『プルが贈ったもの(前編)』




1月の初め頃,ジャミル=ミートの妄想(?)ではツッコミ役をガロードがプルツーに代わってやっていたが,ツーちゃんどうしたのだろう?その辺の理由がここで明らかに。(今は亡きえるぴーわーるどでの話です(哀))





 2007年のガンエーを読んでいるルチーナ。そしてマリーダのイラストに見入っていた。

ルチーナ「素敵なお姉様(はあと)・・・駄目!ルチーナ!私にはプルツーという将来を誓い合った人が!私の愛はプルツーのもの!・・・・・」

 しかしいつもなら「誓っているかーーーーー!」とツッコミを入れてくれるプルツーはここにはいない。そう,ここ数日プルツーはプルとともに学校を休んでいた。

ルチーナ「・・・プルツー・・・」



 ここはプルとプルツーが住んでいるマンション。
 プルが食事を載せたお盆を運んでくる。そしてプルツーの部屋をノックする。

プル「プルツー,ご飯できたよ!プルツー!」

 プルがプルツーを呼ぶが返事が返ってこない。

プル「プルツー,ご飯ここに置くから。ちゃんと食べてね。」

 プルがプルーの部屋の前に食事を置こうとするがそこには前の食事が手を付けられないまま置いてあった。

プル「プルツー・・・」

 プルはたまらず再びプルツーを呼ぶのであった。

プル「プルツー,お願い!お願いだからここ開けてよ!」

 しかしプルツーの部屋からは返事はない。プルツーの部屋の扉には中から鍵がかけられていた。プルもここ数日プルツーの顔を見ていない。いっしょに暮らし始めてからプルとプルツーは毎日いっしょだった。こんなことは初めてである。

プル「プルツー・・・・・・」

 プルツーは酷く落ち込んでいた。落ち込むという表現は即さないかもしれない。
 その原因はプル達に別に姉妹がいたということがわかったことである。10人の妹達。自我を奪われ,ただ献身と服従の戒律に従うように作り替えられた妹達。自分を知ることなく戦いの中消えていった妹達。そして12番目の妹。
 生き残った12番目の妹。しかし,その娘の運命はあまりにも苛酷だった。一人脱出コックピットの中で宇宙を彷徨い,それでもやっとたどり着いた先でその身を売られてしまった娘,人の欲望の坩堝にその小さな身を汚され続けた少女。徹底的な孤独と悲哀。
 プル達にもとても想像できないような苛酷過ぎる時,孤独と絶望の中で過ごしていたこと。痛くても痛いといえず,辛くても辛いといえずにただ意志を持ってしまった自分を責め続けていた少女。
 (どういう時空になっているんだというツッコミはなし!)
 そんな凄惨過ぎる運命を背負った妹の存在を知った時,プルもプルツーのすさまじいショックを受けた。そんな言葉では表せなかった。
 プルも悲しかったが,プルツーはそれ以上に激しく落ち込んでいた。プルはそんな妹達の存在を初めて知ったのであるが,プルツーは知っていた。自分の妹達の存在を。そう知っていたはずだったのである。
 プルツーはそんな自分を激しく責めている。プルがいくらプルツーは悪くないと言ってもプルツーの耳には届かなかった。プルツーは自分を責める。プル自身も自分だってその子達に気付いてあげられなかったことを思うが,それを表に出すのすらためらわれた。
 今のプルツーは,そんなプルが辛そうな表情を浮かべることすら,自分を責めているように感じてしまいそうだからである。
 グレミーが悪い。そうじゃない。誰かが悪いとか。そうじゃない。
 何でこんなことになってしまったのか。どうしてあの子達は・・・
 そしてどうしてプルツーまでそんなに苦しまなければならないのか。
 とプルは思ってしまう。
 プルだって本当に本当に苦しかった。プルツーがいなかったらプルもその苦しさでおかしくなっていたかもしれない。
 (ちなみにプルとプルツーの保護者であるグレミーは現在ルーに付き従って温泉旅行に行っている。もちろん費用は全部グレミー持ち・・・)



 ブツブツ言いながら歩いている少年一人。

ガロード「しっかし,何で俺が肉(ジャミル=ミートのこと)へのツッコミ役しなけりゃならないんだ!俺は早いことティファのところに戻って・・・」

 しかし,ガロードは頭を掻き毟りながら

ガロード「いいや!そんなんじゃねえ!・・・あの話の件でプルとプルツーは本当に落ち込んでしまっている。なんであの二人がまた苦しまなきゃいけないんだ。ちょっと様子を見に行ってやらないと。誰かが元気付けてやらないと(本当はこの役ジュドーのべきなんだけど,あのシスコンにはそんなこと期待できないし)帰るの遅れてもティファは許してくれるよな。」

 (『プルたん妄想』ではガロードとティファはプル,プルツーのお友達という設定になっています。)



 プルは誰もいないリビングで一人うつむきながらソファーに座っていた。そんな時チャイムがなる。

プル「はい。」

ガロード「俺,ガロードだけど。ちょっと傍まで来たもんだから。」

 プルが扉を開ける。

ガロード「よ!これお土産のプリン。少しは元気出てきたか?」

 プルに案内されたガロードはリビングのソファーに腰掛けながらお土産のプリンを差し出す。最初はお土産をケーキにしようかとガロードは思ったのだが,落ち込んでいるプル達の咽を通りやすいようにプリンにした。
 そんなガロードにプルは元気なく答える。
プル「わたしはまだ大丈夫だけど,プルツーが・・・」

ガロード「そっか・・・」

プル「あ,お茶入れるね。」

ガロード「いやいいって,お構いなく。プルだってまだ本当は辛いんだろ。」

プル「でも,動いていた方が楽だから・・・」

 そんな時。

プルツー「うわあああああああああああーーーーーーーーーー!いやだ!いやだ!やめてーーーーーーー!」

 プルツーの叫び声が部屋の中か聞こえる。

プル「プルツー!」

 プルはプルツーの部屋の前に駆けだす。

プル「プルツー!プルツー!開けて,開けてよ!プルツー!」

 プルが部屋のドアを叩ながら必死でプルツーに向かって叫ぶ。

プルツー「やめてーーーーーー!何で!何で!いやだ!いやあーーーーーーーー!」

プル「プルツー!プルツー!」

 プルは必死でプルツーに呼びかける。

ガロード「プル,ちょっといいか。」

 とガロードはプルツーの部屋のドアの前に立ちポケットから2本の針金を取り出して,プルツーの部屋の鍵を開けだす。
 ガチャ。プルツーの部屋のドアが開いた瞬間,プルは駆け込んでいた。

プル「プルツー!」

 プルツーはベッドの上で頭を抱え蹲っていた。

プルツー「やあ・・・いや・・・いやあ・・・やめて・・・やめて・・・」

 弱々しく声を上げる姿は普段のプルツーからは想像のできない姿であった。何日も後悔と罪悪感で苦しみ続けていたプルツーは憔悴しきり,震えていた。

プル「プルツー・・・」

 プルはプルツーの側によりその体を抱き寄せようとする。しかし,プルの手がプルツーに触れた瞬間,プルツーはビクリとして

プルツー「私には姉さんの優しさに触れる資格なんてないんだ!」

 そう言って,プルツーはプルを突き飛ばした。

プルツー「私が焼かれるべきなんだ!私の罪なんだ!私があの娘達に戦えって言って,そのまま置き去りにしてきたから。私が!私が!」

 プルツーは頭をだかえたままベッドに再びうつ伏せた。

プル「プルツー・・・」

 あまりも悲愴なプルツーの姿をプルは涙目で見つめていた。このままではプルツーが本当に壊れてしまう。
 プルは姉妹なのにプルツーに何もしてあげられない自分の無力さが悔しかった。そして結局今まで何もできていなかった自分の無力さが悲しかった。気付いてあげることもできなかった妹達。
 気付いていない。自分の生まれた境遇,そしてプルツーのことを少し考えればわかったはずである。
 結局何も見えていない,見ようとしていなかっただけなのである。プルは自分の無知さが悲しく悔しかった。



 だが,そんな時。

ガロード「でもそれって結局自己満足なんじゃないのか。」

 突然ガロードがプルツーに向かって言う。

プル「ガロード!」

 プルには信じられなかった。いつも自分達に親切にしてくれているガロードの口からそんな酷い言葉が出るなんて。

ガロード「こんなところで苦しんでいたところで何にもならないってね。プルツーが苦しんでいて誰が救われる。誰が満足するんだ。」

プル「やめて!ガロード!プルツーは本当に優しい子だから・・・だから・・・だから・・・あの子達が苦しんでいたことに耐えられないんだよ!」

 プルはガロードのことを見つめながら言う。

ガロード「でもまだ何も終わっちゃいない。そういう時こう言うんだ!何も考えずに走れ!って!だからこんなところで沈んでいても何にもならないって。」

プルツー「終わっちゃ・・・」

プル「走る・・・?」

 プルツーはベッドから起き上がろうとする。

プルツー「う・・・あ・・・」

 プルツーはベッドから部屋の外へ向かって進もうとするが,プルツーの憔悴しきった体はそのまま崩れ落ち,ガロードに支えられる。

プル「プルツー!」

 プルツーは気を失っていた。プルツーは妹達のこと,12番目の妹のことを知った日から自分を責め続け眠ってもいなかったのかもしれない。



 プルはプルツーをベッドに寝かしつけ,その手を握っていた。

 しかし,プルは何かを決意したようにガロード方を向いて言う。

プル「ガロード,お願いがあるの。」

ガロード「何だ。俺でよかったら何でも言ってくれよ。」

プル「しばらくプルツーのこと見ててあげて欲しいの。」

ガロード「それはいいけど。プル,おまえどこか行くのか?」

プル「助けに行く。」

ガロード「助けに行くって。まさか!」

プル「あの子を助けに行く。今度はもうあの子達のことも放っておけない。だってガロード,終わっていないって。そう,ここはUC0089でもあるってことだもん。終わってなんかないもん。」

 (UC0089 一応ハマーン戦争の後ということで)

ガロード「終わってて・・・(俺はそんな意味で言ったのじゃないけど・・・)でもそんなの駄目だ!プルが行ったって,プルだってあいつらの餌食になるだけだ。そんなことになったらプルツーがどれだけ悲しむか!」

プル「でも放っておけない!そんなことできない!わたし,お姉ちゃんだもん。」

ガロード「だーーーーー!だったら俺も行く。プルツーのことはティファを呼ぶから,しばらく待ってくれ。」

プル「ガロード,どうして。」

ガロード「どうしてって,そりゃあ,ニュータイプとか何だとかでまた・・・いーや,そんなんじゃねえ!友達のプルやプルツーが苦しんでんのに俺だって放っておけないだろ。そんなの当たり前のことだろ!」

プル「ガロード・・・ありがとう・・・本当に本当に・・・ありがとう・・・」

ガロード「まっかせなさい!こう見えても俺,ガンダムに乗る前はそういう仕事で飯食ってたんだから!」

プル「う・・・う・・・」

 プルは泣いていた。こんなに悲しい世界でもまだ自分達に優しくしてくれる人がいた。そう思うと自然にプルの目から涙がこぼれた。
 ガロードはそんなプルの姿を見つめながら思う。

ガロード(もしここで俺じゃなくて,ジュドーの奴がプルのことをちょっとでも助けてやれば,プルの心はどれだけ救われるか・・・ちくしょう!あのシスコンこんな時に何やってやがんだよ!)



 そのころ呪道はというと。

ジュドー「リィナアアアアアアアアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!!」

リィナ「いやあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!」

 と人々に『真実の愛』を説く『恩寵の儀式』の真っ最中。しかし呪道は天空に飛翔することでできなかった。

ジュドー「何故だ!何故!飛べんのだ!何故リィナにダイブできないんだよーーーーー!」

 とリィナを前にして飛べずいる呪道。

レイ(南斗水鳥拳の)「会長,マリーダの過去話とかなんかあったので,『プルたん妄想』ではダイブは当分自粛という方針だそうです。」

ジュドー「ちくしょー!プルのやつ!デコバチだーーー!なんか新しいコピー品もさっさと元の場所に返品しやがれ!いつもいつも俺とリィナの『真実の愛』を邪魔しやがって!」

 呪道は呪道である。

(『プルたん妄想』ではジュドーは妹と結婚できないと言う大人達の身勝手さ(?)に憤り,『妹と結婚(結○)する会』(通称『妹結会』)という超カルト教団を立ちあげ,自ら会長(教祖) 大シスコン聖天至高神帝を名乗っている。最高幹部にはシスコン四天王 南斗水鳥拳のレイ,天狼星の男 リュウガ,南斗五車星 雲の男 ジュウザ,天空妹心拳継承者 ロム=ストール,妹科学庁長官兼参謀 ゼクス=マーキスなどがいる。あとシスコン二等兵のシン=アスカも(笑))



 しばらくしてティファがプル達のマンションにやって来た。
 プルツーの眠っているベッドの前でプルはプルツーのことをティファに頼む。

プル「ティファ,プルツーのことお願い。」

 そんなプルにティファは言う。

ティファ「急いで,今ならまだ間に合います。」

ガロード「そうか,行くぞ。プル!」

プル「うん!プルツー,待っててね。わたしが必ずあの子を助けてきてあげるから。」

 プルが眠っているプルツーの頭をそっと撫でながら言う。

ティファ「プル,ガロード,あなた達に力を」

プル「ありがとう,ティファ。」

 こうしてプルとガロードはネオンに照らされた金と欲望と暴力が集う街へと向かうのであった。

ガロード「でも一応搦め手も用意しとくか。そのためには一応成人のやつも必要だな。」



 デーモンゲートをくぐる3人。この妖しげなネオンに照らされる歓楽街に似つかわしくない美少女と快活な少年,そして怪しいオタ一匹。プルとガロード,そしてなぜかいるジャミル=ミートであった。

ジャミル=ミート「俺達はプル萌えマイスター!プルたん達を泣かせる全ての行為に介入する!そのため世界を繋ぐ。」

ガロード「・・・・・」



 3人は歓楽街の中を進んでいく。

ジャミル=ミート「こんなところでプルたんのようなかわいい子が迷子になったら大変だから,絶対に離れたら駄目だよ。」

ガロード「人を盾にしながら言うセリフか!それにそんなこと言うんだったらてめえが殿(しんがり)につけ!」

 ジャミルはガロードの影に隠れながら進んでいる。そのあとにプルが続いている。

ジャミル=ミート「だってヤンキーに絡まれたらいやだから。」

 と言いながら一応ジャミル=ミートは殿に回る。

ガロード「ここはヤンキーというよりヤーさんだろ!(考えて見たらこいつにプルの後ろを歩かせるのも危険なような・・・)」

ジャミル=ミート「拙者のホームグランドはアキバの池袋の同人誌屋とかだし。この辺だったら駅の南口から右に曲がって信号越えて。」

 そんなジャミル=ミートを無視しつつ

ガロード「プル,その子のこと感じられるか。」

 プルは目を閉じて何かを感じようとするが

プル「ううん。だめ・・・この街、なんかゴチャゴチャしててわからない・・・」



「○○子供出来たよ!責任取れよ!カネないよ!」

「こーのバカタレスケベ社長!ボトル入れなさいよ!」

「ここであったも何かの縁。遊んでいってくんなまし。」

 そんな喧騒に包まれている。確かにゴチャゴチャしている。

ガロード「・・・・・」



 こうして3人はネオンに照らされた街を進んでいく。

ジャミル=ミート「げ,地雷だ!(ゲロ踏んだ)」



 しばらく進んでいくとガロードが姉ちゃんに声をかけられる。

姉ちゃん「坊や,パフパフして欲しかったら50ゴールドよ。」

ガロード「俺にはティファがいるから・・・じゃなくてそんなことしている場合じゃねえ!」

姉ちゃん?「何さ!オカマの何が悪いのさ!」

 ゲゲゲのゲな表情をするガロード。すると今度はジャミル=ミートが向こうの方の怪しげな店を指差して。

ジャミル=ミート「おや,あんなところにいるのはシス天大魔王じゃないか。」

プル「え?」

 シス天大魔王とはジュドーの別名である。‘ジュドーが来てくれた!あの子のために!’とプルの声は一瞬弾んだかのように聞こえてが,そのジュドーの姿はというとチャイナ服。
 そこには女装ジュドー,イーノ,そしてローラが怪しげな店に入っていく。

ジャミル=ミート「ローラ以外は萌えん。もっともこちらには真の太陽があるんだから何にも萌えないけど。」

ガロード「2丁目・・・?別の方向に怪しいところだぞ!戻るぞ!」

プル「・・・・・」

 プルはそんなジュドーの様子に少し悲しそうな顔をするが,あきらめてガロードの後を追う。ちょっと別の方角に来てしまったみたいである。



 元の場所に戻ったプルは今度はいきなりスーツにノーネクタイの男達に囲まれる。

男A「君かわいいね♪いくつ?」

プル「10歳・・・」

 プルは何だろうと疑問に思いながら答える。

男B「いくらなんでもネタには子供過ぎるだろ。」

 と別の男が小声で言う。

男A「でも君ほんとかわいいね♪8年ぐらいしたらうちの事務所に電話してよ♪」

 と男達はプルたんに名刺を差し出す。
 グレミーが見たら卒倒しそうな状況である。
 そんな時,ジャミル=ミートがその男達の仲間らしい金髪のツンツン頭の男に絡まれる。

ジャミル=ミート(やっぱりヤンキーに絡まれた!)

金髪のツンツン頭の男「おい,その子をどこに連れて行くつもりだ。まさかやり手ババアのヤリテンの店じゃないだろうな。」

左目に傷のある男「ああ,あの店は厳しいよ。やめといた方がいいよ。ただ少しでもお金に換えたいんだったら仕方ないけど。かわいそーだけど。」

 さわやかに言う男に,ガロードは何だよ!それ!という表情をする。
 しかしプルは二人に尋ねる。

プル「そのお店ってどこ?」

左目に傷のある男「やめといた方がいいよ,あの店は。ボロボロにされて,最悪死んじゃうかも知れないから。」

 とまた男はさわやかに言う。

プル「教えてよ!その店ってどこなの?」

 プルはそれでも必死に尋ねる。
 男達は顔を見合わせプルの必死の懇願に不思議そうな顔をしてヤリテンの店の場所を教えてくれた。



 3人は暗く淀んだ空気に覆われたかのようにそびえる黒ずんだビルの前に立っていた。

プル「ここにあの子が・・・」



(続く)


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