小説&俳句系投稿掲示板


■--キリングタイム総集編〜混沌を望む者〜
++ 雲     (メカピクミン)…548回   


これは運命に踊らされた生物達の過酷な戦いの記録

その記録を塗り替えようとした者の末路を描いた世界
(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/ 4(Sun) 21:35[12279]

++ 雲   (メカピクミン)…549回   
なんでこんな事してんだよって思われた方、すいません。
まず小説を書くよりも謝る方が先だと思ったので、とりあえず謝ります。

一度完結した物語に蛇足を加える事が如何に愚かしいかを私は知っています。
しかし、この掲示板の過去ログが消滅し…キリングタイムが存在しなくなったのを知って、
何か、残せるものはないのかなぁと考えた結果です。
反省と共に約束しますが、決して中途半端な気持ちで決めたものではありませんので、
新しい世界を生み出せなくなった自分が、古い世界をどう見つめていたかを
最後にここに書き記したいと思います。


説明

「キリングタイム」という作品が2009年1月に公開されました。
これは、その作品の場面を映しながら…新しい視点で物語を語り、描いていく総集編です。
初めての方も、過去に読んでくれた方も楽しく読んで頂ける様に頑張ります。
当時の進行通りに見たい!って方が居ましたら、執筆者相談掲示板にそう書きこんで下さい。


※注意書き

・ピクミン小説です。
・暴力表現やパロディが苦手な人は見ないで下さい。見てから文句言われても知ったこっちゃないです。んなもん自己責任です。
・ただいま。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/ 4(Sun) 22:02[12280]
++ 新屋   (常連大将)…962回   
過去ログにあると思ってたのに・・・どこかに保管もしてないのかな。
あーあーあ。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp)..12/12(Mon) 22:57[12281]
++ 雲   (メカピクミン)…550回   
新屋さん
感想どうも。
過去ログが無くなってしまいましたのでこうして始めた次第です。
過去のログは全て保存してあります。
当時のログのまま見たい場合は旧掲示板にでもそのままに掲載しておきますが…いかがでしょうか?
さぁて、最後の思い出作りの連載開始です。
楽しんでいって下さい!

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/14(Wed) 19:32[12285]
++ 雲   (メカピクミン)…551回   



「おー人形さーん。お遊びしまーしょーうねー!」
両手に人形を掴んで、小さな女の子が一人遊びしている。
髪は金色。まだ幼い…ホコタテ星人。
彼女の名前は、リリシア・ノンレジット。
子供部屋にしては広すぎるくらいの場所で、沢山の人形に囲まれながら…ずっと遊んでいるのだ。
眠る事も無い。食べる事も無い。
彼女は…眼の下にクマを作りながら、延々と人形で遊んでいる。




「…どう思われますか?マリマー博士」
その部屋とは別室の、これまた広い部屋に…二人のホコタテ星人が向き合って椅子に座っていた。
一人は、ダボダボのサイズの、身体に合っていない白衣を身にまとっている、白い肌の痩せた少年。
彼の名は…マリマー・ヘブライン。
まだ子供だがとても頭が良く、生物研究学者として数々の賞をおさめた…天才だ。
「どうって…普通でしょう?リリシアは僕と同じでよく遊ぶ子供じゃあないですか」
マリマーはそう口にして、目の前に出された紅茶を一口飲んだ。
「普通…確かにそうです。彼女はよく遊び、笑顔を見せてくれる。
ただの子供と変わりありません。しかし…おかしいじゃないですか!
彼女はこの2年間、何も食べずに…狂った様に遊び続けている!」
「ノンレジットさん…自分の娘の事をそんな風に言うものではありません。
私も、彼女がどうしてあんな事になってしまったのか、原因を探っています」
ノンレジットと呼ばれた彼は…リリシアの父親だった。
白が混じった髭を生やしている…いい歳をした男性。
それが父、ジョージ・ノンレジットである。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/15(Thu) 22:10[12288]
++ 新屋   (常連大将)…963回   
2年も絶食できる生物ってなかなかいないぞ。しかもなぜ眠らないし。
でも、なんかどっかで出てきたような気がする、いやそれはもっと大きい女子か?

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp)..12/17(Sat) 20:39[12293]
++ 雲   (メカピクミン)…552回   
新屋さん
感想どうも。
総集編ならではの内容になっております。
タイトルを「茫漠の餌場」にしようか、「リリシアちゃんのお人形遊び」にしようか悩みましたが、
後者では緊張感が無さ過ぎたのでやめましたw
あくまで「新作」ではなく「総集編」なので、
新作カットはありますが過去の内容をなぞる行為はお許し下さい。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/23(Fri) 12:37[12295]
++ 雲   (メカピクミン)…553回   

「きっと…おかしくなってしまったのでしょうか…。
私が、私が…研究に専念し続けている内に、1人が寂しくて…それで…」
「…ノンレジットさん。私の研究所に来てくれませんか?」
「…え?」
ノンレジットは、突然の事に身を乗り出す。
「私一人で娘さんを元に戻す研究をするのは…少し、骨が折れるんです。
だから、あなたの力を私に貸して下さい。
今、私は生物を違法に改造する研究をしています…
しかし、法に触れるその行為は、
娘さんを元に戻す薬を創り出すのにどうしても必要なものなんです。
だから…私と共に極秘研究施設に来て下さい。…娘さんを助けましょう…?」
ノンレジットは、小さく頷いた。
マリマーはそれを見ると、少しだけ笑って…立ち上がり、猫背のままトボトボと歩き部屋を後にする。
「くっ…ははっ…はははっ…!」
マリマーは、部屋から出た途端に…笑いが止まらず、口を押さえた。
「ジョージ・ノンレジット…!これであなたも共犯だ…!」
リリシアは、もう飲まずとも食わずとも平気だ。
彼女は…実験中の薬品を投与し、もう…生物兵器へと変化しているのだから。
「素晴らしい。素晴らしい素晴らしい素晴らしい!
惑星第147号…あそこは未知の生物細胞がいくらでもある…!
人類の長年の夢、不老不死が…こんなにも簡単に叶ってしまうなんて…!!」
リリシアは、大きな事故にでも遭わない限り…歳もとらずに永遠を生きるだろう。
マリマーは歓喜していた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/28(Wed) 15:42[12298]
++ heaven   (ピクミン将軍)…392回   
本当だ、過去ログ消えとる…。
なんてもったいない。

総集編とのことですけど、出だしこんな感じでしたっけ?ぬーん。

(p5186-ipbfp04tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp)..12/28(Wed) 22:07[12299]
++ 新屋   (常連大将)…964回   
やっぱり悪かった。逆だしな。そうか、これが確かいた助手っぽい人間となるのか。
未知の生物細胞・・・中国に生き残っていた古代生物にゴジラ細胞とギドラ細胞を加えて
魔獣を作り上げるんだな、わかります。
もう人格は失っているのかね。やせてるけど生きていられるのか。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 1/ 2(Mon) 00:15[12300]
++ 雲   (メカピクミン)…554回   
heavenさん
どうも。
総集編ですが、一応新たなシーンも追加しております。
そのまんま同じっていうのはあまりにも不適切ですから…。
新たな視点や新たな要素を踏まえて、もう一度この作品を楽しんでくれたら嬉しいです。
ちなみに過去のこの作品を読んでない方でも楽しめるようにしてありますので。

新屋さん
ジョージさんの事を覚えていて下さったとは歓喜です。
チョイ役もこうして色々な事情を抱えていたんだなぁ。と思ってくれれば幸いです。
さぁて、物語を辿りましょう!

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/ 6(Fri) 01:05[12306]
++ 雲   (ピクミン大王)…555回   

マリマーは歓喜していた。
このまま研究を続ければ、一国を思うままに支配できる兵器にも成り得る生物はいくらでも作れる。
…このホコタテ星を支配するなど、もう夢ではない。実現したも同然。
…マリマーは、「次」を考える。
ホコタテなんかではなく…その「次」。
あの未知の可能性を秘めた星…惑星第147号を支配したい。自分のものにしたい。
だが、それが実現したらどうする?自分の夢は終わるのか…?
いや、終わってたまるか。
「あの惑星第147号で…生物を使ってゲームがやりたい。
あのリリシアがやっていたみたいな、
私の様な子供なら誰でも考えつくレベルの、シンプルで、面白くて、わくわくして、スリルのある…そんな、楽しいゲームをしたい」
その、マリマーの偉大な頭脳は…すぐに結論を導き出した。
最高の企画。
話し合えるが故、面白い。究極にて最高のショー。
「我が祖父…オリマーは確か、こう話してくれましたね…?
惑星第147号の…食物連鎖の底辺で生きている、
あの…植物の様な繁殖力と、動物の様な習性を持った生き物を…!!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/ 6(Fri) 21:54[12312]
++ 新屋   (常連大将)…965回   
歓喜していたが、○○○を制御できずすぐにオルガへと変貌・・・しないのよね。
チクショーメ!
ホコタテなど通過点に過ぎぬ!我が狙うはその先よ!(笑)
本当は並の植物よりいくつかのハエの方が増えるのは即効性があるかな。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 1/ 7(Sat) 22:46[12313]
++ 雲   (ピクミン大王)…556回   
新屋さん
久々にマリマーが書けて楽しいです。
茫漠に広がる世界の果てて、果てしない繁殖力のピクミンとのゲーム開始。
知っての通り、もうすぐイチ君です。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/17(Tue) 06:02[12319]
++ 雲   (ピクミン大王)…557回   


あれから数年後…時は満ちた。
数々の悪趣味な化け物…改造生物達が生み出されたその研究所の中心で、
悪意の権化。狂気の象徴。子供の姿のままの…純粋な残酷さを持ったマリマーは君臨していた。
リリシアと同じく、ジグソーパズルやお人形等の様々な遊び同区に囲まれた中で、
幾つものモニターを見つめ、マイクの音声をONにし、高らかにそれを宣言する。
「どうもみなさん。私はマリマー・ヘブライン。あなた達の指導者です」
自分に酔いしれていた。征服する事による…陶酔。
全身を突きぬけていく麻薬の様な感動。
今、自分は惑星一つを…思うままに操っているのだ。
「あんたは餌だ」
おっと、陶酔するあまり、口が悪くなってしまった。
だが…マリマーはもう止まらない。
死を、殺戮を、不条理な底抜けの現実を…今、ここに見せてくれ。
最高のショーを。私という飢え続けた観客に…!!
「今から、無抵抗に死んでもらいます」




KILLING・TIME




「あら、新しいお客さん?いらっしーゃいまーせー!」
リリシアが、何も無い空間に向けて、そう言った。
彼女の眼には何が映っているのか、もう誰にもわからない。
人形しか見えていない。
もう、誰も彼女を治す事は出来ない。
…リリシアの耳に、幻聴が聞こえる。
いつも彼女の耳には、幻聴が響いているのだ。
「リリシア、私の話を聞いてくれるかい?」
幻聴が聞こえた。
どうやら…リリシアにはその幻聴の方向に、幻覚も見えているらしい。
「どうしたの?またー新しーいーお人形さんなのー?」
「そうです。私は…もうすぐ消えてしまう…哀れな人形です。
でも、その前に…閉鎖された世界で孤独な遊びを続ける君と、おしゃべりをしたくなりました」
「おしゃべり、すきーっ!」
リリシアは、幻聴に向けてそう答える。
「私は、記憶の残滓。
黙っていても消えてしまう…征服に失敗した哀れな帝国の狂王。
今から君に話すこのお話は、そんな私…マリマーの失敗の話です」
「あなた、マリマーっていうのね?私はリリシア、この子はデイジー、この子はね…」
「はは…君は、沢山友達がいるんですね。私には、一人も居なかった」
「はやく、はやく、お話して?お話聞きたーいー!」
「じゃあまずは…ヒーローの話をしましょう。
世界を救った…ちっぽけで、小さな生き物の話を」
「なんていう生き物なのー?」
「ピクミン。私の祖父は…かつてそう呼んでいた」

序章、終了。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/21(Sat) 19:25[12325]
++ 雲   (ピクミン大王)…558回   

第1話、「茫漠の餌場」


「…はっ…!!」
目覚めると、周りには自分と同じ沢山のピクミンが居る。
大体、「まどいの水源」あたりだった。
「…そうか…俺はオニヨンごと拉致られて…増やされて働かされて…
やっとこの星に帰ってきたんだ…。」
何匹いるだろうか。10匹は居る…赤青黄色。紫や白も居た。
自分は一番最後に目覚めたみたいだ。他のピクミンは…既にこの星に帰れたのを喜んでいる。
…ソノ時、いきなり耳鳴りに襲われた。
「ぐっ…なんだ…?」
すると、頭骨から直に声がした。何か機械が埋め込まれている。
「どうもみなさん。私はマリマー・ヘブライン。あなた達の指導者です。
あんたは餌だ。今から無抵抗に死んでもらいます。」
そんな…!!と思ったが、引っこ抜いた者の言葉は無視できない。
そういう習性だ。
「くっ…そっ…!!」
従うしかない。自分の体が本能のせいで、「動こうとしない。」
「さぁ…もうすぐ外敵が来ます…抵抗はやめて下さいね?」
怖い…怖い!!このまま裂かれて食われてしまう。恐怖しかない。
なのに…命令を受け入れることしかできない。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/24(Tue) 04:07[12330]
++ 雲   (ピクミン大王)…559回   

「…試運転は好調だな。では…ルールを説明します。」
「る…ルール?」
とは言ったが、マリマーにその声は多分届いていない。
一方的に話されている。
「あなた達は今から精一杯逃げていい。しかし…この水源エリアから出るのは禁止です。
範囲はどこまでかは…もしもはみ出そうになったら笛を頭に響かせますのでご安心を。」
禁止と言われたら、「禁止」だ。ピクミンは引っこ抜いた主人との約束を破れない。
「それと…もう一つ慈悲を与えます。この様々な外敵が居るエリアで…
ある特定の生物を倒すのに成功した者が居れば、その者はこのゲームから開放されます。」
特定の生物…?不思議に思ったが、聞く。
「この星のレアな珍獣…『宇宙ウサギ』。このエリアのどこかに居るソイツを殺せば
そのチームは死にません。さて…ちなみにこの水源には、10匹程度で構成されたチームが62チーム居ますよ。」
茫漠に設定された餌場の中で…「理不尽な死」への脱出が始まった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/27(Fri) 01:13[12336]
++ 新屋   (常連大将)…966回   
ピクミンって骨があるらしいですね。木化している部分なんでしょうね。
「無抵抗に死んでもらいます」→「う・・・動けない・・・!」の流れは
前見た時も思ってたけど今で言うシリアスな笑いってやつだ。
5×20でも100匹なのに いや制限なくなったのかな超未来だから。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 1/28(Sat) 22:01[12337]
++ 雲   (ピクミン大王)…560回   


周りのピクミンを確認する。
赤ピクミンの自分。そして青、黄、紫が一匹ずつ。
同じ背丈の白が二匹。
そしてキノコピクミンが一匹と、コッパチャッピーが一匹。
最後に、自分ではない赤が一匹だ。
「9匹か…。」
そう呟いた。さっきは確かに十匹程度と言っていたので、
9匹が間違いというわけではなさそうだ。
「ここは確か…外敵の数が半端じゃないって聞いています!!
しかも『餌場だ』とはやしたてているから…それ以上の敵が集まっている!」
紫が騒ぐ。…そうだ。早くここから逃げないといけない。
「よっしゃ!!そうと決まれば全力で逃げてやるぜ!!」
そう言って、黄が走り出す。だが、それを自分じゃないもう一人の赤が止めた。
「待て。今一人で行くのは危険だ。それにここからは出られない。
頭の中で喋ったアイツが主人なら、本能でこの命令には従えない。
笛の音が鳴れば…俺たちはすぐ引き返してしまうだろう。
つまり、俺たちで協力してその宇宙ウサギとかいうのを殺すしか、
助かる道は無いって事だ。」
…全員が納得した。どうやらこのもう一人の赤は頭が良さそうだ。
なんだか、自分が同じ赤として情けなくなった。そのもう一人の赤は続ける。
「よし…じゃあ決まりだな。宇宙ウサギを探す。」
「でも…どうやってですか?この広大な土地のどこかって言われても…
その間に外敵に見つかる方が早いです。
それに今この場所は、隣が水辺の危険な場所…近くには隠れる壁も無い。」
そう青が聞いた。
「大丈夫だ。奴の場所なら解る。」
一方、ここは水源でのゲーム会場で言えば大体真ん中あたりの場所。
乾燥した細い草の生えた大地に、クマチャッピーが5匹、並んであるいていた。
水源のあちこちには、スピーカーみたいな円盤が飛んでいる。
ドルフィン初号機の取り外せる上の部分みたいな奴だ。
それから不意に声が発されたので、5匹は空を見上げる。
「えー…ピクミングループの現在の場所を言います。
この場所から一番近いのは9匹で構成されたチーム54番。ここから少し西へ。」
その声はマリマー。あらゆる生物に常時教えているらしい。
…5匹はそれを聞くと、すぐにそこへ向けて走り出した。
空は…夕焼けに染まった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/ 1(Wed) 11:50[12339]
++ 新屋   (常連大将)…967回   
白で同じ背丈やで。キノコピクミンがいる理由は忘れた。なんかあったと思うが。
待てよ、増やされて働かされた?何があったんだろう。増やすのはともかく。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 2/ 1(Wed) 21:26[12340]
++ 雲   (ピクミン大王)…561回   

「場所が解るって…どういう事だ?」
全員が思っていた事を、黄が聞いた。
「そのまんまの意味だ。場所ぐらいちょっと考えれば解る。
外敵が、このゲームによって大量に蔓延っているこの地上で…
そんな珍しい生物はそうそうそこらをウロウロしていたりしない。
例えば、どこかに隠れているとかだが、名前は『宇宙ウサギ』だ。
ここがいくら水源だからって水中に隠れはしない。
もしも水中だったとしても水中だとしたら青しか探しようが無い。
『ゲーム』に拘るマリマーとかいう奴が…青にしか希望を与えない無理ゲーを作るはずは無い。」
全員が黙った。…それは、「同意」であり、「納得」だ。
「じゃあ…それ以外の隠れる場所は…」
「そう、『洞窟』だ。しかもこの水源から一番近い洞窟を俺は知っている。
…もともと水源住まいのピクミンだったからな…。
もし、別の洞窟だったとしても、それが俺たちの隠れる場所になるから、この行為に一つの損だって無いぜ?」
全員一致で、赤に同意した。
赤を先頭に、9匹は歩きだした。


全員が地平線まで見える広い水源を、足を揃えて歩いてゆく。
そんな中、退屈そうにしていた黄ピクミンが口を開く。
「じゃあこの歩いている間に、一応自己紹介でもしておくか?俺は黄ピクミンの…
あ、そういやピクミンって名前なんざ決めないもんだよな…」
こんな自由度のある命令をされたのは初めてだったので、誰も気がつかなかった。
しかし確かに名前が無いと呼びにくい。
赤は二匹いるし、白も二匹いるのだから。
「確かに。ピクミンはすぐに死ぬから名前なんて決めても使わない。
それに何百という数が一気に生まれるのだから、いちいち覚える必要が無い。名前なんて無くて当然だ。」
冷静な方の赤は冷静にそう言った。
「じゃあ…覚えやすくいくか。簡単に数字で!!俺が1でお前が2だ!!」
黄色がその冷静な赤を指差して言った。
「…ああ、構わないよ。」
青がそれに続いて、
「じゃあ…僕は3で。」
コッパチャッピーも、
「私は4がいいです。」
と、次々と数字を取り合う。
「じゃあ、俺が5だな!!」
と紫が言った時に、もう片方の赤は、「最後の9でいいや」と思って待っていた。
…その時。
「ミツケタゾ?」
不意に声を聞き、9匹は振り向く。
そこにいたのは5匹の、大きなクマチャッピーだった。
「うわぁぁぁぁ!!」
全員が驚き、叫んだ。逃げなければ…走らなければ!!
しかし、冷静な赤が全員に聞こえる大きな声で言った。
「待て!!ここで適当に逃げてバラバラになったらどうする!!」
「じゃあどうするって…!!」
青が聞くと、その赤は信じられない事を言った。
「俺が囮になる。先に…逃げろ!!」
赤は、5匹のクマチャッピーに向けて飛び込んでいった。
5匹はそれを仲良く引き裂いて、立ち止まって食べた。
「あ…うわぁぁぁ!!」
肉塊となって裂かれ、食われた赤を目の当たりにして吐きそうになりながら、青が皆をまとめた。
今のうちに、全員は固まって一方向に逃げた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/ 2(Thu) 16:43[12345]
++ 新屋   (常連大将)…968回   
この名前は結局忘れて後に・・・だったかな。
前もだけどクマチャッピーとピクミンあの差、で5匹で分け合うってどうやっとるんだ。
アフリカの肉食獣とウサギじゃないんだから無理だろう。
そういう理由から、やりたかっただけと判断する。前は考えなかったこと。
紫の葉は逃げられないもんね。他は歩きで逃げられるけどね。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 2/ 3(Fri) 23:14[12352]
++ 雲   (ピクミン大王)…562回   
新屋さん
いつも感想ありがとうございます。
こうしているとなんだか懐かしい感じがあります。
ピクミンは骨がある。
…でも人間よりは丈夫なのかな?と思ってはいるのですが、どうなんでしょうか。
物語をこうして振り返り、原点に帰ってはいるものの、既にラストシーンを書いているという矛盾。

我ながら不思議な物語だと思います。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/ 5(Sun) 02:40[12358]
++ 雲   (ピクミン大王)…563回   

「どうすればいいんだよん!!」
「本当、どうすればいいんだよん!!」
走りながら、白ピクミンのコンビはそんな事を言っていた。
この二匹、そっくりだ。どうやら兄弟か…双子かもしれない。
しかしそれにしても、宇宙ウサギと名乗る存在が居る方向は理解したが、
倒す方法などの、重要な戦力となる赤を失った。
俺は同じ赤ピクミンながら、自分の無力さが許せなかった。
「あっ!!洞窟…みつけたぞ!!洞窟だ!!」
地平線の手前、小さく洞窟が見えた。
周辺には外敵もいない…「大会」で敵が沢山あふれているはずなのに、この辺には何もいない。
とにかく、名前からして「宇宙ウサギ」が凶暴とも思えない。
サッサと片付けて…この不条理な鬼ごっこともオサラバだ。



「はぁ…はぁ…」
ようやく洞窟の入り口に到着した。
俺は周りの人数を確認する。
俺じゃない赤はもう居ないのだから…八匹。
…大丈夫だ。だれもはぐれていない。
「入るのか?俺たちだけで…勝てるか?」
青が怖がり気味で言った。
そりゃあそうだ。俺だって怖い。
「大丈夫だ!!無理じゃねぇってあの赤が言ってたろが!!」
黄ピクミンが言いながら、一匹でずんずん入ってゆく。
…俺も赤ピクミンなんだけどな。
と思ったが、言わずに他のみんなと後ろについていった。
中は広いが、薄暗い。
外の日の光が天井の隙間から逐一入ってくるので前が見えないという事には困らないが、
けっこう奥まであるのは問題だ。
「…長く続くな。この道…」
紫が不安げに言う。
もうすぐだ。もうすぐ…出てきてもおかしくない。
相手はウサギ一匹。
ウサギってのは、ホコタテ星で労働くらってた時に他のやつから聞いた。
知能なんて無いし、喋れもしない敵だ。
落ち着いてやれば…いいのだ。
「のあぁぁぁぁぁぁ!!」
何者かの声に、全員が振り返る。
白い、もさもさした毛皮のウサギがちょこんと後ろに座っていた。
ピクミンの膝までくらいの大きさしかない、ちっちゃくて、可愛くもある。
「な…なんだ!!拍子抜けだぜ!!こんなチビにビビってたのかよ!!俺!!」
黄がそう笑った。
「でも…コイツ、本当に殺すんですか?可愛そうじゃ…」
紫が言う。
「知るか!!可愛そうなのは今現在殺されそうな俺たちだろ?オラ、蹴り殺すぞ!!」
黄はやる気だった。
まぁ、俺だって殺す気だったし、黄の言葉はなんら間違っていないと思う。
だけどおれには、あのウサギがいつのまに後ろに居た事の方が…気になった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/ 6(Mon) 13:24[12365]
++ 雲   (ピクミン大王)…564回   

「覚悟しろ!!このチビ野郎がぁぁぁ!!」
黄が足を思い切り振り上げた。
…その刹那。
黄ピクミンが宇宙ウサギに蹴りを入れた刹那。
宇宙ウサギは黄ピクミンの足にその出っ張った前歯を突き刺して、
膝の肉を引っぺがした。
「のあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
頬をむしゃむしゃさせて、口のまわりを真っ赤にしながらそう鳴いた。
その声はさっきまではかわいらしかったが、今では恐怖の象徴でしかない。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁああああ!!なんだこのやろぉぉ!!!」
黄が真っ青になって叫んだ。
俺たちは外見や名前に騙された…
彼らは弱者だとしても、弱者であると自覚していない。
理性や感情も持たない生物は、相手が「強いからおびえる」といった行為を行う訳がないのだ。
「畜生!!許さねぇ!!」
黄が肉をちぎられた右足を押さえながら、
近くに転がっていた木の棒を持った。
そしてふりかぶり、ボコボコにする。
「のあっ!!のぁぁぁぁあ!!」
殴られて血を吐きながら、必死で逃げようとする。
「逃がすな!かこめ!!みんなでブン殴れ!!」
黄は、少し振り返ってそう叫んだ。
みんな、呆然としながら見ていたが慌てて棒を手に取り、
囲んで殴りまくった。
「のあ…あぁぁぁぁあああ!!」
必死で叫んでいたが、やがて動かなくなった。
「終わったな…これで…」
黄ピクミンがホッとして死体を突っつく。
これで助かる。
もしかしたら助からないかもしれないがこれで助かる。

「のぁぁぁぁあああああ…。」
みんなが安心した時、その恐怖の声が聞こえた。
「え?…ウソだろ…!!」
天井に、宇宙ウサギが5匹くらい、コウモリみたいな体勢でこっちを見ていた。
仲間を殺されたのを見て、「フーッ!」フーッ!」と強気な態度で威嚇している。
「一匹じゃ…ないのかよ!!」
宇宙ウサギは、一斉に黄ピクミンに襲い掛かり、
その動きは凄まじく、顔面が血だらけに切り裂かれて倒れた。
「に…逃げろぉ!!」
紫がそう叫んで一人、洞窟の外に走る。
しかし5匹のその動きはすばやく、天井を駆けて紫の頭の葉っぱを引きちぎり、
もしゃもしゃと食べながら更にその体を前歯で分解していく。
「おげぇぇぇぇ!!」
青ピクミンがその光景に耐えられずに嘔吐した。
ここに居る全員が、希望を失っている。「狩られるのはこっちだった」のだから。
「のぁぁぁぁあああああ!!」
その動きは本当に早い。地面も天井も変わらない速さで移動できる。
さっき奴が後ろに回りこめたのは、この動きのせいだ。
…迂闊だった。
「みっ…見てください!!アレ!!」
洞窟の奥。目をこらすとその足元に、ピクミンの大量の死体が転がっていた。
自分たちのほかにもここに先に到着したチームが居たのだ。
そして、殺された。
今、自分たちがそうなっているように…

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/ 7(Tue) 16:45[12369]
++ 雲   (ピクミン大王)…565回   



足元から何者かの腕が出てきた。
白くてフサフサした綺麗な腕…宇宙ウサギのものだ。
「地面を移動してる奴もいんのか…!!何匹居るんだよ!!」
俺は言いながら木の棒を構えた。
八匹で入ったこの洞窟。
今ではもう六匹。
上も下も…前も後ろも敵だらけだった。
「奴らに知能は無い…!!だから、戦う気が無い事も伝えられない…!!」
待っているのは一方的な死。
「し…死んでたまるかぁぁぁぁ!!」
青ピクミンが凄い形相で、木の棒を持って地面から出てきたウサギ達を叩きまくった。
その攻撃が当たり、宇宙ウサギのうちの数匹程度は死んだ。
だが…天井のウサギ達が頭に飛び掛ってきて、
黄ピクミンと同じように頭をぐちゃぐちゃにされて絶命した。

奴らは、簡単に殺せる相手だ。避けもしないし危険が何かをわかっていない。
だが…奴等は恐れることなく攻撃してくる。
刺し違えてでも、致命的ダメージを与えようとしてくる。
死を恐れない…敵。
もう残っている仲間のピクミンは5匹。
恐れている俺達は…全員いつ殺されてもおかしくはない。








「ウサギさーん、ウサギさーん、つよーい」
リリシアがニコニコしながら微笑む。
マリマーの話に聞き入っている。
「強いでしょう?宇宙ウサギは、
ゴールデンピクピクニンジンという食物を大量に積んでいた
宇宙船を襲撃し、一瞬で食いつくしてしまった…という記録を持っています。
それだけ奴等は顧みることなく、食も攻撃も貪欲に…死ぬまでそれを続けるんです」
「ヒーローさん、勝てるの?ホントに勝てるの?ウサギさん強ーいよ?」
「…ま、勝てるわけないんですよ。たった一匹でそんな奴を相手にするなんて…普通はね」
マリマーは、リリシアのお人形をジッ…と見つめる。
リリシアはマリマーの見つめていたお人形を手にとった。
…マリマーはそれを指さして、言った。
「でも、忌々しいあのヒーローは…
自分の弱さを知っていた。弱さを知りながら…強くあろうとした。
宇宙ウサギに勝つために必要なのは…たったそれだけ。ほんのそれだけ…」



(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/ 7(Tue) 23:56[12370]
++ 雲   (ピクミン大王)…566回   



「ぎゃぁぁぁぁあああ!」
「うわぁぁぁぁぁあああ!」
全員、恐怖に叫び声をあげた。
俺はそんな中、意外と冷静だった。
ああ、そっか。死ぬのか。
そんな事を、ボンヤリと考えていた。
冷静といえば、「冷静な方の赤ピクミン」。
「2」を思い出す。

「2」…俺たち全員を助けて、このウサギの場所まで教えてくれた同じ赤ピクミンのアイツ…
冷静なアイツ…ここで死んでいったやつとは違う。
アイツは…無駄死じゃない。ここにいる全員を助けた。

なのに…俺たちは死んじゃうのか?
やっぱり、みんな無駄死になっちまうのか?
いや、覆せない死を…どうにかしようと思っている…!!
「ま…負けるかぁぁぁぁぁ!!!」
俺は気づくと思い切り叫んでいた。
木の棒を構えて、涙目で一直線に走っていた。
ウサギ達がそれに反応して飛び掛る。
俺はそれをさっき三人くらい死んだ時に、
飛び降りてくる事を反射的に解っていたのか、
その場でスライディングをかまして宇宙ウサギに囲まれていた場所から脱した。
「アイツ…逃げやがった!!」
残っているピクミンの誰かが言った。
その言葉にカチンときたのか?
それとも…「2」の正義感に釣られたのか…
そのとき俺はこう叫んだ。
「おいっ!!馬鹿ウサギ共!!
俺はこっちだ!!来てみやがれ!!」
ウサギの足の速さ位、知っていた。
そして知能が無いとはいえ、挑発すれば全員が全員こっちを追うのも知っていた。

知っていたから、やったんだ。


(61.27.111.19).. 2/ 9(Thu) 17:28[12372]
++ 光   (初めまして!!)…1回   
雲さん、初めまして、ひかると言います、自分の此方の小説投稿掲示板に小説を書きました、何故だか、自分の小説にはネタが在りません、携帯で小説を書いては其れをネタにしようかと思います、是からも身体に気を付けて頑張って下さい、応援してます
(FL1-122-131-9-251.oit.mesh.ad.jp).. 2/ 9(Thu) 22:47[12374]
++ 新屋   (常連大将)…969回   
理性や感情も持たないのに、殺された仲間を見て強気になるのは反応によるものだね。
嘔吐って人間かい・・・表情もないよ。 ピクミンは死ぬとすぐ消えるはずなんだが・・・
でも宇宙ウサギは嘘だったからそれを元に・・・だな。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 2/ 9(Thu) 23:42[12376]
++ 雲   (ピクミン大王)…567回   
光さん
感想ありがとうございました。
読んでみてくれて嬉しいです。ここに少しでも眼を通してくれた事、それ自体が幸いです。
読んでみてどうだったでしょうか…?応援ありがとうごさいます。これからも頑張ります。

新屋さん
感想ありがとうございました。
確か、キリングタイムを現行でやっていた時もそんなレスを頂いたような覚えが…。
そうなんですよね。実際はピクミンという生き物に…表情みたいなものが全く無いんですよね。
でも、何を考えているのか分からないその顔も、ピクミン同士では実はどんな顔をしているのか分かっているのかもしれません。
まぁ、観測する我々にそれを読み取る術はありませんが…。
いつも感想を感謝します。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/13(Mon) 23:43[12378]
++ 光   (ピクミン大王)…0回   
雲さん、こんばんわ、ひかるです、今日、雪が降ってしました、自分、雪が降るなら、12月に降って欲しかったです、クリスマスなので、其れにしてもへっくしゅんっ!!!、さ・・・寒い;、本当に寒いです;
(FL1-122-131-9-251.oit.mesh.ad.jp).. 2/18(Sat) 22:02[12386]
++ 雲   (ピクミン大王)…568回   

ウサギの数は10匹くらい…でも、俺に数えている暇なんて無い。
洞窟を出て、俺は日が降り注ぐその平地を全速力で走った。
頭は花だし自信はあったが、それでもウサギの方が早い。
「のぁぁぁぁああああああああ!!!!」
ウサギ達の鳴き声が重なり、俺の耳に突き刺さる。
その声はどんどん近くなっていく…振り向いていないからわからないが、確実に追いつかれている。
「ち…ちっくしょおおおおおお!!!」
俺は走りながら、泣きながら、どうにもならない事態を叫んだ。
この周辺には何も無い。外敵も居ない。
死にたくない…絶対に死にたくない!!
「やられてたまるかぁぁぁ!!」
しかし、現実は非常だ。
足にウサギの一匹がしがみついてきたのが解った。
すぐに足に激痛が走る。
ああ、太ももに前歯を突き刺してきたんだ。
「ぐっ…!」
痛い。でも転んだり、歩みを止めたりはできない。
そうすれば取り囲まれて死ぬ。…死ぬ。
「あんたは餌だ」とマリマーは言っていた。
それはこのウサギ相手にも言える事なんだ。
「嫌だ…死にたくない…!!」
客観的に死を捉えられていたのはさっきまで。
誰かを助けたいと、もしかしたら2みたいになれるかもしれないと…
そう思ったから未練なんてものが浮かんできたんだ。
ふと横目で見ると、そこに水溜りがあった。
水源だ。そりゃあある。
…俺はその時、頭がおかしくなったのか?
何かの直感が働いたのか?
その水に…飛び込んだ。

俺は赤いピクミンな訳だから、水中は溺れてしまう。
しかしこの水たまりはなんとか肩までの深さまでしか無く、
ギリギリ呼吸は出来た。足に引っ付いたウサギを沈め、息を出来なくさせる。
コイツが泳げるとも、エラ呼吸が出来るとも思わなかったからだ。
他のやつらも皆こっちに飛び込んできた。
そして体をバタバタさせて、次々と死んでいった。
知能の無いコイツ等は、目の前の仲間が死ぬのに狂喜乱舞して、水に勝手に飛び込んでいく。
滑稽なチビ共で助かった。
俺は血が噴出す足を押さえながら、フラフラしつつ水中をあがった。
「こ…これで…終わった…。」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/19(Sun) 02:47[12388]
++ 雲   (ピクミン大王)…569回   




その頃洞窟に残された4匹のピクミンは、呆然としていた。
「とりあえず、俺たちもサッサとここから出たほうがいいと思うぜ?」
キノコピクミンが言った。
「いや、出ても外敵しかいない。やっぱりウサギを倒すしかないんだ。」
そうコッパチャッピーが返す。
もう赤ピクミンは殺されていて、ウサギが帰ってくるものだと信じていた。
「じゃあ…こういうのはどうだ?多分奴等は常に群れで行動してる。
もうこの洞窟にまだウサギがいるとは考えにくい。この洞窟の一番奥に行ったら何か生態とか掴めて…弱点がわかるんじゃないか?」
キノコピクミンのその言葉に全員賛成して、足を走らせた。








グシャァ…。


「そ…そんな…」
キノコピクミンは、一番奥にあった、大きなフサフサした壁を触っただけだった。
それがまさか…あの宇宙ウサギの親玉だったなんて。
身長がチャッピーの2倍はあろうかという大きな宇宙ウサギは、一瞬で白ピクミンを二匹共、爪で引き裂いた。
コッパチャッピーも一瞬で食らい、今までの小さい奴らとは比べ物にならない声で
「のああああああああああああああああああ!!!!!」
と、雄叫びをあげた。
逃げられない…!!それは、宇宙ウサギの動きがそこらの生物に比べて早い事からわかる。
キノコピクミンの首はひきちぎられた。




その頃、赤ピクミンはまた洞窟に向かいながら、
「おい…もう全員倒しただろ?サッサとここから…出せ…!!」
と呟いた。
そこで、マリマーの声がした。
「ずいぶん、たった一匹でやっつけましたね…でも、もう一匹残ってます。」
「あと…一匹…!?」
その一匹が、出てくる。

洞窟から出てきたソイツは、巨体だった。
一目で親玉だと、ボスだと解った。
もう赤ピクミンに仲間はいない。
たった一匹でこの巨大な宇宙ウサギの親玉を倒さなければならない。
「マジ…でか?」
「のぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!」
化け物だ。化け物の叫びだ。
コイツはもう戦うとかいう次元じゃない…
一方的に殺される…!!!
「いや…もしも俺が2なら…倒す方法を考える…!!あきらめない!!」
走り出した。
相手が巨体でも、素早いだろうとは思ったが、この洞窟の周辺では駄目だ。
「俺はアイツの子供を何匹も殺しているんだ…!!だから…絶対についてくる!!」
必死で逃げた。
外敵が出てくるまで…必死で逃げた!!
「追いつかれて…たまるかぁぁぁぁぁ!!!」
太ももの痛みなど忘れていた。
ただ、相手が巨体だからか?
自分はなんとか距離を縮められずに走れた。
そして前に…クマチャッピーが見える。



(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/21(Tue) 18:13[12393]
++ 雲   (ピクミン大王)…570回   

「なんだアレ…見た事無いやつだぞ?」
遠くのクマチャッピーが言った。
俺は目に入っていない。宇宙ウサギに目を奪われている。
「のあぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!」
叫ぶ。宇宙ウサギは叫びながら俺を追っかける。
そしてクマチャッピーにも睨みをきかす。
クマチャッピーは殺意を一瞬で悟り、その場を逃げた。
そうか…だから洞窟の近くは誰も寄らなかったのか…!!
「俺はどうすればいい…?どうすれば勝てるんだ…!!」
外敵に宇宙ウサギを倒させるという策はこれで消えた。
方法なんて無い。足も疲れた…限界だ…。





「どーなっちゃうのー?」
リリシアが、ウサギの縫いぐるみを引っ張りながらマリマーに聞いた。
「いやぁ、それがですね。私が『餌だ』と挑発したのが彼を奮起させたみたいです」
このキリングタイム…死の淵のゲーム。
そこでの餌。鳥についばまれたミミズと同じ。
逃げられる可能性は無い。その言葉は…一匹のヒーローを立ちあがらせることとなる。
「『餌じゃない。俺は生きてる』…そういった感情が…彼を動かした」






振り返った。
宇宙ウサギも止まる。
何倍もある大きさ…しかし、もう俺に恐怖は無い。
「のあああああああああああああああああ!!」
巨大な宇宙ウサギが、その拳を俺に振り下ろした。
「冷静になれ…冷静になるんだ…!!『2』ならそうした…俺はその上に行く!!一番になる…!!」
すぐ右に交わす。地面がえぐれて、隣が大きな堀になる。
それを見ると、俺はすぐさま大きな親玉ウサギの足元へと走る。距離は完全に詰まった。

親玉ウサギは小さな俺を蹴り飛ばそうと、もしくは踏み潰そうと足を振り上げた。
しかし落ち着いて交わす。
そして、股をくぐって、もう一度逃げる様に走り出した。
今ので…一度立ち止まったのでかなり体力が回復できた…
そしてさっき奴と向かい合った時に、俺は勝つ方法を一つ、見つけた。
そう、間欠炎。火が噴出す所。
この場所が…さっき一瞬火が吹いたのを俺は冷静に見逃さなかった。
奴に知能は無い。おれを追う事しか頭に無い。
だから…このまままっすぐ来れば…このタイミングなら燃える!!
「のっ…のぅああああああああああ!!!」
毛皮が燃えて、宇宙ウサギは大きな火達磨になった。
「この近くに水は無いぜ…。この周辺は平地だ。
『そういうところまで計算して逃げた』。ホラ、燃えな化け物」
火達磨は叫びながら、俺を掴んだ。
しかし俺は赤ピクミンだから燃えない。
奴には俺を握りつぶす力なんてもう無い。
終わった。
これで全部…終わったんだ。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/24(Fri) 02:37[12402]
++ 雲   (ピクミン大王)…571回   


「リリシア、長い話になってしまいましたね。ひと段落ついたし…少し休みましょうか」
…マリマーは、ひとしきり話し終えて…ふっ、と息を吐いた。
…だが、リリシアは首をかしげて言った。
「あーのーね、リリシア、ぜんぜん疲れないんだーよー?」
「…ああ、そうでしたね。私は…そういうことをしたんでしたね。では、続きをお話しましょうか」
「聴きたい!ヒーローの話聞きたい!
ねぇ、どうなったの?うさぎさん倒して、どうなったの?」
「…彼は、素晴らしい力を手に入れたんです。
身体の色は灰色になって、頭から爆弾を作れる能力を手に入れました。
まぁ、変わりに炎への耐性は無くなってしまいましたが…
彼はその爆弾の能力で、あの星に他にも居るウサギ以外の怪物を倒す決意をしたんです」
「次は?次はどんな怪物?」
「…そうですねぇ、じゃあ…次は…」

第一話 END

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/24(Fri) 21:50[12414]
++ 雲   (ピクミン大王)…572回   
これにて一話目が終了。次回は二話です。
かなり総集されてますけども、短くまとめてもマリマーはマリマーらしい奴だとわかりやすいですね。やっぱり。

こうして読み返してみると、昔は色々拙い部分が多かったです。今も多いですが。
それではこれからも宜しくお願いします。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/25(Sat) 01:52[12416]
++ 雲   (ピクミン大王)…573回   
第2話、「嘲笑う怪物達」



リリシアは、二つの飛行機の縫いぐるみをぶつけながら、マリマーの話を聴いていた。
「…恐怖を感じるっていうのは、色んな種類がありましてね」
リリシアはボッーと聞いていた。
「例えば、怪物に襲われることは恐怖です。
抵抗できず、蹂躙されるのは恐怖です。
…私は、そんな恐怖を感じる生物を見るのが大好きなんですが…」
マリマーは喋りながら、部屋にある人形を見渡す。
…その中のピエロの人形を指さした。
「例えばコレ。ピエロはおどけていて、ふざけていて、
人を楽しくさせる存在ですよね?でも、これがもし人をおそったりしたら…怖いでしょう?
それだったら、悪人みたいな悪人にただ殺されてしまった方が…
裏切られたという気分も無いからマシな筈だ。
つまり、生物は無意識に…シリアスな中で死ぬことを求めているんです。
死ぬ時は誰かに悲しまれたい。だから…
ふざけた相手にふざけた殺され方をされるのは御免なんですよ。
死は凄惨で、残酷であるべき。その状況を茶化したり汚されたりしたくはない。
だからこそ…私はそういうことをしたかったんです。
ふざけた者が、ふざけたことを言いながら、相手の死を嘲笑い…理不尽に、不条理に潰す。
そして、それに無抵抗にも生物達は…どんな足掻きも叶わず殺されていく。
そういうのが好きなんです…。だから、宇宙ウサギやこれから先に話す怪物たちは皆…嘲笑う」
「あざ…らわー?」
リリシアがそう言って首をかしげた。
「そう。死を、生を、命を、生き様を、運命を、覚悟を…
全て踏みつぶして、嘲笑う。それが私の生みだした怪物達。ヒーローが戦ってきた相手は皆、そういう怪物ばかり…当然、この私もね…」


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/29(Wed) 00:35[12421]
++ 雲   (ピクミン大王)…574回   


次の転送された場所はねむりの谷。
寒い。しかしこの新しい灰色の体表のおかげなのか、それ程ではない。
「ここにそのイチハラーが居るのか…?」
これは先程のキリングタイムじゃない。
外敵はさっきみたいにウジャウジャ居ないんだろうが、
それなりの数で居るだろう。
周りには赤ピクミンが3匹。
青ピクミンが4匹。
黄ピクミンが1匹だった。
さっきのキリングタイムでの、数少ない生存者達だ。
そして俺は…灰色。
とにかく、周りの奴等には伝えないといけない。
この戦いのことを。
「おい…みんな!!聞いてくれ!!
みんなは逃げている時にいきなりこんな所に急に転送されてびっくりしていると思うが…
キリングタイムの会場からは出たんだ!!キリングタイムは終わったんだ!!」
「…じゃあここはどこだ?」
青ピクミンの内の一匹が聞いた。
「俺は宇宙ウサギを倒した。
だからこうやって…脱出が出来た。
ここは会場でもなんでもない…だから晴れて自由だが、それは自由とはいわないんだ」
「どういうことだよ?」
その青ピクミンは再度質問する。
「こうやってキリングタイムじゃない場所に来たって…
ここは安全じゃない。ピクミンは…常に外敵から逃げないといけない…安全な場所は、この地上には無い」
「…何言ってるんだ?」
「安全な場所があるんだ。キリングタイムを提案した…
科学とかいう魔法が使えるマリマーって奴がいる。
ソイツはキリングタイムを簡単に作っちまう様に…なんでも出来る!!
俺たちが一生安全に生活できる場所をくれるんだ!!
ある仕事を成し遂げられれば…ある宇宙生物を倒せれば、それが出来るんだ!!」
全員が、見たことの無い灰色のピクミンの、俺の演説を聞いていた。
そしてそれを聞いて赤のピクミンの一匹が言った。
「信用出来ないな。お前の色は見たことが無い。
そのキリングタイムを作った奴の仲間かもしれない。
それに、宇宙生物を倒しても助かるという保障は無い。
しかも俺たちはキリングタイムで仲間を何匹も失った。そのマリマーは許せない」

赤ピクミンが2匹、青が3匹去っていった。
残ったのは、赤、青、黄。
一匹ずつの3匹しかいない。
「俺たちは…やってもいいぜ。」
黄が言った。
「じ、じ…自分も…信用します。このまま生きていても
いつ食べられるかわからないし…やらないよりはやりたいです」
赤も言った。
「常にビクビクと、食われないかな…
と生きているのが当たり前だと思ったのに…
嬉しいよ。こんな希望が出来て。あんたについてってやる」
仲間が…わずかに集まった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/ 2(Fri) 23:34[12425]
++ 新屋   (常連将軍)…970回   
クマとか顔かわいいけど超危険よな。
第2回の初めこんなんだったっけ?記憶がないけど。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 3/ 3(Sat) 22:54[12433]
++ 雲   (ピクミン大王)…575回   

一話終了時に書き忘れていたので明記。
調査書です。


ホコタテの怪物調査書
「宇宙ウサギ」
※元ネタ・ピクミン2
知能は低く、どんな危険な場所だろうと、獲物を追っている間だけはそれに気がつけない。
そのため、現在絶滅危惧種とされている。
食欲旺盛で満腹中枢が無く、目の前にあるのが何かも理解せず、とにかく噛み付く。
一度噛み付くと、首をもごうとも離す事は無い。
また、爪がとても頑丈な為、天井にへばりついたりも可能。
足も速く、天井や壁を素早く移動したりもできる。


「宇宙ウサビッチ」
元ネタ・ピクミン2
宇宙ウサギが突然変異で巨大化したもの。
移動は鈍くなったし、危険を察知できないのは変わらないまま。
しかしそれ意外は特化していて、特に爪の攻撃は真剣のような鋭さがある。
性格も宇宙ウサギより凶暴で、危険。

マリマーメモ
「見た目は可愛らしい姿のため、少し前は
ホコタテでもペットとして飼っていた方はいるのですが、
全員が全員、怪我もしくは死亡しています。
非常に馬鹿な生き方をしている様に見えますが、
実は危険なものに飛び込んでいくというより、
宇宙ウサギの場合は危険なものが少ないんです。
火が身体についても、素早く転がってすぐ消せるし、(巨大化したものは不可能ですが)
もの凄い威力の電撃を浴びても、身体の表面のみしか流れていきません。
そして極端な事を言えば、大気圏を突入する際に死なないのは宇宙ウサギくらいなんです。
まぁ、だから宇宙ウサギと呼ばれているんですがね。
学名はプーチン。異国ではキレネンコと呼ばれていたりしています。
ちなみに、宇宙ウサギや宇宙ウサビッチ特有の
「のあああああああ」
という鳴き声は、正確には鳴き声ではなく
口の中にある40本の長い触覚がこすれて出た音です。
実際の鳴き声は
「べそべそべそべそっ」
と鳴きます。これは雌を求める時にのみ使うとっておきの声らしいですよ。」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/ 7(Wed) 01:16[12437]
++ 新屋   (常連将軍)…971回   
あれ?宇宙ウサギだけはルーイの嘘を元に作った生物じゃあ。ペットって・・・
プーチンだったのね前はなかったな。

(EATcf-178p36.ppp15.odn.ne.jp).. 3/ 9(Fri) 15:10[12439]
++ 雲   (ピクミン大王)…576回   
新屋さん
感想ありがとうございます。
宇宙ウサギという生き物がもし居たらどんな生物だったんだろうか?というコンセプトでマリマーが作り出した怪物です。
マリマーがホコタテ星にも送り出したため、一般化しましたが、絶滅も糞もマリマーなら複製できるんですよね…。変な話ではありますが。
「ルーイのひみつ」って、けっこう見れるようになるまでの条件シビアですよね…。



(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/12(Mon) 14:01[12442]
++ 雲   (ピクミン大王)…577回   

「まったく…やってらんねぇぜ…」
灰ピクミンの言葉に背いた5匹が愚痴りながら去ってゆく。
「なぁ、でも…これからどうする?」
「とにかくこの近くにもオニヨンはあるだろ。サッサと合流すりゃあいいだけさ。」
しかし…近くの草むらから、何かが現れた。
…ホコタテ星人の様な2頭身体型。
しかしその体の表面は鉄で出来ていて、
あまり上手とは言えないカブリモノの様だった。
その姿は、全員同じ顔。
エプロンをつけて…家政婦みたいな、オバサンの顔である。
「ミ…ミ…ミタワヨォー…。」
カタコトの声でそう言った。
「なんだコイツ…気持ち悪いな…」
5匹は無視して歩いてくると、ソレは後ろをついてきた。
「ミタワヨォー!!ワタシ、ミタワヨォー!!」
これが、さっき言っていた宇宙生物なのだろうか?
だったら、一匹でも倒せそうな程に弱そうだった。
「…ちょっとウゼェな…殺すか。」
青ピクミンの一匹がそう言った。
「ワタシ…ミタワヨォー!!!」
オバサンの被りものをした生き物が叫ぶ。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/15(Thu) 04:31[12445]
++ 雲   (ピクミン大王)…578回   

「5匹程は仲間に加わらなかったみたいでした。
…しかしそこはイチハラーの縄張り…
似ても似つかない姿をしてはいますが…
ホコタテ星人の振りをして、捕食をしようとします。
宇宙ウサギとは比較にならない強さを持った、擬態も出来る怪物…」
マリマーの話を聞きながらリリシアはキャッキャと笑う。
「おふざけ!おふざけ!」
そう。ふざけている。
そんなふざけた敵が、今、恐ろしく脅威…



(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/17(Sat) 15:09[12448]
++ 雲   (ピクミン大王)…579回   
青ピクミンの一匹が振り向き様に殴った。
確かに表面は硬いが、すぐにピシピシとヒビが入る。
強度はそれほどでもないみたいで、ヒビだらけの顔になりながらイチハラーは数歩慌てて下がる。
「はるみ…ちゃあん?」
急に生々しい声になった。
おばさんの声。機械的な声じゃない。
「あ?誰だよはるみって…ふざけんなよ!!」
ゴォォォォォォン!!!
口がガパッと開き、何かの大きな超音波の音。
耳鳴りを超え、鼓膜が破れて眼球が破裂した。
「あ…ああ?真っ暗だ…何も聞こえない…。」
残りの四匹は急に、ふざけた格好のイチハラー相手でも恐怖を感じる。
カブリモノみたいな変装。意味の解らない言葉。
しかしそれ全てが不気味さをかもし出す。
「ごめんくださいませー…。」
イチハラーが近づいてくる。
一気に、こっちに走ってきた。
「はるみちゃあああああん!!!」
「うわ…逃げろ!!」
ピクミンの内の誰かのその言葉で、一斉に逃げる。
足は花ピクミンよりは少し遅い。
なんとか逃げ切れる様だった…しかし、この場が悪かった。
「はるみちゃん?」
「見たわよ…?」
「秋子…」
「ごめんくださいませー…」
「サトシ…」
周囲の草むらから、何匹ものイチハラーが現れた。
5匹…6匹。
どうするか相談する暇も無く、場の全員が一瞬で超音波を食らって殺された。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/20(Tue) 01:32[12459]
++ 雲   (ピクミン大王)…580回   



「悲鳴?」
灰ピクミンが、悲鳴を聞いて走り出した。
ほかの三匹もそれに続く。
そこには5つのピクミンの死体と、6匹のイチハラーが居た。
「みんな離れろ!!俺が片付ける!!」
ほかの三匹が、灰の言うとおりに離れた。
頭から粘液を出して丸めて、しばらくすると固まって爆弾岩になった。
持ったまま、イチハラーに目掛けて投げつける。
「やられろぉぉぉぉおぉぉ!!!!」
爆発を起こしたが、それは大きなものではなく、イチハラー一匹の頭を吹っ飛ばすだけの小規模なものだった。
「くそっ…あんまり大きい爆破じゃないな…」
イチハラー一匹の頭が割れて中からぐちゃぐちゃになった、赤く染まっている頭が飛び出した。
それはイチハラーの変装していた外郭の中のモノで、ぐちゃぐちゃで解らなかったがおそらくその顔は「猫」みたいだった。
…今まで敵意の無かったイチハラー全員の顔が、急に歪む。
「みたわよぉ…!!私、見たわよ…!!」
5匹のイチハラーが声を合わせて言った。
今度は感情がこもっている。
「猫が進化したのか…?宇宙ウサギがウサギの進化体だったと考えれば…
猫が歩ける様になって、やがて人に化ける様になったのか…?」
グォォォォオオオオオオオオオオン!!!
5匹のイチハラーが囲んで超音波を発した。
灰の体表が揺れ、ベキベキと割れて血が噴出す。
「これは…超音波?あの死体が眼球を破壊されて死んでいる…という事は…」
この一撃。灰の体表でなかったら衝撃は鼓膜から目まで破壊し、脳を揺すって殺されていただろう。
それを、この灰の体表は衝撃を吸収して守った。
しかしその衝撃に完全には耐えられず…少し皮膚が裂けた。
これが爆破衝撃でないから少し食らってしまったが…
確かに爆破を無効化するということは、衝撃を軽減できるという事でもある。
「もし…また超音波を食らったら…!!」
次食らったら裂けた皮膚の傷口は更に裂けて…体表は守りきれずに鼓膜を破り、眼球から脳まで破壊される…!!
また、イチハラーが息を吸い始める。
音波が来る。

「うわぁぁぁぁ!!」
叫ぶ。そうしながら頭を絞り、爆弾を作る。
しかし、作れて一つ。
イチハラー全員を破壊する事はできない。
「これでどうだぁぁぁぁあ!!!」
爆弾を足元に投げて、自分が爆風で真上に飛んだ。
高く飛び上がり、空中で更に爆破。5メートル先に着地する。
「みんな!!逃げるぞ!!」
赤青黄の三匹と一緒に、走る。
後ろからイチハラーが5匹、追いかけてくるがあまり足は速くない。
逃げ切れる…しかし、それは勝ちではない!!
「どうすんだ灰色!」
黄に聞かれた。
「…とりあえず、逃げる!!」
やつらの動きはマリマーから貰ったレーダーで見れた。
この谷の全体が確認できて、そこにある光る点がイチハラー達の位置だ。
5匹は、追いつけないのを解ると、別の場所に向かった。
「…この場所が…奴等の隠れ家か?」


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/20(Tue) 16:25[12472]
++ 雲   (ピクミン大王)…581回   


対怪生物用特殊兵器その1
「ホコタテ無線爆弾」
ミッション中のピクミンの頭に埋め込まれている爆弾。
転送された場所をある程度はなれると自動で爆破する。
そのために逃げる事は出来ない。
しかし、それ以外ならどんな衝撃を与えても爆破する事は無く、
爆破範囲もピクミンの頭を破壊するまでに留まる。
マリマーからの言葉を受信する機能もあるし、その間はこっちの言葉を向こうに伝える事も可能だが、
埋め込まれている側は好きな時にマリマーにメッセージを送れるという事は無い。
ちなみにマリマーの独断で爆破をさせる事も可能ではある。
それと、ピクミンは命令に従ってしまう習性を持つにも関わらずこんな事をする必要は無い様に思えるので、
やはり最大の目的は無線としての機能なのだろう。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/21(Wed) 20:58[12476]
++ 雲   (ピクミン大王)…582回   

対怪生物用特殊兵器その2
「ホコタテレーダー」
転送された場所の地形や生物反応を確認できる小型レーダー。
人数分用意されていて、腰にベルトの様に巻きつけるのも可能なので、手が塞がらない。
画面を見ればどこに誰がいるか生命反応を探知して、場所を赤い点などで示す。
そこを押すと敵の名前まで表示される。
頭に埋め込まれた爆弾は転送された場所をあまりに離れると爆破されるが、
レーダーが表示しているのはその区域内のみなので、移動範囲も知れる。
制限時間も画面に表示されていて、その時間内に倒さなければペナルティも受けるらしい。
一人一つ支給されるのはありがたいが、破損した場合に変えは用意されていない。





(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/23(Fri) 16:09[12486]
++ 雲   (ピクミン大王)…583回   


そのレーダーが指す、イチハラーが向かっている場所に、他のイチハラーが10匹くらいいる。
合計、15匹。
「…行ってくる。お前たちは待っててくれ。」
「まてよ灰色。お前だけ頑張ってるんじゃあ世話無いぜ。俺も行くよ。」
黄ピクミンが声をかける。
「…。でも、戦えるのか?」
「お前の爆弾をくれ。投げつけるくらいなら出来る。」
全員に爆弾岩を持たせた。
「それは…投げるか衝撃で爆発する。
俺は爆発を食らっても大丈夫だけど
お前たちには危険なものだ。扱いには気をつけてくれ。」
一匹に二つ持たせた。片手にひとつずつ。
「行くぞ…対決だ!!」
雪の積もらぬ岩の上、イチハラーは15匹で意味のわからぬ言葉を話し合っていた。
「はるみ…ちゃあん!!」
「ごめんくださいませー!!」
そこに、灰ピクミンが走って向かってくる。
「くそっ…誰だよはるみちゃんって…ふざけてやがる…!!」
そして、一匹で全員の真ん中に立った。
その手には、爆弾が両手に沢山持たれていた。
全イチハラーがこっちを向く。
そして、近づいて息を吸い始めた。
「大丈夫だ…!!俺は大丈夫だ…!神様…神様…!!」
灰はそう自分に言い聞かせた。
そして周囲のしげみから爆弾が投げ飛ばされる。
3匹の仲間が、同時に投げてくれたのだ。
そのすべては灰まで飛んで行き、爆破した。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/24(Sat) 19:49[12500]
++ 新屋   (常連将軍)…973回   
スクロールしてたらあそこがフゥゥォォォオオオオオオオーンッ!に見えてしまった。
今回は速く進んだと思ったらそこまで変わらなかった。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 3/24(Sat) 23:21[12502]
++ 雲   (ピクミン大王)…584回   

そしてその爆破によって連鎖的に爆破し、大爆発を起こした。
灰の皮膚は爆発は効かない体表なので真上に吹っ飛び、
粉々になってゆく15のイチハラーを見ながら着地した。
「やった…やったぞ!!」
しかし、その岩が急にグラッと傾く。
岩の下から、宇宙ウサギのボスくらいの大きさの、巨大な二匹のイチハラーが出てきた。
「イチハラーの…ボスか?」
しかし、格好は家政婦ではなく、キラキラしたハッピと蝶ネクタイだった。
そして両方共眼鏡をかけている。
「ドーモー、タイアップデース!!」
「イヤー、マーガンバッテイカナアカンナー、トオモウンデスワー。」
二匹が意味のわからない事を言い出した。
ここらへんはイチハラーとやはり同じだ。
「…こんなデカイのが…さっきの超音波を出したら…!!」
灰は怖くなって茎を搾り、爆弾を急いで作って両手に持った。
「ジツハワタシー、
ガッコウノセンセイニナリタイカラチョットヤッテミヨウヤー」
「ジャアオレガセンセイヤルワ」
「ナンデオマエヤネン!!」
二匹の巨大イチハラーが意味のわからないことを言う。
「しねっ!!!」
爆弾を口へ投げ込むと、頭が爆発して、二匹とも
「ア…アタマガパーン!!」
と言いながら倒れた。
「やった…!!」
三匹の仲間がこっちに駆けてきた。
灰ピクミンは…転送されて三匹と共にホコタテに帰っていく。
自分の生きる場所を、見つけた気がした。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/26(Mon) 13:35[12514]
++ 雲   (ピクミン大王)…585回   


ホコタテの怪物調査書
「イチハラー」
元ネタ・お答え出来ません
猫が二足歩行になり、そこから更に進化した存在。
人の言葉を覚えたものの、それをどう使って話せばいいのかわからないらしい。
ホコタテ星人になりすますため、鉄を集めてカブリモノを作るのだが、
その時点で歯は鉄を自在に砕くのが可能だとわかる。
何故か作るホコタテ星人は全ておばさんで、しかも全て同じ顔である。
これは同種族なのにその確認が取れないので形を統一しているとも考えられるが、
詳しいことはほとんどわかっていない。
超音波を発して生物を内部から破壊する、といった攻撃をしてくる。
しかしこれは狩りのためのものではなく、ただの威嚇らしいのだが、本人は気がついていない。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/26(Mon) 19:37[12518]
++ 雲   (ピクミン大王)…586回   



「キングイチハラー」
イチハラーの巨大化したもの。
超音波を発することもなく、二匹で一組になり、ただ会話のようなものをする。
基本的に害はなく、襲われる事もない。
狩りはしなくとも、手下のイチハラーが何とかしてくれるらしい。

マリマーメモ
「家政婦の格好が多いですが、
これは、もしかしたら最初に進化した猫の飼い主だったのかもしれませんね。
いや、もしかしたらテレビを見ていて、それを真似たのか…?
詳しい事はわかりませんね。本当に謎が多い生物です。
そういえば、テレビで似たようなのを見たような…?まぁ、いいでしょう。
イチハラーはメスの数が多く、オスの数が少ないらしいです。
そのオスが、稀にキングイチハラーになるようですよ。
しかし、キングイチハラーが群れに一匹しか居ないと、言葉は一切発さないみたいです。
これについても詳しくは解っていません。
ちなみに、イチハラーの学名は『エーツコ』。地方では「ショーチシマシタ」とも呼ばれています。
意外に凶暴性は無いみたいです。まだ、ホコタテ星で確認された発見率は40%と有名です。」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/27(Tue) 21:43[12520]
++ 雲   (ピクミン大王)…587回   

第3話、「偽りの世界」



リリシアと、マリマーの「お話」はまだ続く。
「いちはらぁは死んじゃーったのー?しんじゃた!死んじゃ!」
「はい。ヒーローと、三匹の仲間が残りました。三匹の仲間は…ヒーローの爆弾の能力と同じく、
特殊な能力を手にいれました。今までの色を捨て…、一匹は黒色に。一匹は水色に。一匹は茶色に」
「ヒーロー、いっぱい!すごい!すごい!」
「…いえ、すごくなんかありません。次の相手は…4匹居ても、苦戦を強いられるだろう…強敵ですから」
「そんなーにー強いのー!?」
「はい。ふざけた姿。ふざけた言動で…しかも、イチハラーの数倍も凶暴な敵でした。
しかもそれだけではない…奴等は偽っていたのです。
その姿を…言葉を…存在を。そして…彼らを転送し、戦わせていた者も、それを偽っていた」
「んー?どゆことなの?」
「…おや」
マリマーが上を見上げ、呟く。

「世界が…また一周したようですね」

何か、変化したとしても、その世界の住人には気が付けないだろう。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/28(Wed) 17:02[12524]
++ 新屋   (常連将軍)…975回   
あれほんとに害なかったの。
しらじらしい。ちょ、ネタ追加されてるよ
次あれだったかな・・・間にあったかなぁ

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 3/29(Thu) 21:19[12525]
++ 雲   (ピクミン大王)…588回   

その、転送される予定の場所は望みの大地だった。
そこには扇の様な翼を両側に生やした、チャッピーくらいの大きさの気持ち悪い巨大な目玉が浮いていた。
「ふあっきしごぼあっ!!ふあっきしごぼあっ!!」
真っ白い球体のその中にまた目が正面に一つ、小さく付いていて、
その白目は真っ赤に充血し、その理解しがたい言葉と共に血液を白目から噴射した。
頭の天辺には絆創膏が何のオシャレなのか貼ってあって、その上には黄色い天使の輪が…重力を無視して浮いている。
その紅葉の景色の中、浮いている気味の悪い化け物に、タマコキンが二匹近寄ってきた。
「なんだ…お前?どこのモンだ?」
「ここは俺の縄張りなんだよ…死んでもらうぜ。」
タマコキンはギロリと睨んで威嚇した。
「ふあっきしごぼあっ!!ふあっきしごぼあっ!!」
しかし臆する事なく、その化け物は扇の様な形の羽根を二回、バサバサと振って、その言葉を叫んだ。
白い羽根で、先だけ赤かった。
「舐めてんのか?殺すぞ!!」

「『マル、ニ』じゃない。」

化け物の、タマコキンの発言を明らかに無視した言葉だが、その意味が解らない。
「はぁ?」
「『オー、ツー』じゃない。『サンソ』が、正しい。…ふあっきしごぼあっ!!」
また叫んだ。すると、再び真っ赤な白目から血液が噴射され、タマコキンの身体にかかった。
「げっ…これ…」
タマコキンはその体液によって、一瞬で全身が一気に溶けて、ドロドロになった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/30(Fri) 16:51[12528]
++ 新屋   (常連将軍)…976回   
やっぱ一つくらい間あったか。でもナイトメアはどこだったかなー・・・
タマコキンの顔とぼけてるけどね・・・それこそふざけてる姿。
いまだふあっきしごぼおの元がわからないんだが・・・

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 3/30(Fri) 22:18[12529]
++ 雲   (ピクミン大王)…589回   
新屋さん
感想ありがとうございました。
サンソベアード編、前やった時は一番盛り上がった所ですね。
確かにタマコキンってふざけた姿してますよね…。
あんなふざけた姿している奴が塔の上から攻撃してきて、
ゲームやってるときによく苦労したのを覚えています。
まぁ、一番ふざけた姿なのはピクミンですよね…あんなに小さい生き物なのに強くて、巨大な怪物も倒してしまう…。
敵からしたらたまったもんじゃないかもしれませんね。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/31(Sat) 14:32[12532]
++ 雲   (ピクミン大王)…590回   



4匹の黒、水、灰、茶ピクミンが転送された。
黒ピクミンが望みの大地である事に気が付く。
「この紅葉…望みの大地か。」
「ここは強い奴が多い。そのサンソベアードとかいうのが本当に強いんなら、
ここの一般外敵が強いのをマリマーは知っていて、ソイツ等に時間稼ぎさせようって事だろう。」
灰はそう言い終えた時、自分の体がさっきまで超音波で
ヒビ割れていたのに、復元されているのが解った。
「転送する際に、回復も出来るのか…?」
現代のホコタテの科学はかなり進んでいるらしい。
ここはどうやら林だ。
地面に大量に落ちている落ち葉をカサカサと踏みしめながら、4匹は歩いた。
「おーい!!」
遠くから、狩りをしていたと思われる何かの死体を運んでいる青ピクミンの10匹くらいの団体が来た。
現地のピクミンらしい。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/31(Sat) 22:50[12536]
++ 雲   (ピクミン大王)…591回   

「お前たち…変わったピクミンだな。まぁいいや。
さっきこんな珍しい生物を殺したんだけど…
お前たちこの辺の生き物?コレ、何か知ってる?」
4匹が覗き込む。
その生物はホコタテ星人には見えないが、人の形だった。
赤い、パーティで被るみたいな三角帽子を被って、
ハンマーを持っている太った唇の厚い、青い生き物だった。
「なんだこれ…これがサンソベアードか?」
灰がレーダーを確認する。確かにこれは宇宙怪物だが、サンソベアードではないらしい。
しかし、殺すべき存在に変わりはない。
レーダーに名前が表示された。隣で覗き込んでいた水色が言った。
「なんだ?『DDD』って名前なのかコイツ…
でももう死んでるんだよな?」
「いや…レーダーが反応してるって事は…生きてる!みんな離れろ!!」
爆弾を絞りだした。
青10匹が離れると、灰はその大きな口の中に爆弾を突っ込む。すると急にDDDは目を見開いた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/ 2(Mon) 22:17[12541]
++ 雲   (ピクミン大王)…592回   

「しーにたーくないゾイ!!
エスカルゴン!!許さんゾイ!!ぬぁぁぁぁぁ!!」
頭が爆発を起こし、脳や血液がぶっ飛んだ。
「生きてやがったのか…でも、これで安心だな!!」
水色がホッと一息ついた。
…しかし、そのDDDの腹がメキメキメキッとパックリ上下に割れて、そこから真っ黒いゴワゴワした黒い球体が現れた。
それはDDDごと宙に浮き、DDDの腹から完全に出ない状態で黒玉は更に小さく切れ込みが入り、
そこから一つ、目玉を見せた。
「なんだコレ…イチハラーみたいにカブリモノか?中の奴が敵なのか?」
灰は、何度会ってもやはり慣れない。それが宇宙怪物。化け物。まさにそうだった。
DDDの身体全体を裂き、真っ黒な球体が姿を現す。
いや、正確にはこの球体がDDDだ。
中心に大きな目玉があり、それだけがあり、
ギロリとこちらに向けた。
「この…マザコンどもめ!!」
まともな知能が無く、変な言葉を言うのはいつも通りだ。



(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/ 5(Thu) 23:06[12545]
++ 雲   (ピクミン大王)…593回   



「…どうするよ、誰が倒す?」
黒が見回す。周りは自分の力がどういうものか大体感覚で解るが、
初めてで不安のため、言えなかった。
「…俺がやる。」
灰が名乗り出る。
「なんだアイツ…ピクミンのくせに一人でやんのか?」
青ピクミンの一匹が言った。
しかしそれを聞いていた水色が笑い出す。
「ひゃはっ!!お前たち、何にも知んねーの?」
青10匹が全員こっちを向いた。
「どういう事だよ。」
「…見てな。コイツ、マジで強いんだからよ。」




(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/12(Thu) 03:37[12547]
++ 雲   (ピクミン大王)…594回   


DDDが強力な電撃を、すぐ前の灰に一直線に飛ばした。
素早い攻撃だったが、灰はひらりと交わす。
「おせぇ!!ぜんぜん見切れるぞ雑魚野郎!!」
茎を搾って爆弾を投げ、その動きには無駄が無く、一撃で当てた。
DDDは爆発をモロに食らい、球体の中の、
血肉や圧縮された臓器が弾けてボトボトと汚く落ちた。
「よっしゃ!!」
灰は後ろで呆然と驚いている青ピクミン達を見て、えらく優越感を感じた。
しかし、その次の瞬間、奇妙な視線を感じる。
右から、左から。
二つの方向から声がした。
「このシスコンどもめ…」
「この!ロリコンどもめ!!」
ベレー帽を被った女の子。
そして生首だけの一つ目小僧が左右から現れた。
どちらもさっきのDDDと同じ声。喋り方だった。
中には多分、あの真っ黒い球体が入っている。

ベレー帽の方は筆を持っていた。
そしてある程度近づくと持っていた筆で、地面に絵を一瞬で書いた。

目玉のついた雲を書くと、それはベリベリベリッと剥がれて実体化した。
雲はその身体からトゲを出し、勢い良く突進してきた。
「下がってろ。コイツ等も…俺の獲物だ!!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/14(Sat) 03:00[12550]
++ 雲   (ピクミン大王)…595回   



灰は爆弾を投げつけ、雲の化け物に一発で当てた。
爆発の範囲は狭いが、当たれば威力は高い。
雲の破片が周囲に飛び、やはり気持ちの悪いピンク色の臓器や内臓がブチ撒けられる。
そのまま灰ピクミンは突進し、ベレー帽の女の子の姿をしたDDDに爆弾を持ったまま体当たりした。
あまりに早く、DDDは
「このっ…シスコ…ぶへっ!!」
と言いながらベレー帽の彼女はバラバラにぶっ飛んで、中のDDDが外側のカブリモノを捨てて飛び出す。
しかし、その直後爆風の中から灰が飛び出し、爆弾を抱えてまた黒い球体、DDDにぶつかっていった。
共に爆発し、煙の中から灰だけが出てきた。
灰の体表は爆発の衝撃を吸収する。つまり、一緒に突っ込んでいけば死ぬのはDDDのみ。
爆風が晴れると、そこにはDDDだった汚い臓器が散乱しているだけだった。
「…すげぇ。」
青ピクミン達が口をそろえて言った。
ピクミン達が大勢でかかる様な相手を、急に二匹も撃破してみせたのだ。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/14(Sat) 18:35[12553]
++ 雲   (ピクミン大王)…596回   
対怪生物用特殊兵器その3
「ホコタテ転送装置」
生物や物質を、ホコタテ星から別の星に一瞬で転送する。
別の星の生物や物質を、ホコタテ星に飛ばす事も可能。
その際、その物質の形状を多少歪ませられるので、
応用すると生物の負傷を消したりもできる。

ホコタテ星に、別の惑星からミサイルが発射された時などに、
マリマーは自分の作ったこの兵器を使って何度も危機を救っている。
ちなみにこの兵器の構造などはマリマーが管理しているので不明。
転送範囲は全宇宙。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/16(Mon) 02:06[12569]
++ 雲   (ピクミン大王)…597回   

遂に、最後のオレンジ色をした一つ目が灰の方にポテポテと歩いて来た。
頭に数本のみの毛。手足が頭についていて、それは瘤みたいに丸く、
指もない塊が耳あたりに手の役割みたく、エラのあたりに足みたいについているだけだった。
「俺は隊長!!このロリコンどもめ!!」
大きな丸い瞳を輝かせながら言った。
「…コイツも…やってやる!!」
灰がもう一度爆弾を持った。
そして投げつける。しかし、そう何度も上手くはいかずに、
目から発射された孤を描く光線によって、それは届かず撃ち落とされ、途中で爆発した。
爆破範囲は広くない。確実にぶつけないと、その爆撃は奴にダメージを与えないだろう。
「ちっ…めんどくせぇ…」
相手から攻撃してくれば、それを交わして爆弾を投げれる。
しかし、相手は攻撃してくるまでジッとその大きな瞳でただ見てくるのだ。
下手に近づけば避けられる自信はない。
灰の動きをさっきのやられた二体から掴み、それに合った攻撃をしているのだ。
言っている事はめちゃくちゃとはいえ、あながち馬鹿ではないらしい。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/17(Tue) 23:27[12575]
++ 雲   (ピクミン大王)…598回   


「ぬあああああ!!!」
ずっと無口だった茶が、急に近くの大岩を持ち上げた。
「どうやらこの体…重いものを持つのに適しているらしい。
いや、正確には紫の様に力持ちではなく、岩石や土の重さを操れる様だ。…いいか?」
DDDは、灰しか見ていない。
…チャンスだ。
「よし、やってくれ!!」
岩はブン投げられて、DDDの真上で重くなり、首だけ一つ目小僧はグシャッと潰れた。
そしてその寸前、中からDDDの本体、黒い球体が現れるはずだったのだが、少し違かった。
そこに出てきたのは黒というよりは藍色で目玉が二つの球体。
口もあり、長い舌をベロンと出して笑った。
「俺も同じ種族なんだぜ?こーのぉ…」
長い舌をベロンベロンと伸ばして、カブリモノを破壊した目の前の大岩に巻きつかせ、体内に取り込んだ。
すると急に身体が石化し始め、周囲の岩と同化して消えた。
「…なんだアイツ…隠れたつもりか?」
灰が試しに爆弾を投げると、爆発して岩は砕け、目のついた石は粉々になった。
「すげぇ…全員倒したぞ!!」
「お前たちすげぇよ!!本当にピクミンか?ファンタジッキ・フォーだっけ?それか?」
青達が歓声を送る。灰はちょっと照れたが、嫌じゃなかった。
「…この死体の山…全部お前たちのオニヨンに持っていっていいぞ。」
「え?いいのか?じゃあお前たちに着いてくよ。どうせこの林の奥に居る化け物も倒すんだろ?」






(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/19(Thu) 21:07[12577]
++ 雲   (ピクミン大王)…599回   

「…居るのか、まだ…」
そうだ。ここに居る奴らはまだ親玉じゃない。
ボスはこの奥だ。
「…じゃあ行くぞ。」
灰は颯爽と向かった。
始めの頃は目立たなかった彼も、今では成長し、強くなっていた。
「なんか…アレみたいだよね。」
水色が黒に、灰を指差して言った。
「アレってなんだ?」
「ホラ、初期は穴掘り男の邪魔してた、白くて爆弾投げる奴。
知らない?なんとかマンだったんだよねー。ボムマンじゃなくてさ…」
「…お前って…こんな時に能天気だなあ…」
林の奥。白い球体がウロウロ浮遊していた。
レーダーを確認すると、名を「サンソベアード」と表示されていた。
「…コイツか…!!」
扇の様な羽根をつけた。白い球体。中心には点の様な黒く小さい目が二つと、真っ赤な裂けた

口があった。
ピクミン達の事など目に入っていないみたいに、サンソベアードは風に身を任せてただよって

いた。
「なんだよ…目玉だけの奴かと思ったら…可愛い顔じゃね?」
水色がゲラゲラと笑った。確かに緊張感の無い顔だ。
「…これなら俺たちでも倒せそうだなっ!!」
青達の中の誰かが言った。
灰が気にする事なく近づいていく。
「…俺がやっていいんだな?全部やっつけるぞ!!?」
灰は格好つけたが、少し恥ずかしそうだった。
しかし青達はもう見世物を見ているみたく、
「よっしゃー!!やれ!灰色!!」
「ソイツもブチ殺せぇぇぇぇ!!」
と、見学者の無責任な応援を送る。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/21(Sat) 01:34[12580]
++ 雲   (ピクミンの神)…600回   

灰が爆弾も持ち、ただ浮いているサンソベアードに思いっきり投げつけた。
「うりゃぁぁぁぁぁ!!」
サンソベアードにぶつかり、爆発した。血が四方に飛び、煙に包まれる。
「…やったか?」
青の中の誰かが本気で心配して言った。
確かにボスだが、それが強いという訳じゃない。
現にイチハラーのボスは弱かった。
灰は、そういう意味で安心感があり、満足げに煙が晴れるのを待った。
「…『オーツー』ではない…サンソだ。」
煙から、口の端の白い肉皮が5センチくらい持ってかれ、ピンク色のギッチリ詰められた臓器

を覗かせたサンソベアードが現れ、そう言った。
「バラバラになってねぇな…コイツ…すげぇ頑丈だぞ!!」
「リボンむかつく!!リボンむかつく!!」
黒い小さな点みたいな目玉が消えた。
そして口と思われていた部分に黒目が現れ、真っ赤な口が、赤い白目だと解った。
言っている事は解らないが、むかついているのは解る。
「リボンむかつく!!マジでリボンむかつく!!」
体表のはがれた口の端改め、一つ目の端から、真っ赤な血を噴射させた。
血は目玉からよりも発射口が大きいためか、
近くには散らばらずに遠くへと拡散し、青の一匹の頭にかかった。
「おい…特殊色!俺に血かかったぜ!!」
慌てて血を手の甲で拭いた。しかしドロリと大きく何かが手の甲につく。
「…なんだ?こりゃあ…」
手には、トロトロした青い液体がついていた。
デコから上がドロドロになっていて、脳がずるりと落ちる。
「…これ…もしかして…俺の皮膚?」
青いドロドロを見て呟き、その場にバタッと倒れた。
その後の彼の体は溶けていき、もう首はただの液体と化した。
「おっ…おい!!なにやってんだよ特殊色ども!!
この血、溶けるぞ!!死んじまったじゃねぇかよぉぉぉぉぉ!!!」
隣に居た青が叫んだ。
周囲の青も、それを見て一気にブーイングする。
「んな…もうちょっと離れてりゃあいいだろうが!!」
灰が「うるさい」とばかりに振り向いて叫んだ。
その時、サンソベアードの頭の黄色い輪が、ギリギリ…と音を立てて少し回り、それと同時に

破壊された皮膚が再生していった。
「リボンむかつく!!マジでむかつく!!」
目玉から血を、灰に噴射した。
「うおっ!あぶねぇ!!」
向きなおし、間一髪で灰はその血を交わした。
地面が溶けている…やはりこの血液に触れるのはヤバい。
「みんな!!全力で離れろ!!やっぱり俺がやるしかない!!」
残りの青9匹は一気に離れた。
水色や黒も離れる。
「…俺もやろうか?」
茶が大岩を担ぎながら聞いた。
「…頼む。だが、気をつけてくれよ。」


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/22(Sun) 04:15[12583]
++ 雲   (ピクミンの神)…601回   

灰も爆弾を両手に構えた。
そして、噴射してくる血液を交わしながら、攻撃のチャンスを待つ。
「リボンむかつく!!!」
「黙れ目玉野郎がぁぁぁぁ!!!」
灰は爆弾をもう一度投げつける。
動き回っているので爆発の煙はすぐに晴れた。
眼球のすぐ下が爆発で破壊され、詰まっていた腸が垂れ下がった。
「やっぱ…ちょっとしか食らわないのかよ…!!」
「見ろ!灰…アイツ、最初に攻撃した…目の端のダメージがいつの間に回復してるぞ!!」
茶が岩を担ぎながら血液から逃げながら、言った。
「あれ…本当だ。」
「たまには、マザコンもいいよね!!」
そう言うと、また頭の上を浮いている、黄色い天使の輪みたいなのがギギギギ…と鳴りながら回った。
するとまた破壊された眼球のすぐ下の、飛び散った臓器が集まって再生し、
白い綺麗な、つるんとした表皮に完全再生して戻った。
「…たまにはいいよね!!いいよね!!」
「…再生すんのか…コイツ…!!」


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/22(Sun) 22:28[12586]
++ 新屋   (常連将軍)…979回   
おや、たぶん少し変わった。なんで映画ほかを知ってるのか、そんなことはどうでもいい!
(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 4/24(Tue) 21:44[12589]
++ 雲   (ピクミンの神)…602回   

灰も茶も、頭の輪がその源だとは思わなかった。
サンソベアードは血の噴射攻撃をやめない。
「…まかせろ!!」
茶が思い立って、大岩をブン投げた。
ガツンッ!!と赤い白目の、目玉の中心にぶつかって、血が更に噴出して岩がドロドロになる。
それと同時に茶は真下に滑り込んで、思いっきり殴った。
「ふあっきしごぼあっ!!」
それで更に血を吹いた。
しかし岩で傷ついた眼球もすぐに再生し、やはり意味が無い。
「…勝てないのかよ…!!」
二匹ともどうして再生するのか、理由が解らない。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/27(Fri) 03:40[12593]
++ 雲   (ピクミンの神)…603回   

「奴は異常に再生するのが早いんだ…つまり、完膚なきまでにコナゴナにしないと駄目だ…」
しかし、そこで異常な事態が起きた。
灰と茶がさほど脅威でないと解ると、数の多い青達の方が危険ではないのかと思ったのだろう。
「…兄貴とはなんの関係もないぞ!!ヘイ!ヘイ!」
そう言って、急に加速し、空を華麗に飛びながら、サンソベアードは逃げていった青達に向かった。
「…ちょっと待て!!…くそ!追うぞ!」
灰と茶は全速力で走って追いかける。しかしサンソベアードは流石親玉といったところ。
その速さはギリギリ追いつけない。
「届けぇぇぇぇぇ!!」
爆弾をその真っ白い背中に投げた。
爆発し、皮膚が破れて臓器が飛び散る。逆に追っているこっちに血が飛んで追うのが面倒になり、意味は無かった。
「さむい、たかい、こわいだす!!」
黄色い輪がギギギギ…と車のハンドルみたいに回り、それと同時に傷はすぐ回復した。
飛び散った臓器も逆回し再生みたいに元に戻る。
やがて、遠くで待っていた青達に追いついた。
そこには黒も居た。
「たまには…いいよね!!」
サンソベアードは目玉から血を噴射し、青達が気がつくよりも先に一匹をドロドロに変えた。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
「なんとかすんじゃ無かったのかよぉぉぉぉ!!」
他の八匹の青が驚きながら、逃げた。
しかしサンソベアードはそれより早く、ただ一直線に逃げる者など格好の標的だった。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/28(Sat) 15:33[12596]
++ 雲   (ピクミンの神)…604回   

「たまにはいいよね!!」
更に、二匹がドロドロになった。
残りの六匹が悲鳴をあげる。
灰と茶がようやく追いついたが、どう攻撃すればいいのか解らない。
「くそ…大きい爆弾で粉みじんにしたくても作るのに時間がかかる…しかも、青達も巻き込む…どうすれば…!!」 
そんな絶対絶命の状況の時、急に奇跡が起きた。
木の上で育っていた松ぼっくりが、急に落ちてきたのだ。
その木の上には水色が居て、ガッツポーズをしていた。
「俺の手のひら…壁とか木とかになんでもくっついてひょいひょい登れるみたい。
だからこのデッカイ木の実、何度も叩いて落としてやったぜ!!どうだ?すっげーだろ?」
頭に落ち、松ぼっくりが黄色い輪を破壊し、ガラスみたいに砕けて、頭に貼っていた絆創膏の上にズシン!!と乗った。
浮遊していたサンソベアードは重みで地面に落ち、松ぼっくりはその衝撃でサンソベアードの上からなだれ落ち、地面を転がった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 4/29(Sun) 17:40[12601]
++ 雲   (ピクミンの神)…605回   


落下したサンソベアードが空にまた飛ぼうと羽根をバサバサしたが、そこをすかさず六匹の青が囲んでボッコボコに殴る。
そのせいで地面に押さえつけられ、身動きがとれない。
羽は毟られて白い体は痣だらけになったが、輪が破壊されたので再生はしなかった。
「…なんか、再生しないぞ?」
灰は疑問に思ったが、まあ良かった。
とにかくそんな事より、再生しない今のうちに攻撃が必要だと思い、
爆弾を今度は液を大量に出して、とびきり大きいのを作ってまるめた。
もはや持てないが、転がしてベアードの前に置いて、青は全員離れる。
やがて、大きな爆発でサンソベアードが破裂し、臓器が雨の様にその周囲に飛び散って、血が地面を溶かした。
「…終わったな…」
「わさび、大好き!!」
煙の中から声がした。サンソベアードが、ピンピンしているみたいに楽しそうな声で言っているのが、場の全員に聞こえた。
「嘘だろ…?」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 1(Tue) 16:43[12605]
++ 雲   (ピクミンの神)…606回   

煙の中から、緑色の触手が何本も、ウジュルウジュルと緑色の煙を吐き出しながら出てきた。
それはまるで山葵。ワサビの様な形で、その触手は場のピクミン達を襲った。
「うわぁぁぁああああ!!」
逃げ遅れた青が掴まり、ワサビに巻きつかれて緑の煙を浴びせられる。
するとその青ピクミンは溶けてしまい、ドロドロになって、すぐに触手に吸収された。
「たまには、ワサビもいいよね!!ワサビーム!!」
「ふざけんなよ…!」
灰は爆弾をその触手が出てくる中心に投げ込むと、
「びぃえあぁぁぁぁぁああああ!!!」
と叫んで、触手は動かなくなってしまった。
「…はぁ…はぁ…はぁ…倒したぞ!!あの化け物!!ボス!俺がやったんだ!!」
…その時、灰の心臓が、どくん、どくん、と脈打つ。
なんなのかはわからないが…なにか、異変を感じた。
「なんだ…この感じ…なんか…おかしくないか…?」
気分が悪い。というより…何かがおかしい。
自分は、たしか…前にもこの状況に出くわしている。
「…えっと…なんだ?この後…頭に埋め込まれた機械が…『お疲れ様です』って…!!」
マリマーの声。頭に埋め込まれた爆弾が…告げる。
「お疲れ様です」
おかしい。
なにかがおかしい。
自分はこの状況を知っている。
既に、何が起こるのかをその身を持って経験している。
「ここは…本当に…俺達の星か…?俺は本当に…『俺』なのか…!?」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 2(Wed) 03:10[12610]
++ 雲   (ピクミンの神)…607回   







「リリシア、リリシア」
…リリシアは永い間、話を聞いている間に…眠りこけてしまっていた。
マリマーは何度も声をかけるが…目を覚まさない。
「リリシア、私は…本当の恐怖というのは、純粋さにこそあると思うんです」
マリマーは一人、リリシアには聞こえていないというのに…話し始める。
「純粋であるという事は恐怖です。
汚れを知らないという事は、醜さを知らないという事は…人の痛みを理解出来ない。
死も、情も、悪も善も無い。全てを間っ平らに変えてしまう。
前にも言いましたが…『恐ろしい姿のモノは恐ろしい』
という概念が壊れて…ふざけた姿のものが牙をむくのが一番怖い。
つまり、私みたいな極悪人よりも…あなたの方が適役です」
寝ているリリシアの頭を…そっと撫でる。
「リリシア・ノンレジット。ここからの『ヒーローの物語』を…あなたに任せます」
マリマーの姿が…ゆらり、ゆらりと消えかけている。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 2(Wed) 13:34[12617]
++ 雲   (ピクミンの神)…609回   
新屋さん
他の映画に関する知識を知っているのは…まぁ、パロディ的な奴です。一種のメタ発言であります。
さて、ここから加速します。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 2(Wed) 14:26[12624]
++ 雲   (ピクミンの神)…611回   
記憶の残滓には…もう、存在する力が残っていない。
リリシアが目を覚ました。何年ぶりに眠ったのだろう…
マリマーの記憶の残滓が最後に振り絞った力で、気絶したのだ。
…リリシアが気絶する程に、マリマーは送り込んだのだ。
その膨大な科学知識を。
…リリシアには何も理解できないが…頭の中にあるその知識の一つに…好奇心は触れる。
生物兵器と化した肉体は…好奇心のままに、『世界』に触れた。
自分が今存在している『世界』の、『どこ』に触れれば…『何』が起動するのか…
リリシアは全てを理解した。
「私ね、私ね、ひーろーさんと、あそびたいなー」
リリシアが宙に向けて…「スイッチを押す」みたいな動作をした。
何もない空中に、人さし指で『ポチッ』と押した。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 2(Wed) 14:39[12633]
++ 雲   (ピクミンの神)…611回   
「はーい、できましたー」
バゴンッ…という破壊音と共に…世界が割れる。
時間も空間も砕いて…リリシアの居た子供部屋が…リリシアを中心に、二つにわかれた。
その裂け目から、広大な宇宙が顔をのぞかせる。
「えーとねぇ、えーとねぇ、」
リリシアはその中に浮かびながら…考える。
楽しいことをして、遊びたい。
「ひーろーさんで、あそびたい!おにんぎょーさんで、あそびたい!」
もう一度、スイッチを押す動作をした。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 2(Wed) 14:45[12635]
++ 雲   (ピクミンの神)…611回   

…リリシアの手には、クレヨンが握られている。
「ひーろーさん、みて!みてー!ここだよ!ひーろーさんのものがたりに、いーきたい!」
世界が、宇宙が、その触れてはいけないものに触れた兵器を…排除しようと動く。
だが…彼女は死ぬ事などない。
永久に稼働する生物兵器なのだから。
そして…彼女の無邪気さはこれから、「悪意」を企画する。
彼女もまた、混沌を生み出す者として…選ばれた。

そう、リリシア・ノンレジットは…「彼女」に選ばれたのだ。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 3(Thu) 15:21[12637]
++ 新屋   (常連将軍)…981回   
ぎゃあああトップがこんなことに 前からだんだん消えてるなーとは思ってたけどー。
なんと、もうマリマーはそっちだったとは。彼女というのもあってた。
あれ?これじゃあ知ってる通りにいかない・・・

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 5/ 3(Thu) 21:54[12638]
++ 雲   (ピクミンの神)…612回   

灰ピクミン本人に現れた異変は…周囲にも伝染していった。
水ピクミンも黒ピクミンも、急に頭を抱える。
「おい…灰…なんだこれ…俺…この後…知ってるぞ…!!」
「俺もだ…!知ってる…全部知ってる…!気付いた…俺達はっ…!!」
そう、この世界は、偽りの世界。
何度も、何度も、繰り返し続ける世界に…急に入り込んだバグが、世界を二つに分けた。
元の世界は通常通り。誰もマリマーの未来は変えられない。
…この世界は、枝分かれしてしまったもう一つの方。
…その世界の支配者は…!!
「聞こえますかー?リリシアでーす」
…全知を得たリリシアは、概念となり…灰達の頭に直接語りかける。
その場に居る全員が、リリシアの声を聞いていた。
「…なんだ…お前…!!」
灰は、急に現れたリリシアの声に驚いたが…今はそんな暇はない。
説明して貰わなければならない。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 5(Sat) 15:58[12643]
++ 雲   (ピクミンの神)…613回   

「あのですね、私、ヒーローさんに会いにきました!
でも、ヒーローさんの運命は何一つ変えられないらしかったので…
ヒーローさんと、ヒーローさんの住んでいる世界を…そのまま再現して作っちゃいました!」
全知を得たリリシアの声には…もう、あの拙さは無い。
無邪気さはそのままに、知能を得た彼女を…誰も止められない。
「な…なんだって…!言っている意味…わかんねぇよ…!!」
灰のその言葉に、全員が納得する。
「おい…マリマーはどこに居るんだよ!マリマーを出せよ!」
頭を抱えながら黒が叫ぶ。
「無理ですねー。マリマーさんの運命は決定付けられてますから、
この『偽りの世界』には持っていけません。
ここは私の遊び場で、ヒーローさんが自由に遊べる場所ですから。
私はあなた達『人形』をつくって、精一杯あそんで、ヒーローさんの物語を完成させますから!」
…意味が、わからない。状況が、飲み込めない。
「おい…茶!黒!水!確かこの後は…他のべアードが来るんだよな…!
サンソべアードはただの中ボスで…もう何匹か居るんだよな…!なぁ!」
灰が、声を大にして叫んだ。
「もうその運命は役に立ちませんよー?
その運命はこっちには持ち越せませんから。
ここからは…私の考えたお人形さんが、あなた達の所に来ますから!」
全て、壊れてしまえ。
常識も、概念も、運命すらも。
この「キリングタイム」という世界を二つに分離させた、新たな世界で、
リリシアは自由に…白い画用紙に絵を描く様に…そこに、「偽り」を出現させた。
「私のお人形!『ドロシーべアード』ちゃんと、『アミーボベアード』ちゃん!仲良くしてね!」
…巨大な、絵の具の塊みたいな球体が現れた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 7(Mon) 01:27[12651]
++ 赤い   (種ピクミン)…48回   
旧作見てないせいかよくわからん部分もある。。。

みてこよう

(i114-186-91-50.s41.a019.ap.plala.or.jp).. 5/ 7(Mon) 21:09[12656]
++ 新屋   (常連将軍)…982回   
まさか変わったなんて・・・ エエエエエエエエ
まただよ(カービィが)(笑)
いや、元のはもう消えてたはず。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 5/ 7(Mon) 21:34[12658]
++ 赤い   (種ピクミン)…51回   
たしかになかった・・・

そして一番上の文章も徐々に変わっていった。
最初スペース少なかったのが多くなって変わっちゃったか。

(HKRbf39.yamanashi-ip.dti.ne.jp).. 5/ 7(Mon) 22:39[12660]
++ 雲   (ピクミンの神)…614回   

…そこに真っ黄色の目玉が5つ、ついていて…大きな口もついていた。
レーダーを見ると、ドロシーべアードと表示されている。
そして…その隣には、これまた巨大な…毛糸の塊が現われた。
そこには杖が二本、まるまった毛糸から生えていて…大きな口から涎をボタボタと垂らしている。
レーダーには、アミーボベアードと表示されていた。
「…聞いてねぇぞこんなのっ…!!おい!」
青達が、一目散に逃げようとするが…毛糸が逃げる青達の方へと向かっていき…
まるで触手みたいに掴まれて、次々と口のアミーボベアードの口の中へと投げ込まれていく。
「なんだこれ…段違いじゃあねぇかよ…!」
水ピクミンの膝はガタガタと震えていた。
…さっきの運命では、『自分はこの後の未来で、フライデーベアードとかいう奴に殺されていた』のだから。
黒も同様に…それを恐れていた。
その時、茶が二匹の肩を叩いた。
「おい!落ち付け!その運命はもう…終わってるんだ!
お前達がこの後殺される未来は、リリシアとかいう奴に捻じ曲げられたんだ!
だから…俺達がこの後殺される未来は変わった…きっと未来は変えられる!」
茶も、この後の運命を知っていた。
悪夢王とかいう奴に殺されてしまうのだ。
だが…その運命とはもう切り離された。
自分達は、二つに分かれたもう一つの方。
実際の世界とは無縁の、偽られた偽物の方。
…可能性が見えた。
自分達は、何度も繰り返す…死の連鎖を断ち切れるのだと…!!

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/ 9(Wed) 10:36[12679]
++ 雲   (ピクミンの神)…615回   
新屋さん
どうも。カービィの新作が色々出てたみたいなので…こちらでも出しました。それが元ネタで合ってます。
前のは消えてしまったんですよね…。

赤いさん
もしよろしければ旧作の方の3話を旧掲示板にあげておきますが、いかがでしょうか?
ちなみに一番上のスペースのほかにも、色々と遊び要素をちりばめてあります。
今回は玩具箱をひっくり返したようなテイストですね。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/10(Thu) 18:31[12686]
++ U川   (種ピクミン)…9回   
おお、かっこいい。
僕も旧作を読んだことがないから、マリマーがどんな登場をしたのか気になります。

頑張ってくださいね!

(i223-217-56-217.s41.a008.ap.plala.or.jp).. 5/10(Thu) 19:10[12687]
++ 赤い   (種ピクミン)…52回   
玩具箱ww

旧作のほうはできるかぎりおねがいします。

(HKRbf39.yamanashi-ip.dti.ne.jp).. 5/10(Thu) 20:43[12688]
++ 新屋   (常連将軍)…983回   
3人ともここでもう死んだのか 新型がすぐ死ぬのは今は
なんだか無名のゲームハードのように感じる。
そういえば一番上が必ず空いているのはなんだ・・・?

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 5/10(Thu) 21:59[12689]
++ 雲   (ピクミンの神)…616回   
「うぉぉぉぉおおおお!!!」
茶は、近くにあった巨大な石を掴んだ。
「俺は…俺の運命をやり直す!こいつらをブッ殺して…灰!お前と同じ様に…俺も生き残る!」
「ああ!みんなで生き残るぞ…!俺達4匹で、なんとしてもこいつ等を殺…」
灰の言葉を遮るかのように…それは起こった。
…いきなり水ピクミンの足元から絵の具の塊で作られた巨大なトゲが現われて…水ピクミンの肉体を刺し貫いた。
…無残に…そして無様に…まるで、過去の運命が嘲笑うかのように、新しい運命は、水ピクミンの生存を拒絶した。
「てっめぇぇぇぇえええええ!!」
ドロシーベアードのその攻撃に…茶ピクミンは戦慄しながらも、それより何倍も怒りを感じた。
沸騰する脳汁が命ずるままに、茶ピクミンは大きな石をドロシーべアードへと投げ飛ばす。
「絵を見て欲しい!絵になった私を見て欲しい!ラブミードゥ!ルックアットミー!」
ドロシーべアードは、わけのわからない言葉を発しながら…大きな石をひょいと避けた。
そして…茶の足元から絵の具で出来た大きなトゲを出現させた。
茶はそれを間一髪で避けるが…そこをアミーボべアードの毛糸が襲う。
「させるか…させるかよぉぉぉ!!」
灰は、何本も何本も襲いくる毛糸に向けて爆弾を投げつける。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/11(Fri) 17:56[12692]
++ 雲   (ピクミンの神)…617回   

爆発してものびた触手の毛糸は破壊されるが、それでもアミ―ボ本体へは届かない。
…そうこうしている間に茶は毛糸に掴まれて、アミーボの口の中へと運ばれる。
「くそっ…まだ俺は…なんにもしちゃいない!なんにも…なんにもっ…!!」
過去の運命では、灰を救ったかもしれない。
悪夢王へと到達し、自分の納得する死に方で運命を切り開いたかもしれない。
だが…それも過去の運命の話。
偽りの世界では、こうも容易く…潰されて、砕かれる。
「やめろっ…てめぇら…よくもっ…くそっ…ああああああっ!!」
悲痛な灰の叫びも空しく…毛糸で手足を掴まれて、アミ―ボべアードの口へと運ばれた茶は、
その頭を食いちぎられて…絶命した。
灰は迫りくる毛糸を破壊しながら、アミーボべアード本体へと向かう。
だが…絶妙なタイミングでドロシーべアードの絵の具が、地面から生えてくる。
それに阻まれて…近寄れない。
黒ピクミンは避けるのに精一杯なようだったし、彼の特性は目が良く見えるという事のみ…。
恐らく、この二匹では状況を打破できない。
「どうしたらいい…?考えろ…考えろ…!」
灰ピクミンは必死で考えた。自分は、偽りではない本当の世界で…マリマーを倒した。
マリマーを倒し、誰も知らないヒーローとなった。
「俺ならやれる…やらなきゃいけねぇ…!でないと…
このままリリシアとかいう訳もわからねぇ奴の玩具にされて…!!」
自分は、本当のヒーローではないかもしれない。
複製された、量産品。まがいもの。
そしてこの世界も、運命すらも…まがいものに過ぎない。
しかし、玩具のままで、灰ピクミンが黙っている筈がない。
操られっぱなしの人形で、満足できる訳が無い。
「俺は…俺は…!!俺はっ…!!」
黒ピクミンの肉体が、絵の具で作られたトゲに刺し貫かれた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/12(Sat) 20:52[12695]
++ 赤い   (種ピクミン)…53回   
TOPの文章の意味がわかったような気がする・・・

誤字です。
>〜何本も何本も遅い来る毛糸に向けて〜
遅いではなく襲いです。

(HKRbf39.yamanashi-ip.dti.ne.jp).. 5/13(Sun) 15:23[12696]
++ 雲   (ピクミンの神)…618回   
赤いさん
修正しておきました。ありがとうございます。
ひたすらにTOPや他も色々と楽しく巡り巡っておりますので、マリマー視点ではない新たなリリシアの創造世界をお楽しみください。

新屋さん
けっこう最近出た奴です。
というか、この作品が完結した後に生まれた作品が
けっこうたくさん出てるみたいだったので、それを使ってみたかんじでもあります。

U川さん
初めまして。応援ありがとうございます!
元の状態の3話…つまり旧作は現在準備中です。
しかしこの物語は前作を読まなくても一応読めるようにしていますのでご安心下さい。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/14(Mon) 18:50[12701]
++ 雲   (ピクミンの神)…619回   
黒ピクミンの肉体が、絵の具で作られたトゲに刺し貫かれた。
…灰ピクミンしか残っていない。青ピクミンは全てアミ―ボべアードに食べられてしまっているのだ。
「俺は…てめぇらなんかに…誰かの考えたくっだらねぇ落書きのシナリオなんかに…負けたりしねぇ!!」
頭から粘液を絞り出す。爆弾を作り…投げつける。
しかし…やはり大量に蠢く毛糸に阻まれて、本体へは届かない。
…灰ピクミンにも…疲労がたまる。
「ちく…しょう…」
どうする事も出来ない。
一匹では、いくらなんでも限界があるのだ。
地面から、何度も何度も…絵の具で作られたトゲが飛び出してくる。
「ルックアットミー!イヌカレェー!イヌカレー空間っ!」
ドロシーべアードは叫び続ける。
灰ピクミンはトゲを避けるが…その瞬間、アミ―ボべアードの毛糸を身体に巻き付けられて、
遂に身動きをとれなくなってしまった。
「くそっ…離せっ…!俺は…こんな事してる場合じゃねぇんだっ!
マリマーは…キリングタイムを楽しんでいる!あいつを何とかしなくちゃいけない時に…こんな…!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/15(Tue) 22:39[12708]
++ ゆんち   (初めまして!!)…1回   

やっとここまで追いついた!
前作も面白かったけど、今回も面白くなりそう…

(i220-221-11-186.s04.a014.ap.plala.or.jp).. 5/16(Wed) 01:36[12710]
++ 雲   (ピクミンの大神)…620回   
ゆんちさん
ありがとうございます!
前作も観て下さっていたのですね…これからも頑張りますので、
目を通して下されば幸せです

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/16(Wed) 20:48[12713]
++ 雲   (ピクミンの大神)…621回   

動けない。動けない。
そのまま…毛糸は手足のようにウジュルウジュルと身体を固定し、引っ張られる。
…アミーボべアードの口へと、灰ピクミンの身体が運ばれて行ってしまう。

「もう、この世界にマリマーは居ないわ。
向こうの世界に居るマリマーは向こうの世界のあなたに倒された。
あなたのやる事はそんな事じゃないよ。私と…遊ぶ事なのっ!」

リリシアの声が頭に響く。
…アミ―ボが大口を開けて…灰ピクミンを口の中へと放り込んだ。
その灰の姿を見て…ドロシーべアードは叫びまくる。
灰ピクミンの絶命の瞬間を、大量の言葉で見送る。
「ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアトミー!ルックアットミー!
ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!
ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!
ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!
ルックアットミー!ルックアットミー!ラヴミードゥ!!ルックアットミー!ルックアットミー!
ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!
ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!
ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!
ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!ルックアットミー!」
…その大声が鳴り響く中で…アミーボべアードは口の中の灰ピクミンを、噛みちぎろうと口を閉じた。
…ばごんっ…と、何かの破壊された音が鳴る。
「くらりっ…さ?」
その、不思議な擬音に…ドロシーべアードは不信に感じた。
あれは、肉を、骨を、その繊維を噛み砕いた音ではない。
茶ピクミンを粉砕したあの音とも違う。
何物とも違う。
…ヒーローは、絶望的な状況の中で…張りつめられた極限の中で…爆発させた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/16(Wed) 23:13[12715]
++ 雲   (ピクミンの大神)…622回   

灰色の煙を巻き上げながら。破壊した。
…あらゆる絶望も、混沌も、無慈悲も不条理も通用しない…「過去の英雄」は、
今、この場にして…リリシアの好奇心を限界まで煽っていた。
全身に毛糸を巻きつけられながらも…頭から爆液を噴射し、口の中でそれを一気に爆発させたのだ。
毛糸がバラバラにはじけ飛び、口の中を爆破されて、真っ赤な臓器と血液を撒き散らしながら…
アミ―ボべアードはただの肉塊へと変貌した。
空中に浮かんでいたアミ―ボべアードの肉体は墜落し、
その口だった部分の穴から煙をあげて…動かなくなる。
その穴から、唾液にまみれた灰ピクミンが這い出してきた。
「てめぇも…ぶっ殺してやるよ…!
マリマー並に悪趣味な…クソ化け物め…!!」
ドロシーべアードはゲラゲラと笑いながら、灰ピクミンへと5つの眼球を向けた。
「残念!ドロシーちゃんでずた!」
そう言って、ドロシーべアードは絵の具で作られたトゲを地面から発射させる。
しかし…灰ピクミンは、出てきた瞬間にはもう避けていた。
「あの毛糸が無けりゃあ…てめぇの攻撃なんか簡単に避けれんだよ…!!」
一瞬で、ドロシーべアードの懐へと飛び込んだ。
そして…爆弾を作り上げ、ドロシーの口へと放り込む。
「舞い上がっちゃてますね!私!」
「ブッ壊れちまえよ…そんなベラベラしゃべってっから口にブチ込まれんだよ…!!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/19(Sat) 03:07[12718]
++ 雲   (ピクミンの大神)…623回   

口に爆弾を入れられて、ドロシーべアードは急にもがきだした。
しかし…もう遅い。飲み込んでしまっている。
「あたしって、ほんとバカ・・・」
最後まで訳のわからない言葉を呟いて、爆発した。
口を砕かれて、ボロボロにされながらも…まだ、ギリギリ生きているようではあった。
「そうか。まだ生きてんのか…。じゃあ、死ぬまでの間付き合ってやる。
…てめぇがくたばるまで…ずっと一緒に居てやるよ。一匹ぼっちは…寂しいもんなぁ!!」
爆弾を、投げる。絵の具がはじけ飛んで、爆発と共に内部の臓器が周囲に撒き散らされる。
脳髄を散らしながら、髄液がボタボタとたれながら、血液が地面の草を真っ赤にしながら…!!
「ほら、何か言ってみろよっ…ルックアットなんちゃらって言ってみろやっ!!
クソッ…クソッ…!!みんなをっ…みんなを返せってんだよぉぉぉおおお!!」
ドロシーべアードは、プルプルと震えながら…背を向け、逃げようとした。
しかし灰ピクミンはそれを許さない。
爆弾を、追いかけて追いかけて…追いかけてぶつけまくる。
「助かる訳ねぇだろうが!てめぇを助けてくれる奴なんかどこにも居ねぇ!
お前を救ってくれるような奴は、もう頭をブッ壊してやったんだからなっ!
お前は…絶対に殺してやるっ!!お前なんかに奇跡は起こらない!
魔法も無いっ!だから…今更この俺に背を向けるんじゃねぇえぇえ!!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/20(Sun) 02:47[12724]
++ 雲   (ピクミンの大神)…624回   

空中を浮かぶドロシーべアードの背後につかみかかり、
何度も、何度も爆液をかけては…爆発させる。
目を爆発させ、歯を砕いて、臓器を潰して、潰して、
ドロシーべアードの身体を動かなくなるまで…
これ以上やるかというくらいにまで、ぐちゃぐちゃにしていく。
…ドロシーべアードは、とっくに動かなくなっていた。
「はぁ…はぁ…。おい…リリシアっ…!俺はやったぞ…やったぞ!」
…だが、リリシアは何も反応しない。
「おい…なんなんだよ…何とか言えよ…!!」
そう。
まだ、何も終わってなどいない。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/20(Sun) 17:24[12728]
++ U川   (種ピクミン)…15回   
なん…だと。
まだまだ続くのかなぁ。のんびり待っています。

(i223-217-56-217.s41.a008.ap.plala.or.jp).. 5/20(Sun) 18:13[12729]
++ 新屋   (常連将軍)…984回   
けっこう相性が良かった。
そうか!この爆発を受けてもまだ生きているのか?もう一度だけチャンスをやろう!
よし やったね。
次はひょっとしてマホロアかな?

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 5/20(Sun) 22:31[12730]
++ 雲   (ピクミンの大神)…625回   
U川さん
感想ありがとうございます。
まだまだ続くので、引き続きご期待下さいね!

新屋さん
なかなか強い相手ですが、やはり相性の問題もありました。
しかし、先を読んでくるとは…なかなか鋭い!
ベアード系は再生したりと結構頑丈なものが多いですよね。
爆弾数発じゃ死なない系の感じの敵が多かった印象があります。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/24(Thu) 01:06[12754]
++ 雲   (ピクミンの大神)…627回   

そう。
まだ、何も終わってなどいない。
「…マリマーの…作ったアイツ等…か…!!」
レーダーを見た。
フライデーべアード、ミラーべアード、シンプルベアード、スターべアード、
そして…イモートノハネ。全ての怪物がこちらへと一斉に向かってきている。
ドロシーべアードの声を聞いたからか…それともリリシアが呼び寄せたのか。
どちらにせよとも、倒さなければならない相手であることには間違いない。
「来いよ…全員ぶっ殺してやる…!!」
心臓が、跳ね上がる。
自分にそんな事が出来るのかと、不安になる。
…だが、別れたもう一つの運命が…伝えている。
自分は、未来を切り開いたのだと。勝ち進んできたのだと。
「俺はっ…どうしようもならない運命だったかもしれねぇ…」
本当に、どうにもならなかった。
運命に抗って、その結果託したのが…永遠のループ。
「だが…それでもっ…今なら…まだ運命は決まってないっ!」
何度でも、やり直せる。
リリシアという新しい企画者が残したのは新しい絶望であると同時に…
新たに託された、真っ白なキャンバス。決まっていない新雪のような運命。
そこに…足跡を残す。
途切れぬよう、消えないように、ヒーローは爆弾を作り…掲げた。
「だがっ…今は違うっ!舐めんなクソガキがッ!!」
素早い動きで…既に、灰ピクミンの背後に…イモートノハネが迫ってきていた。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/25(Fri) 17:42[12767]
++ 雲   (ピクミンの大神)…628回   

「ヒャハハハハハハハ!!!」
まるで子供みたいな高い声。
「ヒャハハッハハハアッハアア!!」
飛び出してギョロギョロしている目玉が二つ。
パーティで被る円錐型の帽子を被っていて、
それの先端が二つに枝分かれして、くたりと垂れている。
その身体は丸く、目の下の口は牙を見せながら大口を開いて笑っていた。
球体の身体の右下と左下には瘤みたいに小さい足がついている。
姿は、紫の球体だ。それが宙に浮いている。
「ヒャハハッハハハハハアハハハ!」
球体の両側からは、黄色い骨がそのサンソベアードくらいの大きさの球体から、
自身の背の二倍くらいの長さで突き出ていて、その両側の棒みたいなものに、
ひし形のキラキラ光る綺麗な、様々な色をしたクリスタルが、干しているみたいに下がっていた。
どうやらそれが羽根の様で、それの力で浮いているのだ。
瞬間移動レベルの、圧倒的早さで灰ピクミンの背後を取った。
「…てめぇには、俺は一度勝ってるんだぜ…?」
灰ピクミンは、背後へと爆弾を投げた。
…最初から後ろを取られる事がわかっていれば…
素早すぎて爆弾を当てられない相手にも、簡単に爆弾をぶつけられる。
なぜ、後ろに来た事を…見もせずに灰ピクミンが察知したのか?それは…簡単だ。
「近づいたら分かるんだよ…。てめぇの声は…耳障りなくらいにうるせぇからなぁっ!!」
爆発した。
イモートノハネの左側の羽を、爆発で完璧にブッ飛ばした。
バランスを崩し、飛んでいられなくなったイモートノハネは、
瞬間移動レベルの素早さすらも生かせず…地面に墜落した。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/26(Sat) 19:29[12773]
++ 雲   (ピクミンの大神)…628回   

灰ピクミンは振り返る。
「はい、終了ー。後ろ向いてたから、
顔面で爆発させられなかったのは残念だけどよぉ…もうお前終わりだな。
お仲間さんは来るのにもうちょっと時間かかるぜ?お前の移動は早すぎたんだよ…!」
手に、爆発する粘液を巻き付けて…相手の目玉にめがけて、その拳をブチ込んだ。
右の眼球がブチュッ…と汚い音を出しながら、グチュグチュと潰れる。
目の肉に囲まれた中に手を突っ込んでいると、その生命の温かさと温もりを感じる。
それを…これからブッ壊す。
粘液が、灰ピクミンの精神の合図で…爆発する。
目の周辺が吹き飛び、燃えて、焦げて、赤黒い血液で全てが赤に染まる。
脳までどろりと出てきて、何かの管みたいな…
大腸だと小腸だかよくわからないピンク色のものがネチャネチャと灰ピクミンに絡みつく。
「たつたつたつちつたたー!!」
何かのBGMみたいな声を吐きながら、絶叫する。
「てめぇはそれしか言わねぇのな…。それ、もう流行ってねぇから」
右側の羽根にも爆弾をぶつける。
ベキンッ、と枝が折れたみたいに破壊され、両方の羽根が無くなった。
「あたいっ…あたいっ…ニワトリか!!」
ずるずると…右目があった部分から飛び出した脳やら管やらを引きずりながら、
灰ピクミンと距離を取ろうと這いずり逃げる。
「待てよ。てめぇから襲ってきといて…被害者ヅラして逃げてんじゃねーぞ?」
「あぐっ…あぐっ…あいすくりぃむ…三倍…オニオンリング…食えぇぇ…」
奴等は訳のわからない言葉しか言わない。
だから、それが命乞いかどうかもわからない。
「逃げるな。お前を殺さないと…全員殲滅しねぇと…ペナルティ追加されたりすんだよ…」
ずるずると逃げる後ろ姿に爆弾を投げつける。
瘤みたいな足がはじけ飛び、折れまがった骨みたいなものが剥き出しになった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/27(Sun) 01:28[12776]
++ 雲   (ピクミンの大神)…629回   

「おねぇさま…おねぇさま…お外に出して…」
「うるせぇな…次口開けたら爆弾放り込むぞ?」
「ううがっ…きゅっとしてドガッ!!」
喋り止まないので、灰ピクミンは開いた口に爆液を丸めた爆弾を押しこんだ。
「ほら、食えよ。そんで喉の奥で噛んでみろ。
汚い臓器弾け飛ばしながら逝く所見せろよッ!おらッ!」
「ウグッ…」
爆発…した。
火薬と、血と、死臭。
…灰ピクミンの周りには、それが満ち溢れていた。
「…ふぅ、まだだ…。仲間を殺された恨みはこんなモンじゃねぇ…!
オッサン…キー…銀…ソラ…待ってろ…!!また会いに行けるかもしれねぇ…!!」
…そう叫ぶ灰ピクミンの後ろには、4つの球体が既に向かっていた。
シンプルべアード、ミラーべアード、フライデーベアード、スターべアード。
一番左に居るシンプルべアードは、サンソベアードと同じくらいの大きさの白い球体だった。
その中心に小さく赤い裂け目があり、そこが目玉だった。
それだけの…ただ白い目玉だ。
その隣のミラーベアードは、赤いオーラを纏っていた。
そして全身が血走っていて、中心の裂け目にある目玉は黄金に輝いていた。
一番気が荒そうに見える。
そしてその隣のフライデーべアード。
大きさはサンソベアードと同じだが、今度は球体ですらない。
サイコロみたいな体の形をしている…。
10面体か、20面体のサイコロだ。
その全ての面に目玉がありこちらを沢山の目が見ている。
一番右は…よく見るとこれも球体ではない…星型だった。
その黒い星型の中心にはやはり一つ目があり、
真っ赤な目玉がギョロギョロとしていた。
「おい、誰から来るんだ?この死体、全部俺がやったんだぜ?
…ほら、来いよ。怒りに任せて突撃して来いよ。…誰から来るんだ?ん?」
灰ピクミンは、まず挑発してみせた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/ 2(Sat) 02:26[12777]
++ 雲   (ピクミンの大神)…631回   

灰ピクミンは、まず挑発してみせた。
相手がどう来るのは…こっちは読めている。
…そしてご期待通り、フライデーべアードがゆっくりと灰ピクミンに近づいた。
「見えるぞ…見えているぞ…『監視して見ている』…は間違い
お前はこの私が見ている…お父様を殺したお前は殺す…殺す…」
「ああ、お前は確か、けっこうまともに
喋れるんだったな…。ちょいとまだ意味不明だけどよ…」
灰ピクミンは両手に爆弾を持つ。
フライデーべアードは氷の塊へと変身した。
「そう、変身した瞬間が…一番狙いやすかったよなぁっ!!」
灰ピクミンは…変身の瞬間を狙って、見事爆弾を命中させた。
最初から、変身しなければ攻撃できない事を灰ピクミンは知っている。
…「向こう」の運命の連鎖を断ち切ってこっちの世界に来たのだ。
向こうの世界で起きた運命を、記憶していない訳がない。
「兄者をよくもぉぉぉぉぉぉぉ!!」
シンプルべアードが、そんな言葉を吐きながらこっちにスッ飛んでくる。
「…シンプルべアードとかなんとか…。四匹の中で、てめぇが一番やっかいなんだよな…」
イチは、爆発を受けて瀕死状態の…地面に墜落したフライデーベアードの前に立った。
フライデーべアードは氷の姿から元に戻っている。
だが…ダメージは受けており、体中に爆発によるダメージで…亀裂が入っていた。
灰ピクミンは、その亀裂の中に爆弾をグイッと押しこんだ。
「はい、瀕死の兄貴の身体の中に爆弾を
突っ込んでやったぜ?どうすんだ?このままだと死ぬぞ?」
そう言って、灰ピクミンはシンプルべアードを無視してミラーべアードの方へと向かう。
「よくもぉぉぉぉぉ!!」
シンプルべアードは、フライデーべアードの方へとスッ飛んでいく。
「はい、着火」
フライデーベアードの肉体が…シンプルべアードが近寄った瞬間に、一気に弾け飛んだ。
爆発に巻き込まれ…シンプルべアードの身体が破ける。
灰ピクミンは踵を返し、シンプルべアードの方を向きなおし、爆弾を投げた。
「お前の身体は破けてからがやっかいだからな…そのまま死んでくれ」
シンプルべアードに爆弾が命中し、破けた瞬間に更に爆発した。
内部がこと如く破壊され…シンプルべアードの中に入っていた大量のDDDも一緒に肉の塊となった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/ 7(Thu) 16:58[12780]
++ 新屋   (常連少将)…883回   
兄はサンソの方じゃないの。近寄ったときに爆破しなくてもどうするっていうんだか。
手はないし。
バカな・・・ここまで簡単だとは・・・
東方知ってるならそれこそダークマター系っぽいイビルアイΣがいるが・・・
まああれは戦車(らしいの)だけど・・・

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 6/ 7(Thu) 22:08[12781]
++ 赤い   (種ピクミン)…54回   
超展開が超展開によって覆されるとは・・・
(HKRbf39.yamanashi-ip.dti.ne.jp).. 6/ 8(Fri) 22:19[12782]
++ 雲   (ピクミンの大神)…632回   
新屋さん
どうも。ベアード殺戮タイムです。
あまりにも簡単すぎると不審に思うのは当然だと思いますが、結構的中してます。
簡単だとミッションになりませんからね…。

赤いさん
感想ありがとうございました。
超展開には超展開で!というか、超展開が好きだったりします。
注目を引きつけるという意味では、異常性や不条理さ、
はたまた突っ込み所も重要かなーと…。
この作品はそんなんばっかりですが、今後とも目を通してくれればと思います。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/10(Sun) 01:50[12785]
++ 雲   (ピクミンの大神)…633回   

「はい、お前は確か…どんな奴だっけ?」
灰ピクミンは爆弾を構える。ミラーべアードの前に立った。
すると…ミラーべアードは手前に鏡を創り出した。
「ああ、そういう奴だったな」
灰ピクミンは鏡を蹴り飛ばし、その後ですかさずに爆弾をその目玉に激突させた。
爆発し…目が潰されて弾ける。
あっと言う間に…スターべアードだけになった。
「よぉ、お前だけしかいねーぜ?どうすんだ?」
「俺は…強いぜ!暗黒の支配者だぜ!」
スターべアードはそう言って威嚇する。
虹色に光る星を発射してきた。
灰ピクミンに全て命中するが、全く効かない。
「なんだお前。最後のくせにめちゃくちゃ弱いじゃん」
爆弾も作らずに…素手で殴る。
すると「ひぎゃああああ!!」と叫びながらグズグズになって死んだ。
「さて…問題はこの後だよ…この後…」
レーダーに、突然生物反応が現れた。「悪夢王」と表示される。
「ラスボス登場…だろ…!?」
周囲を見渡してもどこにも悪夢王は居ない。
…そう、レーダーにすら感知されず…急に悪夢の様に仕掛けてくる。
前の運命では、コイツにやられてしまった。
しかし…今は違う。今は、事前に理解している。
「うぉっ!!」
タイミングを見計らったみたいに…ジャンプした。
すると、丁度その足元を…白い星型のカッターが通り抜ける。
「ビンゴォ!次は…てめぇには負けねぇっ!!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/10(Sun) 17:28[12787]
++ 新屋   (常連少将)…884回   
前やられたっけ、そしたらなんで生きてたんだっけ。
イビルアイΣってどんなものかわかりますか?

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 6/10(Sun) 22:18[12788]
++ 雲   (ピクミンの大神)…634回   

「ビンゴォ!次は…てめぇには負けねぇっ!!」
沢山の白い星が描かれた、青い玉がいつの間にか近くに居た。
さっきまで居なかった場所にいきなり現れた。
大きさはサンソベアード達と同じだが、目玉はついていない。
星が、幾つも発射された。
灰ピクミンはそれを避ける為…距離を置いて、離れつつ逃げながら…爆弾を投げた。
だが、爆弾は青い玉に命中するより前に星に切り裂かれて、空中で爆発してしまった。
「ちょ…!!茶ピクミンの野郎…こんな相手どうやって倒したんだ!?」
何発も何発も、星が発射される。
やはり…ラスボスは格が違う。
反撃する暇も無いので、灰ピクミンはひとまず距離を取ろうと…必死で逃げる
だが、青い玉は振り向くともう背後には居なかった。
「やべぇ…また消えたっ…!!」
レーダーには反応しない。
次の不意打ちには…流石に反応し切れない。
「どのタイミングで来るのかも、どの方向から来るのかも分からない上…突然やってくる…!!」
おまけに、あの星は触れただけで手足を切断していく程に強力。
もし首をちょっとでも掠ろうものなら、
それだけで首の骨を割って…頭と身体を引き離してしまうだろう。
灰ピクミンの中に…焦りが生まれた。
だが…灰ピクミンは決して諦めない。極限の中で…必死で可能性を探る。
「そうだっ…諦めるな…!俺はやり直せる…きっと…!!!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/11(Mon) 21:42[12790]
++ 雲   (ピクミンの大神)…635回   

「そうだっ…諦めるな…!俺はやり直せる…きっと…!!!」
灰ピクミンは、地面に転がるフライデーベアードの死体の中に潜り込んだ。
真っ赤でピンク色の死体の中へと、その身を隠す感じで入り込む。
…時間が経過する。
…青い玉はもう出現してきているのかすらも、その中ではわからない。
…だが、既に青い玉は灰ピクミンの居るフライデーべアードの死体のそばに出現していた。
出現と同時に、星を発射する。
いきなり現れて…いきなり身体を持っていく。
まるで悪夢のような…悪夢王のいつものやり方だ。
だが、星がフライデーベアードに触れた瞬間…急に爆発した。
星が跳ね返り…青い玉に突き刺さる。
灰ピクミンはその瞬間を狙い、フライデーべアードの身体を飛び出して、
青い玉を確認すると…そこへ、何発も爆弾を投げつける。
「フライデーベアードの身体に入って…爆液を大量に流し込んでおいたっ…!!
血液は爆液と混ざり合い…奴の死体それ自体が一つの爆弾みてぇになっている…!
星が触れたら、その衝撃で爆発し…星をフッ飛ばす!お前の消える技は、二度目は通用しねぇっ!」
青い玉に、ヒビが入った。
灰ピクミンは、何発も何発も…爆弾をぶつけていく。
だが、破壊されながらも青い玉は星を発射してきた。
避けようとするが、この近距離で、しかもこっちが爆弾を投げている途中では、とても反応できない。
発射された星は、灰ピクミンの右肩の肉をざっくりと持っていく。
「ち…くしょうっ…!マジで強ぇぇ…っ!!小細工無しでも…強すぎるっ…!!」
更に星は発射される。
だが、灰ピクミンも逃げずに爆弾を投げ続ける。
…次の星は、灰ピクミンの左腕を…スッパリと切り落とした。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/14(Thu) 02:11[12792]
++ 雲   (ピクミンの大神)…636回   

だが、青い玉は砕けた。投げた爆弾を食らい続けて…遂に破壊された。
…灰ピクミンはホッとして膝をついた。
「クソッ…左腕は持ってかれたが…やったぞ…!!刺し違えてでも…殺してやった…!!」
右肩から血がだらだらと流れ、左腕の切断面からも血が止まらない。
しかし…悪夢王は倒した。確かに破壊した。
「これで…終わりだ…このくだらねぇ人形遊びも…!!
おいっ…リリシア!もう終わりだ!おい…おい…!…え…?」
その時、灰ピクミンは何かに気が付く。
破壊された青い玉は爆発の煙に包まれていたが…その玉の中から…何かが出てきたのだ。
「…やってくれたな…全く」
まるで悪魔か死神のような醜く恐ろしい顔と、そこに角。
悪夢を象徴したみたいな青黒いマントにグラサンをしていた。
体に宝石やらを身につけ、何のふざけも無い王の姿。
まさに一番化け物と呼ぶにふさわしい化け物だった。
「私は…まぁ、ここでは素直に…マリマーの名付けた通り、悪夢王と名乗るか。
しかし…貴様達は一体何故私達を駆逐したのかね?お陰でもう仲間はみんな死んだ…
私一人になってしまったよ。ここの生物に迷惑をかけたつもりは無かったんだがな…」
灰ピクミンは、動揺していた。
…まさか、茶ピクミンもこれに遭遇したというのか?と…。
凄い威圧感。大きさ。
…そして何より、青い玉で終わりかと思いきや…という、この絶望感。
これが、悪夢王の本体。悪夢のようにとりとめがなく、終わらない。
「…お前、普通に喋れるのか…?」
灰ピクミンはそう聞きながら、必死になって考えていた。
…勝てるのか?この傷で…こんな相手に…と。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/15(Fri) 23:49[12794]
++ 新屋   (常連少将)…886回   
おっと、そういえば先制攻撃したのはピクミン側だった。なんてこった・・・
マルクだけはどうだろう。この前の段階で戦闘不能になったけど生きてはいたのね。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 6/16(Sat) 21:34[12795]
++ 雲   (ピクミンの大神)…637回   
新屋さん
感想ありがとうございます!
ピクミン側に戦いを仕向けさせて敵にさせる…マリマーの得意手段でございます。
灰は戦闘不能状態で生きていて、茶がやってくれました。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/23(Sat) 21:27[12798]
++ 新屋   (常連少将)…887回   
いつもそうなんだっけ。常套手段
イビルアイΣってどんなものかわかりますか。2

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 6/24(Sun) 19:27[12799]
++ 雲   (ピクミンの大神)…638回   

「ミラ…いや、フライデーベアードもまだまだだが喋れているだろう?
しかし…被害者はこっちではないか?いきなり襲われて…
我々を襲ってなんの意味があるというのだ?
喋れないからといって私の仲間を殺したのは…許せんことだ」
…戦争をふっかけてきたのはどちらからでもない。
その両者を無理矢理戦わせようとしたのは…マリマーだ。
だが、そのマリマーはどこにも居ない。
あの狂王は…既に崩れた。
新しい偽りの世界で…狂王無き今、
奴がこちらの世界にまで残していった因果を…断ち切る必要がある。
「私は悪夢のようにとりとめが無く…決して触れる事は出来ない。
この世界…次元…空間から完全に消える事が出来る…!
小さき者よ…お前にはどうあっても負ける事はなさそうだ」
悪夢王は、また消えた。
レーダーにも反応しない。気配すらも感じさせない。
…さっきのような手は…二度も通用しないだろう。
きっと、そんな事させる前に攻撃してくる。
「ふざけてんじゃねぇぞ…こんな…いい加減に…!!」
灰ピクミンがそう言っている最中に、もう…背後にいきなり出現していた。
青い玉の時とは違い、大きい。
ピクミンの何倍もの身長がある。
灰ピクミンの戦いの勘は…瞬時に反応し、反射的に肉体は悪夢王の方へと動いた。
爆弾を、奴の星よりも先に投げ飛ばす。
しかし、悪夢王は当たる直前に消えた。
「…無駄だ。私は悪夢…世界から何度でも消え、何度でも現れる…!
さぁ…もっと早く逃げないと…貴様はすぐバラバラになるぞぉー!!!」
少し離れた所に現れて、星を飛ばしてきた。
「くそっ…勝てないっ…!!」
意識が、遠のいていく。
出血がひどい。やはり、片腕を失ったのは大きかった。
星は更に飛んでくる。正確に…そして何発も。
灰ピクミンは、逃げながら…考えていた。
どうすればいいのか。どうすれば勝てるのか。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 6/25(Mon) 00:29[12801]
++ 新屋   (常連少将)…889回   
申し訳程度のミラクルマター?でもミラーベアードっていなかったっけ。
ほんまどうやって勝つのかと。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 9/ 9(Sun) 16:29[12802]
++ 赤い   (種ピクミン)…56回   
超展開の連続でどっちが勝つのかとどきどきしてきた・・・
(HKRbf39.yamanashi-ip.dti.ne.jp).. 9/ 9(Sun) 20:51[12803]
++ 雲   (ピクミンの大神)…639回   
新屋さん
どうも。お久しぶりです。
言い間違いというメタ発言です。
元ネタ先には本当にありがとうと思っています。
今回はたった一匹で戦わないという重圧と、全滅させないといけないという難しさ。
そして、相手の数の多さによる絶望感があるので、その辺を強く出したいと思っています。
前回よりも更に不可能に近いミッションだとは思いますのが、作者でも勝てるのやらちょっと不安です。

赤いさん
どうも。いきなりの超展開で読者を驚かせてみました。
総集編であったのも過去の話になりましたね…。
新作としても、前作の改変版としてもお読み頂けるので、どちらからも楽しんで貰えるように頑張ります。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 9/10(Mon) 13:48[12804]
++ 雲   (ピクミンの大神)…640回   

灰ピクミンは、逃げながら…考えていた。
どうすればいいのか。どうすれば勝てるのか。
…茶ピクミンは、どうやってこの絶望的な状況を乗り切ったのかを…!!
「あいつは…俺を助けて死んでいった…。きっと、死と引き換えに…コイツを倒したんだろう…!!」
だが、灰ピクミンは死ぬ訳にはいかない。
守るべきは…自分の命だけなのだ。死んだら意味がない。
…だとすれば、手詰まり。どうしたって死んでしまう。
「それでも…俺は諦めない…っ!!絶対に殺す…殺すっ…!!」
灰ピクミンは…覚悟を決め、悪夢王の方へと…走っていく。
わき目も振らず…ただ、一直線に。
…目の前に、星が飛んできた。
灰ピクミンの胴体を…二つにしようと星が来る。
灰ピクミンは避けない。そのまま…星は灰ピクミンに触れた。
「…よし…着火!!」
星は、触れただけで…灰ピクミンの胴体を切った。
だが、腹は切られても…皮膚表面だけを切った所で、急に灰ピクミンの腹は爆発した。
灰の身体は爆発が効かない。爆発によるダメージは無い。
…急の爆発で、星は別の方向へと飛んでいった。
「なっ…!」
「さっきフライデーの身体に入ってた時…体中に爆液がついてる。
俺の身体に星が当たった時にそれを爆発させりゃあ…
星が完全に俺を切るまでには爆風で方向を変えられるっ…!!」
これは、今ではなく、ずっと先で思いついた技。
だが、その未来は向こうの世界に置いてきた。
この世界では、その意志だけを持ってきている…だから、それがここで使えた。
「黙れ…死にぞこないがっ!!」
星を発射する。
だが、灰ピクミンはその方向へと蕾を向けて…爆液を噴射させた。
…飛ばされてくる沢山の星の、ほぼ全てに爆液が付着する。
「別の所に飛んでけ。おらっ!!」
星達は爆発して…爆風で散り散りに飛んでいった。
跳ね返った星は、悪夢王の身体に幾つか突き刺さり…そのグラサンを破壊し、顔面にも刺さる。
「があっ!!貴様っ…!!」
灰ピクミンは、ひるんだ所に爆弾を投げる。
だが、悪夢王は手をのばし…灰ピクミンを直接つかむ。
ベキベキッ…と、握り潰そうとする。
爪が身体に食い込み、灰ピクミンの脚や腹部に大きな穴を開けた。
「ぐっ…くそっ…離せっ…!!」
灰ピクミンはもがくが…物凄い力で握られて、肋が何本も砕かれる。
ゴキッ…という致命的な音がした。左足が確実に折れた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 9/10(Mon) 13:51[12805]
++ 雲   (ピクミンの大神)…641回   

ゴキッ…という致命的な音がした。左足が確実に折れた。
…だが、ひるんだ所に投げたあの爆弾は…
そんな中で、グラサンが割れて前が見えずに、
避けられない悪夢王の方へと飛ばされていて…その頭に命中した。
「悪夢は終わりだ。さっさと起きろ」
頭が爆発し、脳がこぼれ落ちる。
掴まれていた手も緩み…灰ピクミンは手から抜け出した。
そのまま、地面に寝転がる。
灰ピクミンの身体には、爪をくいこまされた時の穴が空いていて…
そこから血がだらだらと流れていた。
「いってぇ…くそ…」
左腕もどこかへ行った。肩もやられて…さっき爆弾を投げていた時も、正直、限界だった。
「リリシアァッ!もう…終わったぞ…!さっさと転送しろっ!!」
リリシアがマリマーと同じ役回りなら…きっと、企画したキリングタイムの内容は変わっていない筈。
彼女が正真正銘の企画者であるなら…灰ピクミンを転送してくれるし、転送するのなら傷は治る筈。
もしも殺すのが目的だとするなら…とっくにやれている筈だからだ。
「転送する前にぃ、お人形さんを用意しましたー」
…リリシアは、まるで何かをプレゼントするような感覚で…そう言った。
「なっ…!!何言ってやがる…お前の人形は二体ともさっき片づけて…!!」
「三匹いますよー?ドロシーべアードちゃんと、
アミーボベアードちゃんと、もう一匹!とっても素敵なのがいますよー?」
ふざけてやがる。
こんな…馬鹿げたルールに従っていたら、どうしたって殺されてしまう。
「ふっ…ふざけんなっ!俺は…もうこんな戦えない状態で…お前っ…!!」
「最後の、すっごい素敵な子と遊んであげてねっ!ヒーローさんっ!」
ヒーローで、遊んでいる。
自分がこんなボロボロにされながら…遊んでいる。
…こんなにも絶望的で、不条理な状況は…始めてではない。
ではないが…でも、それでも…。
「やめろ…やめろよ…!もう十分じゃねぇかよ…!!」
レーダーに、いきなり反応が生まれた。
また、消えて現れる相手のようだ。
アネポルノハネと表示されたそれは…灰ピクミンの前に、
空間をバキバキと粉砕しながら…急に現れた。
「ブラボー、ブラボー!よくぞ…邪魔な生物を片づけてクレタネェ。
流石は、ヒーローさんだ。コレでボクは コノ星の…イヤ!全ウチュウの 支配者とナルのダ!」
頭に触手みたいなものが沢山はえている王冠をつけた、真っ黒の球体が現れた。
イモートノハネとは違い、コウモリのような大きな羽根をしている。
二つの黒目が無い空虚な目玉と、大きな口。しかし口からは涎がだらだらと垂れていて…
その奥から、更にもう一つの真っ赤な眼球が灰ピクミンを睨んでいた。
そして…黒い球体から、大きく、太く、巨大な腕が二つ…あった。
計10本の指がまるで別の生き物みたいに動きながら…灰ピクミンを狙っていた。
悪夢王のような黒いおどろおどろしさと、イモートノハネの様な狂気性。
「こんな奴…相手にしろってのかよっ…!!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 9/11(Tue) 15:46[12808]
++ 新屋   (常連少将)…890回   
アネポルの?わかんない。元ネタ知ってると台詞が合ってるのがわかる。
これが弱くなければ今度こそどうしろと。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 9/11(Tue) 17:21[12809]
++ 雲   (ピクミンの大神)…642回   

「こんな奴…相手にしろってのかよっ…!!」
…灰ピクミンは立ちあがる。左足が折れていて歩けない。
と思ったが、立ってみるとまだギリギリ歩けるみたいだ。
どうやら完全に折れた訳ではないらしい。
だが、そのダメージは本物だ。
とても戦える状態ではない。
「うー!うー!カリスマ性!wiiのエクストラ難しいっ!
ぎゃははははっ!ぎゃははははははああっ!!まほらばっソウル!」
…こいつは、まともに話せる相手じゃないようだ…。
「何が宇宙の支配者だ…何がカリスマ性だ…ふざけやがって…!!」
立っているのがやっとの灰ピクミンは…そう言って強がるのが限界だった。
「くはっ…くははっ…ブラボー!おお!ブラボー!!」
…アネポルノハネが…スッと手をかざすと、正面の空間が破壊された。
中から暗黒の空間がパックリと口を開き…周囲の草も、土も、石も…吸い込み始めた。
当然、灰ピクミンの身体も浮きあがり…吸い込まれそうになったので、慌てて近くの草を掴んだ。
「なんだこりゃあ…ブラックホール…!?」
あの暗黒の空間に飲み込まれたら…おしまいだ。
それは灰ピクミンもなんとなく感付いていた。
吸い込まれないように…必死で地面にしがみつく。
「全部飲んじぇえ!真理の扉!銀の匙!スプーン付き!」
そんな状態で…更にアネポルノハネはその手でもう一か所…何もない空間を破壊する。
もう一つの破壊された空間からは…真っ黒のトゲが飛び出した。
そしてトゲは…吸い込まれないように精一杯な灰ピクミンに飛んでいき、背中に突き刺さった。
「ぐあああっ!くっ…そっ…!!」
完全に遊ばれている。
死に底ないに…ここまでの仕打ち。絶望的な状況は変わらぬまま。
「まだだ…!まだ…!」
灰ピクミンは爆弾を作る。
だが…投げても投げても、ブラックホールの方へと吸い込まれ…アネポルノハネには当たらない。
「あはははあっ!新作!新作!日本での発売日はにせんじゅーいち年じゅー月にじゅひち!
声はおおもっ!オおモとサんっ!マスターくらウん!虚言の魔っ!」
更に空間を破壊し…その中から、巨大な氷で出来たハンマーを取り出した。
「なんだあれ…ウソだろ…!?」
それを、地面に向けてふりおろす。
地響きと共に、地面が凍りついていき…灰ピクミンが掴んでいた草も凍ってツルツルになってしまう。
「なんだよコイツ…どんだけ技持ってんだよっ…!!」
凍った地面のせいで手が地面から離れて…そのまま空中に浮かびあがり、ブラックホールの方へと吸い込まれてゆく。
「しまっ…たっ…!!!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 9/14(Fri) 01:23[12813]
++ 赤い   (種ピクミン)…57回   
灰ピクミンって蕾ピクミンだったんだ。

敵の姿をある程度想像してみたら・・・悪魔みたい・・・。

(HKRbf39.yamanashi-ip.dti.ne.jp).. 9/14(Fri) 19:11[12816]
++ 新屋   (常連少将)…891回   
やっぱその姉かい…だったらあの戦車もやってくれよう
ブラックホールやったまんまでかいトゲやハンマー、で、氷かあ。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 9/14(Fri) 23:42[12817]
++ 光   (種ピクミン)…24回   
雲さん、ひかるです
是からの話の展開はどうなるんですか?、気に成ります
是からも身体に気を付けて頑張って下さい

(FL1-119-244-159-211.oit.mesh.ad.jp).. 9/16(Sun) 00:35[12818]
++ 雲   (ピクミンの大神)…643回   
赤いさん
感想いつもありがとうございます。
まるで悪夢の次は悪魔という感じです。
ピクミンという非力な存在では絶対に勝てないような絶望的な相手を用意するのがやはり盛り上がるかな、と思いました。
どう考えても勝てないような相手が、突如、何の前触れも用意もないまま現れるという不条理さを売りにしています。

新屋さん
ブラックホール攻撃は忠実に再現。
やはりボロボロの時にそれよりも強い相手が現れてこないと盛り上がらないかなーと思ったので、
どうしようもない状況までとことん追い込んでみました。
つまり、キリングタイムにおける「いつもの展開」という奴です。
極限で試される精神を感じて作っていきたいです。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 9/17(Mon) 17:12[12822]
++ 雲   (ピクミンの大神)…644回   

だが、アネポルノハネは何を思ったのか…飲み込まれるよりも前に、ブラックホールを閉じてしまった。
…アネポルノハネに疲労の表情が見える…どうやら、長い間あんな空間を出してはいられないようだ。
空中でブラックホール空間がいきなり閉じてしまった為、地面に落下して灰ピクミンはまたも地面に叩きつけられる。
凍った地面の凍った草はまるでトゲみたいに、灰ピクミンの皮膚に突き刺さった。
「ぐあああぁつ…助けっ…」
誰も助けてなどくれる訳が無い。
這いながら…逃げようとする生物を、追いかけて殺した自分が、今度は逆の立場になっている。
「俺は…あいつらとは違うっ…!自分を切り開くのは…自分だけだっ…!
逃げてたまるか…命乞いしてたまるかっ…!!う…うぉぉぉぉおおおっ!!」
立ちあがる。全身を血にまみれさせながら…。身体中に刺された穴が開いている。
…相手は疲労している。今の内に爆弾を投げればっ…!!
「がっ…あああああああっ!!」
だが、全身が言う事をきかない。
ボロボロの身体が…停止を、休息を求めている!
「動けっ…早く動かないとっ…アイツがっ…復活するー…!!」
「あひっ…あひっ…まほらばっ!ブラボー!」
アネポルノハネの身体が電流を帯びている。
まだ…技を残していたようだ。
バチバチと、電撃の光を放ちながら…その手を、灰ピクミンの方へと伸ばしてきた。
「やめっ…うそだろ…おいっ…!!」
ピクミンは…電撃を食らえば一撃で焼き殺される。
その攻撃は…灰ピクミンにとって、あまりにも危険だった。
奴の身体の、どこに触れても死んでしまう。
そんな奴の、手が、指が、こちらに…向かってくる。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..10/ 3(Wed) 16:49[12826]
++ 新屋   (常連少将)…892回   
ピクミンより小さい草は少ないから穴って大穴だよね…
爆弾を出せれば倒せるがちょっと…
そういえばブラックホールといってもずっと出しはしないなあ。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp)..10/ 3(Wed) 22:29[12828]
++ 雲   (ピクミンの大神)…645回   
新屋さん
感想いつも感謝しています。励みになります。
ブラックホールの吸引で全ての軌道はブラックホールへの方向へ向かってしまうのでかなり爆弾使いには厳しい相手です。
おまけに即死技の電撃や氷、針。過去最強…ではないにしろ、序盤でしかも既にボロボロの主人公には辛いかもしれません。
っていうか辛いどころじゃないですね…。
穴はかなりの大穴でございます。





(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..10/ 6(Sat) 00:50[12831]
++ 雲   (ピクミンの大神)…646回   
「はあっ…はああぁつ…!!」
逃げろ。逃げろ逃げろ逃げろ。
逃げないと…破壊される。
全身を焦がされて…すぐに絶命する。
だが、身体が動かない。
爆弾の粘液も出て来ない。
「動けっ…う…うぁぁぁぁぁああああああっ!!」
まるで、崩れ倒れるように…四つん這いになりながら、
いや、左腕が無いから3つん這いになりながら…その場を離れた。
その一瞬後、アネポルノハネの指がさっきまで灰ピクミンの居た地面を突き刺し、
電流と共に空間ごとブッ壊した。
「ぐ…ぐぅ…。はずしたっ…!ブラボー!まほらばっ!」
灰ピクミンは、動かない足を精神力で踏ん張り動かしながら、
必死で距離をとる。何度も転びながら、何度も起き上がり、その場を逃げた。
転ぶ度、地面の凍った草が突き刺さる。
立ちあがる度、足の裏が極限まで凍った地面と接する為…皮膚がくっついて、氷がベリベリッと皮膚をはがしていく。
手のひらの皮膚も、足の皮膚もぐちゃぐちゃにはがれて、身体はどんどん血にまみれていく。
「はあっ…ああああっ…!」
そして…凍った地面の冷たさは…体力を嫌という程に奪っていった。
だが…止まる事は許されない。
アネポルノハネは灰ピクミンを追いかけているのだ。
「俺は…あいつらとは違うぜ…ただ逃げてた訳じゃねぇ…これを待ってた…!!」
灰ピクミンを追いかけてるアネポルノハネのすぐ下には…
「追いかける」という都合上、そして「空中を浮遊しながら追う」という
べアード達特有の性質上、必ず灰ピクミンが垂らした血が真下にある。
…灰ピクミンは…それを待っていた。
「ちょっとした爆発だが…それでいい。それで…十分だ…っ!!」
血に混ぜられていた…少量の爆液が…爆発を起こす。
すると、地面の氷を完全に粉々にするのではなく…割って、上空に巻き上げる。
凍った地面のプレートが…舞い上がってアネポルノハネに思いっきり命中し、
手や顔にざっくりと突き刺さった。
「ぐああああっ!!ぶらぼぉっ!」
…だが、こんなものは致命傷にすらならない。
…しかし、灰ピクミンに出来るのはこれが限界だった。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..10/19(Fri) 03:20[12833]
++ 雲   (ピクミンの大神)…647回   

「はぁ…はぁ…」
ボロボロで、そんな状態で圧倒的な相手を前にして…
ここまでの芸当を精神力だけでやってのけた。
それだけでも、彼は十分やった方だ。
だが…
「負けは…負けだよな…」
前に、進まなくてはならない。
自分に満足できる死に方ではない。
自分に不満足な形でも…貪欲に生。
ただ、ひたすらに…貪欲に…不格好に…それでも、この不条理な現実に、絶対的な生を。
「俺は…どうあがいても生きられない…!?そんな事…あってたまるか…!」
証明してやる。
この程度の試練が…なんだ。
彼は、ヒーローは、幾度となく…絶望の中で、掠れそうな、途切れそうな生命の中で…
渇望し、希望を求め、絶望を振り払い…ただ、暗闇を照らし続けてきたのだ。
その姿が、この戦いを知らぬ者の目にとまる事となる。
リリシアとの出会い…それは、偶然にして必然。
彼が幸せに身を投じる事が出来るかどうかの…壮大な賭け事。
のるか、そるか、賽は投げられた。
ヒーローの乗った船は…大穴そのもの。
「うががっ…ぎひひっ…!」
そこに、アネポルノハネは…本物の「大穴」を開けた。
またしても…「ブラックホール」を、空中にいきなり出現させた。
空間が割れていく…もうすぐ、圧倒的な吸引力での「吸い込み」が始まる。
「あれが来たら…また身動きが出来なくなる…!!そしたら…またアイツの攻撃がっ…!!」
…その時、灰ピクミンに…一つだけ、微かな…打開策が閃いた。
成功するかは解らない。
そもそも、自分がこれ以上うごけるのかすらもよくわからない。
朦朧とした頭の中と…動かない左足と、ギリギリ動く棒みたいな右足。
そして、動かす度に激痛が走る右腕。
…頼れるコイツ等を武器に…灰ピクミンはまた、無様に走り出した。
倒れながら、這いながら、また立ちあがっては倒れながらの…きたない動きで、ある位置へと移動した。
吸引が始まって…身動きが取れなくなる前に。
そうこうしている間にも、アネポルノハネは空間を指でいじって、更にこじ開けている。
ブラックホールがどんどん広がっていく…あれが周囲をのみこみだしたら…大変な事になるだろう。
灰ピクミンは急いだ。
己の為。自分を押しとおす為。
自分の存在を、この小さな小さな肉体が存在してもいいという事を、この世界に送信する為に。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..10/27(Sat) 17:32[12835]
++ 雲   (ピクミンの大神)…648回   

「俺の身体…動けっ…!!もうちょっとだけ…動けぇぇえぇえええ!!」
その姿を見て、アネポルノハネは気が付いた。
…今、灰ピクミンが移動しようとしている位置は…アネポルノハネの後ろ。
もしブラックホールが吸い込み始めたら…ブラックホールに到達するよりも先に、
アネポルノハネに超接近できる。そんな場所に居たのだ。
「ぐげっ…!ハスター!いあいあっ!」
焦って…そう口にする。だが…もう遅い。
ブラックホールがどのくらいの大きさまで空間が割れたら吸い込みを行うかは…
さっきのブラックホール攻撃の時に、既に灰ピクミンは確認している。
…もう、起動する。
「うらぁぁぁっぁあああっ!!」
灰ピクミンの身体は飛び上がった。
ブラックホールの吸い込むエネルギーに逆らわず、アネポルノハネへと飛んでいく。
「ブラボーっ!!ぶらぼっ!」
アネポルノハネは、身体に電撃を纏おうとした。
しかし…ブラックホールは体力を使う。
吸い込みが発動したばかりだという時に、同時に電撃は行えない。
出来る事と言えば…もう一つ空間をこじ開けて、トゲを発射する事くらい。
…当然、アネポルノハネも馬鹿ではない。
既に…行っていた。
「うらぁぁぁっ!!」
アネポルノハネへと爆弾を、最後の力をふり絞って…限界まで投げまくる。
ブラックホールの吸引も相まって、物凄い早さでアネポルノハネへとクリーンヒットしていく。
だが…アネポルノハネはひるまない。なかなか破壊されない…タフさも兼ね備えていた。
「うぃー!うぃー!wiiiiiiiっ!!」
幾つも空間を割って、トゲが無数に灰ピクミンへと飛んでくる。
灰ピクミンは避けない。避けるくらいなら、爆弾を一発でも多く投げる。
トゲは身体中に突き刺さった…串刺しみたいな状態で、それでも、
爆弾を創り出す部分であり、生命線である頭だけは、爆風を使いなんとか守っていた。
だが、とうとう守り切れずに…その右目にトゲが突き刺さり、思い切り潰される。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..10/27(Sat) 21:25[12838]
++ ゆんち   (種ピクミン)…2回   

あれ主人公死にそうだな…
展開が楽しみです

(i118-19-84-4.s04.a014.ap.plala.or.jp)..10/29(Mon) 16:05[12843]
++ 雲   (ピクミンの大神)…649回   

…と、ほぼ同時だった。
アネポルノハネの身体にヒビが入り…破壊され、
ブラックホールを出していられなくなって、閉じてしまったのは。
トゲも全て閉じてしまう。
アネポルノハネが地面に墜落する。
灰ピクミンは手をのばし…アネポルノハネの身体にしがみつき、爆液をかけ、爆発させた。
「さっさと…ブッ壊れろよっ…脳漿ぶちまけろってんだよっ…!!」
「虚言の魔術師!虚言のっ!虚言のっ!オトモダチっ!」
その大きな両腕が、灰ピクミンを掴んだ。
腕は…灰ピクミンの左足を、恐ろしいパワーで思いっきり空間ごと毟り取った。
「うわぁぁぁぁっ!があぁあっ!」
「虚言っ!虚っ!きょぉぉぉおおおおお!!!」
更に…強いパワーで、今度は右足をちぎり取ろうとする。
だが…灰ピクミンの右足がバキバキと折れていくと同時に、
爆発を浴びせられ続けたアネポルノハネの頭も、どんどんどんどんバキバキと破壊されていく。
「早くっ…壊れろよっ!壊れっ…」
灰の激痛による意識は…遠くへと持って行かれそうになる。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..11/ 3(Sat) 00:02[12845]
++ 雲   (ピクミンの大神)…650回   
ゆんちさん
感想ありがとうございました!
毎度、飽きさせないように展開に気合いを入れていますので、これからも読んで下されば幸いです。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..11/ 4(Sun) 00:10[12848]
++ 雲   (ピクミンの大神)…651回   

もう、十分精神力は使い果たした。体力などとうに尽きた。
原動力としていた魂も…稼働に限界がきている。
だが、それでもヒーローは何故動くのか?
血にそまりながら、臓器をぶちまけながら、救いを求め…もがき…どうしてここまで動けるのか?
…それは、彼の才能。
最高にかっこ悪い…世界一かっこ悪いヒーローの…唯一できる才能なのだ。
ぐちゃ、と…聞き心地の悪い音がして、アネポルノハネが動かなくなった。
灰ピクミンは…左腕も、両足も無くて、右腕の指もトゲで持っていかれて、人差し指一本しか残っていなかった。
傍から見れば…ただの死人にしか見えない。
全身に開いた無数の穴。潰された右目。何度も転んで曲がり、折れて、殆ど残っていない歯。
身体中の皮膚が破けて、全てが真っ赤に染まっている。
…こんな状態で、ヒーローはギリギリ生きているというのだ。
身体中から流れる血という血を…ガリガリとした体表がなんとか食い止めているが、流石に限界がある。
いくらホコタテ星人とは違いピクミンであるからといって…これで生きているのは、奇跡に近い。
…リリシアは、その様子を見て…驚きを隠せないでいた。
「…すごい。すごーいっ!ほんとにすごいっ!
じゃあ…約束通りに…転送してあげるねっ!
今度は、もっと…もっともっと…楽しく遊べる場所だよっ!!」
…ヒーローは、このまま黙って放置されていれば死んでいた所だった。
あと10秒も持たなかったであろう。

…本当に、キリングタイムの為にあるべき才能を持った…ピクミン。

…灰ピクミンが目を開く。そこは…「樹海のヘソ」だった。
「ん…確か…ここは…!?」




第3話 END

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..11/14(Wed) 02:25[12850]
++ 雲   (ピクミンの大神)…652回   

ホコタテの怪物調査書
「DDD」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
様々な姿に擬態している。
大きい者から小さい者。
時には生物とは思えない姿にまで擬態するが、
全ては繊維を集めて作ったもので、着ぐるみみたいなものである。
中には毬藻が進化した生物が入っていて、そのダークな色から
DDDと名づけられた。
繊維質を身にまとっているため、電気をためこんでおり、
着ぐるみを破壊されると電撃を発して攻撃してくる性質がある。

「サンソベアード」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
血液、体液には物質を溶かす効果があり、その抗体の無いサンソベアード以外の存在はドロドロになる。
元はやはり毬藻。
内部は緑色の触手で、内部の姿でも生きていく事は出来る。
肉体は頭のリングが周囲のエネルギーを吸収するのでいつまでも損傷を回復し続ける。
なので捕食の必要は無いらしい。
しかし頭のリングを破壊されたら二度とリングは再生しないので、
捕食活動をして生きていくしかない。
リングは脆いが、それをかばう様子も無いので、自らの強さに自信があるのだろう。

「イモートノハネ」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
吸血鬼を研究している際に、このイモートノハネの羽根が
研究しているその吸血鬼の羽根の形と同じだったため、
「その吸血鬼の愛称と羽根」という意味でイモートノハネと名づけられた。
氷を発射する際は、とても小さい声で「あたいっ!」と鳴く。
その発声によって口内を氷結化する成分が出るらしい。詳しい事はわからない。
なお、一番毬藻っぽくない姿だが、元は毬藻。
もしかしたら本当に吸血鬼の血でも混じってしまったのかもしれない。
しかし確認する術は無い。
それと余談だが、「瓜」がどうのこうのと言いながら
石の仮面の話をする時もある。
そして調子に乗ると「無駄」と何度も言いまくる。
といった奇行も見られるが、これについても現在研究中。
好物はオニオンリングで「オニオンリングを食え」と連呼する。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..11/18(Sun) 23:33[12852]
++ U川   (種ピクミン)…23回   
世界一かっこ悪いヒーローの……というあたりがかっこよく感じました
これからはどんなかっこ悪さを見せ付けてくれるのでしょうか?
第3話終了、お疲れ様です

(i223-217-53-3.s41.a008.ap.plala.or.jp)..11/20(Tue) 22:21[12853]
++ 光   (種ピクミン)…24回   
今晩和、雲さん、ひかるです
第3話終了、御疲れ様でした、今度の話はどんな展開に成るんでしょうか?、とても楽しみです♪
是からも身体に気を付けて、頑張って下さい

(FLH1Aax008.oit.mesh.ad.jp)..11/22(Thu) 04:03[12854]
++ 雲   (ピクミンの大神)…653回   
U川さん
感想ありがとうございました。とても励みになります。
これからも、このカッコ悪いヒーローの活躍を見守ってくださればこれ以上ない喜びです。
これからも努力しますので、宜しくお願いします。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..11/24(Sat) 02:49[12858]
++ 雲   (ピクミンの大神)…654回   

「フライデーベアード」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
20面体の全てに目があるため死角は存在しない上、
普段は全ての攻撃を受け付けない頑丈な皮膚を持っている。
そのため何もしなければやられる事は無いが、
攻撃しようとした時は肉体を分子レベルまで一度分解して
様々な形、まったく別の存在に変化するため、
その時に攻撃を食らうと覚えていた分子の並びが滅茶苦茶になるため、
元の20面体に戻る時に破壊が生じるという事らしい。

「ミラーベアード」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
全く攻撃せず、攻撃されれば鏡を体液から生み出して跳ね返すのみ。
ただそれだけの存在。

「シンプルベアード」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
体内で沢山のDDDを産み出す事が出来る。
母体の様な役割。
これが少し進化したものがサンソベアードで、
サンソベアードは正確にはシンプルベアード2というのが正しい。
実はサンソベアードになってからもDDDは産むらしい。
体内で作ったDDD全てを一気に放出すると肉体が破壊されるので、
困った時にしかやらないようだ。

「スターベアード」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
毬藻なのに星型という変わった姿。
様々な攻撃方法があるが、その全てが弱い。
その割に偉そうにふるまい、親玉みたいな位置でふんぞり返る。
本当は狩りが出来ないからやってもらっているだけらしく、
そもそも狩りの仕方もわからない。頭が悪い。
一つ目だが、殆ど見えていない。目も悪い。
何も聞こえていない。耳も悪い。
しかし大きい音を出されると気分が悪くなって死ぬ。
耳が悪いからって大きい声で喋っていいわけではないという事らしい。
においとかもわからない。鼻ももちろん悪い。
さみしいと死ぬから近くに誰か居ないとこれまた死ぬ。
暗い所とか狭い所とか好きで、宝箱の中が一番好きらしい。
驚いたら死ぬから宝箱はゆっくり開こう。
ちょっとぶつけたら死ぬ。
雨に濡れたら死ぬ。
豆腐を投げたらスターベアードの脆い体は破壊されるが、
豆腐は全く崩れない。
極端な話、風が吹いたら死ぬ。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..11/25(Sun) 02:40[12860]
++ 雲   (ピクミンの大神)…655回   

「悪夢王」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
透明になるという訳ではなく、
生命反応から何から何まで完全に消滅する事が出来る。
この不思議な能力に関しては本当に何もわかっていない。
しかし、アメボウズのように別次元の空間を移動しているのではないか?
という仮説があるものの、不確か。
知能がちゃんとあり、どこの言語でもすぐに喋られる。
その点では、マリマーが作った生物の中でも最高傑作といえる。
元は毬藻だが、内部で動きやすい人の形を作り、
まるで卵から生まれたみたいに人に擬態できる。
星を飛ばしてくるが、これは血液を高速噴出してその際に固まったものが、
偶然星型だったというだけに過ぎない。


マリマーメモ
「毬藻からこんなにも凶暴な怪物が生まれるとは予想外でした。
知能は全体的に高いという特徴があるので、
毬藻での改造は本当に成功したと言っていいでしょう。
改造結果は様々で、統一性が無いように思えますが、
実はこの毬藻の生物は全て、電気が主食らしいです。
スターベアードすら電気は食らわず、黙々と吸収を続けるらしいですよ。
学名はティンクル・ポポ。もしくはポポポと呼ばれています。
ちなみに鳴き声を出している『口』の部分は全身にあって、
電撃も全身から吸収します。
まぁ、皮膚に細かい穴が幾つも、
ビッシリと開いている…といった方が良いでしょう。
その穴の全てで声を出しているという訳です。
イモートノハネも普通に口がある癖に、
皮膚に細かい口が沢山あるのが立証されました。」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/ 9(Sun) 02:21[12862]
++ 雲   (ピクミンの大神)…656回   

リリシアのマリマーを元に作られた概念人形。

「ドロシーべアード」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
絵の具をかためただけのような皮膚をしているが、実際、その皮膚は余り固くない。
どちらかと言えば弱い方。
しかし、その柔らかい皮膚をうまくくねらせて、
地面からその皮膚の一部を発射させるという形で獲物を捕る。
自分が人気者だと思っている節があり、
何かと主張したがる。
リリシアが「人魚姫」の絵本を読んでいた時に思いついた人形だそうだ。


「アミ―ボべアード」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
毛糸のような形の触手で覆われており、
ある意味では一番毬藻らしい姿をしていると言える。
一本一本の触手を自在に操れるが、
絡まってしまう事も多く、その場合は解くのに苦労するらしい。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/15(Sat) 02:34[12863]
++ 雲   (ピクミンの大神)…657回   

「アネポルノハネ」
元ネタ・ピンクの吸い込んだりする奴が活躍するゲーム
完全に消滅出来る悪夢王と同等の能力を持つが、
アネポルノハネの場合は原理が少し違う。
アネポルノハネの場合、空間を破壊する事が出来て、
その中に潜り込む事で消滅している様にみせる事は出来るが、
悪夢王とは違い、向こうの空間からこちらの空間は分からない為、
不意打ちの点でも防御性能においても「完全に消滅」する悪夢王には劣る。
実はアネポルノハネは空間を破壊している訳ではなく、
正確には空間に対して「仮想の空間」を重ねているだけで、
それは「空中に箱をつくりその中に隠れる」といった程度の性能でしかない。
別の次元空間に行き来できるという訳でもなければ、空間を捻じ曲げるという訳でもない。
しかし、仮想の空間内だけはアネポルノハネが
自由にその分子までもを組み替えられる世界なので、
例えば向こうの空間の温度をくみかえて氷の塊を持ってきたり、
それを周囲の空間に伝達させたりも出来る。
仮想の空間を直接相手にぶつける事もできるが、
普通にぶつけても元々そこにある物体の方が強度があるため、
細く、トゲのようにして突き刺す方法を使う。
ちなみに、仮想の空間をどんどん大きくすれば、
周囲の空間ごと飲み込んで本当に入れ替えてしまう事も可能ではあるらしい。
しかしそれは吸い込むだけ吸い込んだ所で、本人が疲れてしまうので不可能。
ちなみに仮想空間を身体に常に貼り付けているので、
肉体に到達するまでに仮想空間がある程度身代わりをしてくれる為、ダメージを軽減できる。
ちなみに科学的には仮想空間の仮説は不確かであり、
この人形は非現実的であると言わざるを得ない。
最後に、電撃を放つ攻撃は単純に電撃を主食としている彼らのいわゆる「嘔吐」であり、
あまり行儀の良い行いとは言えない。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp)..12/26(Wed) 02:00[12865]
++ 雲   (ピクミンの大神)…656回   
http://bbs15.aimix-z.com/mtpt.cgi?room=shouseth&mode=view&no=126

要望があったので、旧作の第三話をあげておきました。
上記からどうぞ。
:は半角に変えて下さい。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/ 5(Sat) 04:10[12867]
++ 雲   (ピクミンの大神)…657回   

第4話「混沌を望む者」




概念となったリリシアは、また、何もない空間をポチッと押した。
…そこに、残滓となっていたマリマーを、散り散りになる前に…ほんの少しだけ復元させた。
「…おや、復元したのですか…。ですが、これでも何分持つかどうか…。
で、リリシア。あなたは…私に、一体何をしたいのですか?それとも、話しを聞きたいとか?」
「そうよ。マリマー聞かせて?ヒーローさんは…あの後、悪夢王を倒した後、
一体どうなってしまうのかを…!それを聞かないと、彼と遊ぶ場をどうやって作ればいいのか解らないわ」
「そうですが…。では、悪夢王を倒した所から話しましょう。
彼は…実際の世界では、茶に悪夢王を倒して貰い、自分だけ生き残ったんです。
そして、私が企画者であったと知り…
そして仲間を失い…これ以上ないほど、絶望していたのです…。そんな状態で転送された彼は…!」
世界は、マリマーが話している間だけ…偽りの世界から元の世界へと戻る。
灰ピクミンが、アネポルノハネや…リリシアを経験していない方の世界へ…だ。


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/ 7(Mon) 18:03[12869]
++ 雲   (ピクミンの大神)…658回   


目覚めると、そこは目覚めの森だった。
「お…俺一人…」
もしも前みたいな怪物の数だったら…きっと自分だけでは勝てない。
恐怖に包まれる。
「敵の数は…?」
レーダーで確認しようとしたが、
既に目の前に一匹、既に生物が見えた。
「ぶげげげげげげげげ…」
普通のホコタテ星人だった。
しかしホコタテ星人にとってこの星は猛毒の星だ。
つまり、これが怪物という事だ。
「よ…弱そうだ…」
ホコタテ星人に擬態でもしているのだろう。
足が普通に比べて極端に短い。
あまりに短く、歩きにくそうだった。
レーダーを見ると、「タンソク」と表示されている。
「ぶげげげげげげげ…」
殺さなければならない…これはマリマーの怪物だ。
爆弾を作り、投げつける。
吹っ飛ばされ、すぐに死んだ。
「…弱い…な」
スターベアードは攻撃しても弱かった。
だからスターベアード程ではないかどうかはわからないが、
同等かそれ以上に弱い。
これなら、いけるかもしれない。
だが…やはりボスは居る。
こんな事では終わらないだろう。
「僕のこと?」
マリマーの言っていた敵が現れた…。
ホコタテ星人そのままの姿だが、ありえないくらい頬がこけている。
まるで骸骨だ。
しかも今度は、服を着ていない。
全裸でこっちを見ていた。
「…殺す!」
爆弾をぶつける。
爆破して、簡単に死んだ。
「あとは…!」
レーダーを見る。
あと三体で終わりだ。
「前みたいな数じゃない…!
俺一人でも行ける…いけるぞ!」
やはり「予備」の奴らだ。
コイツ等を片付ければ、今度こそマリマーを殺せる!

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/ 8(Tue) 20:26[12871]
++ 新屋   (常連少将)…893回   
あ、こういう方式なのか。一旦偽りの世界が終わると。
その後メタフィールドみたいなのに切り替わると。

(73.31.3.110.ap.yournet.ne.jp).. 1/14(Mon) 23:49[12873]
++ ゆんち   (種ピクミン)…3回   


前回とはまた違ったおもしろさがあっていい!!
はやくつづきがみたいですね^^

(113x34x53x194.ap113.ftth.ucom.ne.jp).. 1/15(Tue) 13:13[12874]
++ 雲   (ピクミンの大神)…659回   
新屋さん
一応新作扱いで投稿しなければいけないと思ったので、新カットを含めつつ過去を振り返っています。
4話も続けて頑張っていきたいです!

ゆんちさん
2種類の平行した話という、なかなか混乱を招く物語ですが、一度完結した物語だからこそ出来る事ですよね…これからも更新していきますので御期待下さい!


(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 1/22(Tue) 00:58[12876]
++ 赤い   (種ピクミン)…59回   
灰ピクミンはあちこちの世界にいるのですか?
それとも灰ピクミンは回復してワープしているんですか?

(PPPbf312.yamanashi-ip.dti.ne.jp).. 1/29(Tue) 18:57[12877]
++ ゆんち   (種ピクミン)…4回   


前作の茶ピクミンがめっちゃかっこよかった!!

期待してます

(113x35x237x98.ap113.ftth.ucom.ne.jp).. 2/ 5(Tue) 16:31[12878]
++ 雲   (ピクミンの大神)…660回   
赤いさん
質問ありがとうございます。
世界はひとつしか存在せず、灰ピクミンは一匹しか存在しないのですが、三話中盤でリリシアが世界ごと灰ピクミンを創り出してしまったのです。
なので現時点では二匹。1、2、4話の灰ピクミンも過去の会話からの回想なので一匹と考えて頂いて構いません。
「パラレルワールドの話」ではなく、「二つの世界を舞台にしている」のをご理解下さい。
それと、灰ピクミンは回復と転送を繰り返していますが、それは二つの世界を行き来している訳ではありません。
質問ありがとうございました。
これからも何か疑問があれば、お尋ね下さい。


ゆんちさん
感想、励みになります。
今作では簡単にやられてしまった茶ピクミンですが、こうして見ていてくれる方がいて嬉しい限りです。
今後も応援してくれると嬉しいです。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/ 9(Sat) 22:39[12883]
++ 雲   (ピクミンの大神)…661回   

「ダガザァァァァァアァアァン!」
大きな声が聞こえる。
名前は「ハゲオンチ」とレーダーには書かれていた。
頭がハゲていて、ホコタテ星人と変わらない姿だ。
だが、さっきの奴らよりも大きい…
「コイツがボスか…!」
残りの二人もその両隣に立っている。
残りの二人は普通サイズだった。
片方は「オドレナイ」という名前で、変な髪型以外は変わらない。
もう片方は「デブ」という名前で、少し腹が出ているだけで変わらなかった。
「全員ふざけた名前しやがって…
おまけにふざけた事言いやがって…!
殺してやる!殺してやる!お前らのせいでみんな死んだんだぁぁぁぁ!!」
八つ当たりでも、あった。それもあるかもしれない。
爆弾を真ん中のハゲオンチにぶつける。
しかし爆風に包まれたものの、傷だらけで出てきた。
「ダガザァァァァァアアアアアアァン!」
「くそっ…やっぱりボスは一撃じゃあ倒せないか…!」
そのまま近づいて、灰ピクミンの首を絞めた。
「ぐっ…はなせ!」
じたばたと暴れる。
しかしハゲオンチのパワーは強く、振りほどけない。
「ヨグモ…ヨグモメンバーブォォォォォォ」
ハゲオンチの顔を見て、驚いた。
彼は泣いていたのだ。
涙目になりながら首を絞めていたのだ。
「ま…まさかコイツ…」
他の二人、オドレナイとデブも近づいてきて、灰ピクミンを殴る。
力は強い。
その一撃は骨が砕ける程ではないが、鉛みたいに重い。
「くそっ…いてぇ…!」
他の二人も泣いていた。
三体全て、仲間の死体を見て泣いている。
「そうか…お前たちも…」
きっとマリマーに勝手に作られて、謎の星に放り出されて…
いきなり俺たちみたいな敵が来て…狩られて…
でも、話せないから分かり合えなくて…
だから対立して…抵抗するしか無くて…
「辛かったのか…お前達はずっと怖かったのか…?」
自分と同じだ。
いきなりキリングタイムなんてゲームが始まって…こんな事をしているんだ。
参加者全員が怖がっている。
死の恐怖と戦っていて…悪人なんか居ない。
だからマリマーは一層楽しいのだろう。
「なんて奴だ…!マリマーの野郎…!!」
この目の前の敵も…多分操られているだけ。
自分もそうなんだと言っても、その言葉は通じない。
分かり合えない。
「殺すか殺されるかしか…無いのか?」
痛い。
これ以上殴られたら、俺は死んでしまう。
「どうしてだよ…どうしてだよっ!!」
いやだ。もう、いやだ。
「どうしてお互いに悪くないのに…みんな傷つかないといけないんだよっ!」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/14(Thu) 20:07[12886]
++ 赤い   (種ピクミン)…60回   
・・・なんとも可哀想な敵ですね
元はちゃんとしたホコタテ星人なのかもという想像が出来ますね
マリマーの事なら遺伝子改造も出来そうですし・・・

(PPPbf312.yamanashi-ip.dti.ne.jp).. 2/16(Sat) 10:15[12887]
++ 雲   (ピクミンの大神)…662回   

頭から爆弾粘液をつくって、ハゲオンチにぶっかけた。
ハゲオンチは爆発する。手も放れた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
灰は走って逃げ出す。
ハゲオンチがレーダーから消えた。
また殺してしまった。
デブとオドレナイも追っかけてくる。
「く…くっそぉぉぉぉぉ!!!」
全力で走るが、相手の方が速かった。
やっぱり敵は強い…殺さなければ死んでしまう。
しかも制限時間まである。
今回の制限時間は15分しかない。
もうあと10分逃げ切るのは不可能だし、時間内に倒せなかったらこっちが死ぬ。
「俺が勝っても相手が勝っても…マリマーは喜ぶ…!
マリマーは勝った方に永久にゲームを続けさせる…!」
もう何をしたいかなんてわからなかった。
大体、これに勝ってもあの部屋に来る。
マリマーには辿りつけない…
従い続けるしかない。
理不尽な死。罪悪感を押し殺しながら、マリマーを楽しませるために殺し続けるしかない地獄。
爆弾を後ろの二人に投げつければそれで終わる。
でもゲームは終わらない。
仲間も居ない。
「何をしている?」
チャッピーに話しかけられた。
目覚めの森に元々住んでいる生物だ。
「…ピクミンか…!食ってやる!」
この相手は敵なのだろうか?
捕食は誰だってする。悪なのか?裁くべきなのか?
「わからない…わからない…!」
殺す事が怖くなった。
殺すことがいけない事なのかもしれないと思い始めた。
自分の事で精一杯で、いつも他人がどう思うかなんて考えもしなかった。
「憎い…知能が憎い…」
喋られなければ良かった。
知能なんて無ければ本能のままに生きて、死ぬべきときに死んだ。
何かを考える事が、こんなにも怖くて、悲しい事なんて思わなかった。
今まで考えられるのに、考えたりしなかった。
泣いたり笑ったりする事に、何の疑問も無かった。
それなのに
「もう何も信じたくない…信じたくないっ!」
チャッピーが襲いかかる。
しかし、襲ったのはデブとオドレナイの方だった。
小さいし珍しい姿だったから、こっちを食おうと思ったのだろう。
デブとオドレナイはそれをひらりと交わして殴る。
チャッピーは痛みを感じ、叫ぶ。
「い…今のうちだ…今のうちに…逃げるんだ…」
こんな精神状態じゃあ考えられない。
考えたくない。
今のうちに逃げよう…どこかに隠れて落ち着こう。
もう嫌だ。みんな死んだ…戦いたくない。




森の中、灰は木の後ろに隠れて震えていた。
何もかもが怖い。発狂して壊れてしまいそうだ。
仲間が死んで…戦う気力も何もない。
「もう…いやだ…」
レーダーを見た。
怪物達は、沢山のチャッピーに囲まれていた。
一匹は死んでいる。
もう「オドレナイ」しか生きていない。
チャッピーも数匹死んでいた。
「俺は…おれはどうしたらいい?」
何をすればいいのか。
必死に生へとしがみついて戦っていた自分は何なのか。
「教えてくれよ…誰か…」
沢山の仲間ができた。
色んなことを教わった。
でも、全て…死んでしまった。

…制限時間が、過ぎた。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 2/21(Thu) 01:17[12890]
++ 雲   (ピクミンの大神)…663回   

無限に広がる宇宙空間の中、永遠とも思える時間の中で…マリマーの残滓はずっと話し続けていた。
向かい合ってそれを聞いている間…リリシアは黙ったままだった。
膨大な科学知識を得た「世界」そのものが、それを聞き…何を思うのか。マリマーには分からない。
だが、マリマーはただ、ひたすらに事実のみを…この長い長い物語を…語り続ける。
「…こうして…ヒーローは…灰ピクミンは…
制限時間内に敵を倒しきることが出来ず…ミッションに失敗してしまったのです」
そう言い終えた時、ようやくリリシアは口を開く。
「…ちょっと、待って?…おかしいよ…ヒーローは何かを救ったんじゃないの?
そんな所でミッションを失敗して…それで物語はおしまいなの?
これじゃあ…今までの話の中に登場してきたピクミン達と何も変わらない…
脆弱な運命に押しつぶされただけだよ!そんな弱い心の持ち主が…
あのアネポルノハネを破壊したって事?マリマー…どうなってるの!?ねぇ…教えてよ!」
…リリシアはマリマーに縋るように…話の続きを求めた。
マリマーはふぅっ…と息をついて、また話し始めた。
「あの後、オドレナイはチャッピーに殺されて息を引き取りましたが…
それは制限時間の後です。灰ピクミンの完全なる敗北…確実なる失敗でした。
ヒーローが最初に経験した…挫折です。
ですが…その挫折こそが、ヒーローを進化させる要因となったのです」
「…どういう…事…?」
「大切な友であった茶ピクミンの壮絶なる死…
そんな友を助けられず、ただ動けずに見ている事しか出来なかった自分の無力感…
生物ならば、そういったものに押しつぶされるのは当然のこと。
当然、ヒーローも挫折した。だが…彼にはまだ、立ち直るチャンスも…時間もあった」
「チャンス…時間…?」
「ミッションの失敗に待つモノは…外敵に殺される絶対的な死です。
しかし…時間内に目的を達成できない事は、イコール『死』ではありません。
普通ならそう考えがちですが…これはキリングタイム。
ルールが開示されておらず…餌達が自ら、
一つ一つを試しながらそれを知っていかなければならない。
灰ピクミンは偶然、『死』には該当しないミッション失敗を踏んだのです」
「彼は…どうなったの?」
「彼は、今まで勝利してきた商品を貰う権利がありました。
灰ピクミンの今まででクリアしたミッション…
『ガイコツ』の時のミッションはクリアできていないから
『宇宙ウサギ』『イチハラー』『サンソベアード』の
3つのミッションのことです。
一つにつき1年…弱肉強食に怯えず、生きられる権利を貰えるんです」
リリシアは…ヒーローの物語が終わっていない事に安堵したのか、また聞く体勢に戻る。
マリマーは続ける。
「勝利者が栄光を手にするのはゲームとして当然の権利です。
彼は宇宙ウサギの時にそれを放棄したので、
繰り越しされて三年溜まっているんです。
それを提案すると…灰ピクミンは、
『自分の住んでいたあの惑星に住みたい』と口にしました。
あの弱肉強食の星では死からは解放されないというのに…
彼はもう、何かを考えるのも、
何かが変わるのも耐えられなかったのでしょう…
それから灰ピクミンは、自分の星で暮らしました。
狩りには困らない。何も怖くない。
オニヨンで暮らすよりも、ずっと気ままな生活でした…」

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 3/27(Wed) 04:52[12893]
++ 雲   (ピクミンの大神)…649回   

二匹のアカチャッピーが話している。
「なぁなぁ…知ってるか?キリングタイム」
「なんだよキリングタイムって…」
「昔やってたんだよ。ピクミンを集めて
餌場を作ろうってのを…マリマーっていう神様みたいなイイ人がさ」
「そういや、最近やってくれねぇなぁ。
最後にやったのがもう二年も前か…」
「あ、そうそう…丁度その二年前からこんなウワサがあるんだよ。
世にもめずらしい灰色のピクミンが居て…群れも無しに暮らしてるとか…」
「珍しい色のピクミン?そいつぁ美味そうだなぁ」
アカチャッピーは涎を垂らす。
「だが、なんでもそのピクミンはとっても強いらしいぜ?」
「ふん…どーせ強いっつってもたかがピクミン。
大した事無いっつーの!どこに居るんだそいつは?」
「『戦いに疲れた』とか言いながら、
身を隠してひっそり暮らしてるんだとよ」
「変わってるねぇ…」









灰は、木の上で雲の数を数えていた。
「はぁ…」
あれから、もう二年が経った。
この姿のお陰で狩られる事も無く、不自由の無い生活をしていた。
「でも…」
こうやって生きて…子孫を残し、死んでいく。
生物の生き方って…それだけだろうか?
「俺は…何のために生きたいんだろう…」








銀ピクミンは、特殊色ピクミンの一匹である。
マリマーによってこの色になったのだ。
「今…マリマーは何をしているのやら…」
彼は、第一回のキリングタイムでの生存者。
なのでこの色になる事が出来て、
そしてこの銀色の姿で幾つものミッションをクリアし…最後には、戦いから解放されたのだ。
「第二回のキリングタイムから二年が経った…
果たして、あれに生存者はいるのだろうか…?」
最近、不思議な情報を耳にした。
この辺に、灰色のピクミンが現れたというウワサだ。
「もしかしたら…その灰色の奴も…
ゲームをクリアーし開放された者…なのかもしれんな…」
銀のピクミンは、灰色のピクミンを探しに走り出した。

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/18(Sat) 01:46[12895]
++ 雲   (ピクミンの大神)…650回   

「おい」
木の上の灰ピクミンに、誰かが話しかけた。
「…誰だ?お前は…」
「お前…珍しい色をしているな?
どこでその色を手に入れたんだ?」
そう話しかけたピクミンを見て、灰ピクミンは驚いた。
どこでも見たことが無い、銀色をしているのだ。
「お前は…」
「ふん。悟ったか…キリングタイムを」
「お前も…なのか?キリングタイムに参加させられたのか?」
「お前もあのゲームから…解放されたのか?
ゲームを全てクリアーし…頭の爆弾を取り除かれて…!」
灰は一時的にミッションから遠のいているだけだ。
解放されることもあるなんてルール…聞いたことも無い。
「解放だと?そんな事…出来るのかよ!?」
木の上から降り、銀ピクミンを見つめる。
「ふん…なんにも知らないんだな…
クリアーしたミッションも、
3つか4つ…といった程度だろう」
「お前は…なんなんだ?」
「キリングタイム…ピクミンを大量に誘拐し、チャッピー達に餌場を与える…
ピクミン達はその中で、助かるために化け物を探し、戦い…
生き残った者が更なる化け物を倒していく…ここまでは知っているだろう?」
「ああ…俺もそうだった」
「お前の参加したキリングタイムは二回目に行われたものだ。
俺は第一回キリングタイムの餌にされ…生き残った唯一のピクミンだ」
「俺と…同じ?」
「数え切れないミッションをクリアーし…
解放の権利を得た。沢山の仲間を失ったがな…!」
「どうして俺に会いに来たんだ?」
「俺は…もう一度キリングタイムに参加する。
そのために、お前に会いに来た。嫌とは言わせない」
「ど…どうしてだ?
そんな意味、どこにも無い!
あんな地獄みたいなところにわざわざ行くなんて…」
「俺も最初はそう思った…しかし
戦いを続けるうちにお前も感じた筈だ。
生きるという事はただ、子孫を繁栄する事ではなく…
何かを達成するってことにな…!
俺は、あの戦いの中にいたときは…間違いなく生きていた気がする。
何よりも…誰よりも充実していた…!俺はあそこに戻る…そして果たせなかった事をする」
「果たせなかった…事…?」

「俺はマリマーを殺す」



(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/24(Fri) 13:51[12898]
++ 雲   (ピクミンの大神)…651回   


マリマーの情報
「キリングタイム公式ルール」

・表向きはチャッピー達の餌場として、
ピクミン達を特定の場所に転送し、チームを作らせ、ステージ内を逃げ回らせる。

・ステージ内に居る、マリマー・ヘブライン製作の怪物を殺したチームが、
餌場としての表向きのキリングタイムを解放され、待機部屋に転送される。

・怪物を殺して待機部屋に来れた者には、特殊色に変身する事が許される。
その色は、指定する事は許されていない。ランダム。

・部屋の者には、次にどうするかの選択が出来る。
1、次のミッションをやる(二回目からは餌場にはならない。ただ怪物を殺すだけのミッションとなる)
2、一年間の生活の保障を受け、休暇を貰う。(しかしその後は二回目のミッションを行う必要がある。
3、一回目のキリングタイムで生き残っている者をこの部屋へ転送させる事(この選択をした後、1か2の選択をする。

・一年間の休暇を得ないで次のミッションを行っていった場合、休暇の期限は何年でも溜まっていく。

・キリングタイムに巻き込まれた者には、爆弾が頭に埋め込まれる。
その爆弾がある限り、ピクミンの習性のせいもあるが、ミッションの範囲から出られない。

・ミッションの敵の数は毎回ランダム。
制限時間もその時によって違うし、範囲も毎回違う。

・3の選択をされ、転送されて来た者は、ミッションで一度生き残らなければ特殊色に変身する事を許されていない。

・キリングタイムではマリマーが法であり、神であるという概念の基で行われている。

・参加者は奴隷生物であるピクミンに限定する

(61-27-111-19.rev.home.ne.jp).. 5/27(Mon) 17:16[12900]

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