今月に入ったころから、ヘタしたら本当に優勝するんじゃないかとは思ってたが、本当に優勝してしまった。今年は名古屋でも東京でも阪神ファンがやたらとめだったが、元々そんなに多かったんだろか。それとも騒ぎに便乗した、単なるにわかファンか。とはいえ、おれ自身が18年前、周囲の熱にアテられて阪神ファンになったようなものだから、大差はあるまい。今年阪神グッズを買った人間のうちいったい何人が18年間待つだろうかと思うに、まあともかくめでたいことではある。おれの素直な心情としては、爆発的な嬉しさというものではない。じんわりと、しみじみと嬉しくなってくる、喩えて言うなれば出来の良い小説を読み終えて、ああよかったなぁ、いいものを読んだなぁ、という気持ちに近いかもしれない。本当の阪神ファンというものは、そうではないのかもしれないな。待ちに待った優勝なのだから。大騒ぎしてしかるべきではある。おれ自身は、どうしても騒ぐ気になれないのは、たぶん性格的なもの(天邪鬼)なのだろう。ただまあ、喜んでいる人々を見るのは、ほほえましいし、同慶の至りである。
ねこ「もう少し素直になったらどうですか」祝、阪神タイガース、優勝。
おれ「…正直に言うと、まだ信じられなくてな」
おれ「18年ずっと待ってたのに、こんな簡単に優勝していいのか?」
ねこ「物事がうまくいく時というのは、そういうものですよ」
ねこ「六甲おろしでも歌ったらどうですか。実感がわくかも知れませんよ」
おれ「さっき散々歌ったから、いい」