本文へスキップ

ぼちぼちウォーキングでは,名古屋市周辺のウォーキングをした体験記をまとめています。

愛知県岩倉市:石仏コースISHIBOTOKE

2017年11月探訪。2017年11月19日作成

【コース】 距離:約7.0km
 市北部の石仏駅周辺をめぐります。石仏の地名の由来の稲原寺を始め庶民信仰が生きる社寺や歴史感じる文化財,五条川の自然を訪ねていきます。

≪コース≫ 名鉄・石仏駅〜石仏薬師堂〜鈴井八幡社〜円通寺〜八劔憩いの広場〜八劔社(八劔町)〜松林寺〜来迎寺〜下り松公園〜長遠寺〜七面山古墳〜舩橋楽器資料館〜井上城跡〜神明神社〜八劔社(石仏町)〜覚順寺〜稲原寺〜名鉄・石仏駅


(国土地理院発行 1/25000地形図を利用して作成)



スタート:名鉄犬山線・石仏駅





 今回のスタート駅となる名鉄犬山線の石仏駅は,準急および普通列車のみの停車で,名鉄名古屋駅から準急で約18分,普通で約25分で来ることができます。日中は準急と普通合わせて1時間に4本程度運転されています。特急・急行を利用した場合は,岩倉駅で乗り換えが便利です。駅の改札口を出てスタートしていきましょう。

石仏薬師堂
石仏町長南屋敷1626



 石仏駅を出て目の前の名神高速の高架をくぐった先を左折し,さらにその先の左右の分岐を右に進んで100mほど行くと,左手に「お薬師さま」と地元の人に親しまれる石仏薬師堂があります。奈良時代にはこの付近に長安寺という寺がありましたが,いつしか消滅し,その跡地に建てられたのがこの薬師堂といいます。そのため,本堂は長安寺薬師堂と正式にはいいます。現在の本堂は大正期の再建ですが,本尊の薬師如来がまつられて万病に霊験があると信仰されています。本尊の薬師如来は長らく秘仏となっていましたが,昭和55年に公開されて江戸初期かその少し前に作られたものとわかりました。軒下に懸けられていた鰐口[市文化]は長安寺にゆかりのあるものといい,大田半右衛門尉次良が寛文2年(1662年)に寄進したものといいます。寄進者の大田半右衛門尉次良は関ヶ原の戦いの後に,埼玉県行田市の忍城で徳川家康6男の松平忠吉に仕え,清須城に来てこの領地を拝したと考えられています。





 石仏薬師堂の先の筋を左折し,続く筋を右折して100m強進むと右手に津島神社があります。石仏村の枝郷の長安に奉安された神社といい,万治2年(1659年)の勧請,元文5年(1740年)再建という記録があるといいます。



 津島神社の南には天王公園があり,トイレも設置されています。ウォーキングの休憩地点として活用しましょう。なお,石仏町の個人宅には金銅釈迦誕生仏[市文化]が所蔵されています。総高約11cmの小さな像で,飛鳥時代に建てられたという長福寺と関連する仏薬師寺式の像と考えられています。

鈴井八幡社
鈴井町立切65





 津島神社から南下して200m道なりに進んで名神高速の下をくぐり,突当りを右折して国道155号線を注意して渡り,その先の1つ目の筋を左折して続く筋を道なりに右折し,田園地帯を500m弱進むと右手に鈴井八幡社があります。創建は不詳ですが寛文2年(1662年)の棟札があり,鈴井村の氏神として信仰された神社です。祭神は応神天皇で,境内末社には津島社,洲原社,神明社があります。境内には古い石灯籠が残され,歴史を感じさせます。境内の倉庫には鈴井町獅子館[市文化]があります。獅子館は獅子舞に使う獅子頭を納める祭礼用具で,江戸時代後期にこの地方で多く作られたものの1つといいます。現在は祭礼の際に出されて展示されています。

円通寺
鈴井町蔵前66



 鈴井八幡社から南下して,県道を横断歩道で渡ってさらに200mほど南下すると左手に円通寺(曹洞宗)があります。福寿山と号し,明和8年(1771年)の創建といいます。天明8年(1788年)瀬戸市宝泉寺から観世音菩薩を譲り受けて本尊にしたといい,観音堂と呼ばれ,昭和17年に現在の寺号を得て北にある本町の松栄寺の末寺となりました。本尊は十一面観世音で,江戸時代の石地蔵尊などがあって雰囲気あるお寺です。

八劔神社(八劔町)
八劔町郷159





 円通寺のところを左折して東に300mほど進み,名鉄の踏切を渡ります。さらに400m弱進んで五条川に突き当たったら左折して五条川沿いを北上します。この付近も五条川は桜並木が並び楽しくウォーキングできます。その先の橋を渡って五条川を左に見ながら300mほど北上すると八劔憩いの広場があります。広い面積を誇る公園になっており,この付近はベンチやトイレなどの整備が設けられているので,ウォーキングの際の休憩地点として活用できます。



 八劔憩いの広場から五条川沿いに400mほど進んで,2つ目の橋がある国道155号線を右折すると,少し先の左手に八劔神社があります。創建は不詳ですが,古くから八劔村の氏神として信仰された神社で,八劔という地名もこの神社が由来といいます。松林寺がこの地に移ってからは松林寺の住職が管理したといいます。境内には津島社,秋葉社,厳島社も祀られているといいます。かつて9月9日に行われていたという水かけまつりが『尾張名所図会』にも掲載されて有名といいます。

松林寺
八劔町郷159



 八劔神社の東側に隣接して松林寺(真言宗智山派)があります。八劔山と号し,寺伝によると開創は承応2年(1653年)といい,当初は現在の岩倉市大地町にあったといいこの地にあった神明社を持分にしていたといいます。元禄4年(1691年)に現在地に移転し,この地にあった八劔社を管理するようになったといいます。本尊は長らく観世音菩薩でしたが,現在は薬師如来が本尊といいます。

来迎寺
八劔町郷159



 松林寺の東側には来迎寺(浄土宗)があります。寺の記録によると安永3年(1774年)にこの地の小川九右衛門が浄土宗に帰依して庵を設けたのが始まりといい,享和3年(1803年)に建物が改築されて阿弥陀堂と称するようになったといいます。昭和17年(1942年)に現在の寺号になりました。本尊は阿弥陀如来で,境内の太子堂では聖徳太子像もまつられているといいます。

下り松公園
八劔町郷東14



 来迎寺から国道を300mほど進み,2つ目の信号の1つ手前の筋を左折して150mほど進むと右手に下り松公園があります。公園内には昔五条川で使われたという水車が復元され,公園のシンボルになっています。トイレもあるので休憩地点として活用しましょう。



 公園の西には山神の碑があります。織田信雄が小牧長久手の戦いの際に居城した場所から辰巳(南東)の方向に当たることが記されています。天正12年(1584年)に徳川家康・織田信雄と羽柴秀吉が争った小牧長久手の戦いの際,この南東に八劔砦が設けられたといい,織田信雄がここで軍を指揮したのかもしれません。戦国ロマンが感じられる場所になっています。

長遠寺
八劔町郷137





 下り松公園の先の筋を左折して100m強進み,突当りを右折して続く筋を左折し,100m弱進むと長遠寺(日蓮宗)があります。長要山と号し,鎌倉時代の末期に創建されたという古刹で,元々は熱田本遠寺の末寺でしたが現在は身延山久遠寺の直末になっています。本尊は宝塔題目で多宝如来,釈迦如来があります。境内には年代が記された金石文が多数残されており,寺の歴史を感じさせます。五条川の川筋には蛇にまつわる伝説がいくつか残されていますが,長遠寺裏手の渕にも大蛇が住んでいて,住民を恐れさせたと伝わっています。

七面山古墳
八劔町城屋敷3427



 長遠寺から1筋東に戻って,左折して150mほど北上すると左手に七面山古墳があります。岩倉市域には多くの古墳がありますが,その中で墳丘が完全に残っているものとして貴重です。直径約10mの円墳で,付近から須恵器の壺や杯が発見されていることから6世紀頃の築造と考えられていますが,発掘調査は行われていないといいます。小牧長久手の戦いの際は,この古墳が見張り台として用いられたと伝わっています。

舩橋楽器資料館 [有料施設]
八劔町石橋11



 七面山古墳から200mほど北上すると右手に舩橋楽器資料館があります。館長が世界から集めた珍しい楽器がおよそ1500点も展示されている私設の資料館で,民俗楽器の種類では国内最大級ともいわれています。中には実際に手に取って触れることができるものもあり,種類も弦楽器や管楽器,打楽器など多岐に及んでいるといい,他の博物館などからも貸し出しの依頼が来るほどだといいます。館長は津軽三味線と尺八の演奏者であり,運が良ければ演奏を聞くことができるといいます。

井上城跡
井上町井出北474



 舩橋楽器資料館から北上して約100m進んだ2本目の筋を左折し,さらに100m進んで五条川に突き当たったら左折して川沿いを進みます。すると約100m先の左手に井上城跡[市史跡]があります。応永年間(1394〜1428)に有馬主殿正が築城したといい,嘉吉元年(1441年)には重松主水正なる人物が居住したといいますが,いずれも一説にすぎません。その後,嘉吉元年に下津城主(現,稲沢市)で尾張守護代だった織田郷広が尾張の統一のために城を攻め,廃城になったといいます。五条川を自然の濠として活用し,城というより館のような建物であったと考えられています。

神明神社(井上町)
井上町井出南1



 井上城跡から川沿いに50m強進むと左手に神明神社があります。創建は不詳ですが,平安時代の延喜式神明帳にある丹羽郡井出神社に当たると主張されている古社です。確かな記録は寛永20年(1643年)の記録には神明宮とあり,この時期に神明宮と呼ばれ,井上村の鎮守社として古くから崇敬された様子が伝わっています。『尾張名所図会』には井出神社として記載があり,「社の東西に古井あるを,井出の地名の起れる本源とす。稚川此社をまといて,井戸を接する事,山城の玉川の里の如し。故に井出神社と名づけ,村名を井宇(いのうえ)と呼びならひし・・」と社名や村名の由来が記されています。10月には例祭が行われます。
 なお,井上町の個人宅には紺紙金字妙法蓮華経巻第六[市文化]があります。紺紙に金字で法華経第六が書かれており,井上城の城主有馬主殿正の宿老伊藤源内が将軍義勝から授与されたものといい,その子孫に伝わっているといいます。赤外線写真では「願主常昌(ねがいのぬしつねよし)」とあるといい,渡会神主常昌(わたらいつねよし)が大光普照寺(現在は所在不明)に奉納したことが分かるといいます。



 神明社のところの五条川の橋を渡り,五条川を左に見ながら川沿いを進むと,200m弱先に尾北自然歩道の石仏休憩所があります。春には桜も見事で,トイレも設けられている休憩所です。

八劔社(石仏町)
石仏町往還東南33





 石仏休憩所の先を左折し,名神高速を左に見ながら150mほど進み,「石仏駅北」交差点を左折して100mほど進むと左手に八劔社があります。創建は不詳ですが,万治元年(1658年)の棟札があったという記録があるといいます。須佐之男命をまつり,西にある稲原寺が古くから管轄する神社と記録されています。村の北の五条川沿いに山神が祀られていたといい,この2社が石仏村の鎮守社として村人から崇敬を受けていたといいます。

覚順寺
神野町又市229





 八劔社から100mほど南下して,2本目の筋を左折すると約50m先に覚順寺(真宗大谷派)があります。稲葉山と号し,当初は天台宗の寺院でしたが,明応6年(1497年)に蓮如上人によって当時の住職了専が改宗したといいます。本尊は絵像の阿弥陀如来で,明応6年実如の花押があったといい改宗当初から伝わるものといいますが現在は消えてしまったといいます。裏書には「稲原」の地名があり,これは石仏がかつて稲原と呼ばれていたことを実証するものとして貴重といいます。寺には明治以降として多数の仏典が保管されていますが,これは学者として高名な稲葉円成によるものといいます。



 覚順寺の先の県道を右折すると50mほど先に熊野神社があります。文治元年(1185年)創建という伝承があり,古くから神野村で信仰されたといいます。



 昭和27年(1952年)に200mほど南にあった立野神社を含むことになりましたが,この立野神社は延喜式神明帳に見える古社と考えられています。学問の神様をまつり,近年になって筆まつりが行われるようになったといいます。

稲原(とうげん)寺
石仏町中屋敷597-1







 熊野神社の先の「神野町又市」交差点を右折して国道155号線を300mほど西に進み,線路を越えて2本目の筋を右折して100m弱進むと右手に稲原寺(曹洞宗)があります。円通山と号し,明応6年(1497年)に宗益による創建といい,当初は稲原庵と称したといいます。元禄7年(1694年)に稲原寺と改号したといいます。本尊は自然石でできた観世音菩薩で,石仏の地名の由来ともなっています。この石仏は明応6年の創建時に,地面が真っ二つになって現れたものといい,これを祀って稲原庵が作られ,この地を稲原村から石仏村と改めたといいます。他に尾張七福神の福禄寿が祀られ,霊場になっています。また弘法大師を祀っていることから俗に弘法堂と呼ばれる善光寺堂があります。また文政3年(1820年)の銘の名古屋大須万松寺の半鐘や,「右小牧 左一宮 明和九年(1773年)」と刻まれた市内最古の道標など,歴史を感じさせる文化財があります。

ゴール:名鉄犬山線・石仏駅



 稲原寺から200mほど北上すると,右手にスタートした名鉄石仏駅に到着します。準急と普通が合わせて1時間に4本ほど運転されており,名鉄名古屋駅までおよそ20分で戻ることができます。普通列車の場合は岩倉駅で特急か急行に乗り換えると便利です。

写真使用数:33

←前:岩倉中央コース / 愛知県岩倉市 / 次:[江南市]布袋コース→

ぼちぼちウォーキング

作成者 Rintaro Nagano
rintaronagano□yahoo.co.jp
□は@に代えてください。

*このページは個人作成のページです。ページに関する内容を,管理者以外に問い合わせないでください。
*個人利用を超える利用をされる場合は,事前にご連絡をお願いいたします。
*永続的なサイト運営・更新を目指してバナー広告が挿入されています。ご理解とご協力をお願いいたします。



































【バナー広告】
<HP作成関連>










<旅行関連>



<お役立ち情報>