ。この為体部位局在の出来上がっていない6歳以下で

の四肢の切断には、大人では必ず見られる「幻肢※2」が全く起こらない。

※1 

錐体路は延髄で80%錐体交叉を起こし、残りの20%は脊髄内で交叉する。

この結果100%全てが交叉している。

※2 

幻肢とは無くなった四肢が未だそこに有るように感じる事であり、

普通「天ぷら油に腕を突っ込んでいるような」とか、

「焼け火箸を突き刺されているような」という幻肢痛を伴う。

これは切断部位ではフィードバックが掛からないため、

そのシステムに異常を来すために起こるとされている。

ここから分かるように痛みは脳が感じている事が実証されるのである。

錐体路と錐体外路の障害の相違

 錐体路障害 

  痙縮(spasticity)

  折り畳みナイフ現象という運動の最初に抵抗があるが、

  その後急に抵抗がなくなる現象が現れる。これを弾力性抵抗ともいう。

   反射

   深部腱反射亢進DTR(deep tendon reflex)亢進

   病的反射出現・皮膚反射消失

   不随運動:伴わない

 錐体外路障害 

  固縮(rigidity):一貫性抵抗・一様に抵抗(=鉛管現象

  反射:反射は必ずしも亢進はしない。腱反射に関しては、正常もしくは軽度亢進

  不随運動:伴うことが多い

 ※ 現象が出現もしくは亢進すれば‘+’で表現される

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伸張反射

 脊髄のレベルで行われる骨格筋反射の一つ。筋が受動的に伸張されると、筋肉の張力受容器で

ある筋紡錘が刺激され、Ta群繊維が求心性インパルスを脊髄に送り、介在ニューロンなしにそ

の筋を支配するα運動ニューロンを興奮させ、反射的に伸張された筋が収縮する反射。単シナ

プス反射である。

筋紡錘(muscle spindle)

骨格筋の中に多数存在する筋の伸展受容器で、2〜7mmの長さの紡錘形を呈す。筋紡錘には

袋繊維核鎖繊維が存在し、核袋繊維の長さ調節はγd(dynamic)繊維が行い、

(中枢はブロードマンの4・6野)、核鎖繊維の長さ調節はγs(static)繊維が行って

おり(錐体外路系により行われる)、錘外筋の長さに合わせ収縮・弛緩し、常に緊張度合いを一

定に保ち、筋の伸張に対する反応の準備をしている。一方で求心性感覚繊維のTa群繊維は、拮抗

筋を支配するα運動ニューロンにもシナプス結合し、拮抗筋を弛緩させる。

これをTa抑制(相反抑制)という。

腱紡錘(ゴルジ〔腱〕受容器)

筋の伸展受容器の一つ。筋線維と腱繊維の移行部に近いところに存在する。数本の腱繊維を包む

ような小嚢(長さ700μm、幅200μm)で、その中にTb群繊維が侵入した腱繊維状の終末である。

筋が異常に伸展されると、腱紡錘がTb繊維にインパルスを送り、α運動ニューロンを抑制して

筋を弛緩させ、筋の断裂を防ぐ役割を持つ。又、拮抗筋に付いてはこれを促通させる。

※促通

時間的促通:2回続けて刺激を与えるとき、2度目の刺激の効果が、単独で与えられたときよりも

      大きくなること。

空間的促通:経路を異にして作用すること。また刺激に対して反応が現れにくい場合、

      その刺激とは直接関係のない操作によって反応が現れ易くなること。

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痙縮と固縮

 痙縮(spasticity)とは錐体路系が傷害されたことにより、筋紡錘内のスピードに反応する

核袋繊維を収縮・弛緩させ、その緊張の調節しているγd繊維による抑制が外れた

状態で起こるものである。従って触られたり、持たれたりといった様な、ほんの微細な筋の

伸張にも反応してしまい、屈曲もしくは伸展が起こる。

 固縮は(rigidity)γs繊維という錐体外路系に支配されている、錘外筋の長さに反応する

核鎖繊維の緊張を調節し、収縮・弛緩させている運動ニューロンの抑制が外れた状態で起こる。

 以上から、痙縮は長さに反応する繊維は正常なため、ある一定以上筋を伸ばせば腱紡錘から抑制が

掛り、筋の断裂を防ぐため弛緩し始める(折り畳みナイフ現象)。しかし固縮は長さに反応する繊維が

異常に縮んで過緊張を起こしている状態なため、伸ばした分だけインパルスが発生してしまい、

他動的に伸ばそうとしても最終可動域まで硬いままの状態になってしまう(鉛管現象)

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脳出血

 脳出血とは脳実質内で出血が起こることで、主に血栓・塞栓・動脈瘤破裂などがある。若い

ヒトが脳出血を起こす場合、動脈瘤破裂が殆どであり、血栓・塞栓は形成されるまで時間が

掛かるため老人が起こすことが多い。血栓が形成される原因としてアテローム硬化(粥状硬化)

がある。

血栓

個体の生存中に血管内で血液成分が凝固したもの。

塞栓

脈管内で発生あるいは外部から脈管内に進入した遊離片で、脈管(血管およびリンパ管)を

閉塞した物質。最も多いのは血栓の破片、その他、脂肪や空気などがある。

アテローム硬化

中等大以上の動脈に起こる動脈硬化。病変は限局性で中に沈着した類脂肪(粥状硬化)と

壊死に陥った隣接組織の崩壊物を含み、粥状を呈する隆起をなす。成因に関して定説はない。

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