本気と冗談
随筆
手塚作品と私
本気と冗談
私は「ギャグ」が苦手だ。「描く」というか「考える」事が。
なので「マンガ」は向いていないのかもしれない、
なんて事を最近感じている。それはさておき…。
藤子・F・不二雄氏は、ご自分の得意ジャンルを
「生活ギャグ」と言っておられた。
「ありふれた日常生活」に「ギャグ」を盛り込んで
「笑い」に変える、という事だろう。
ただ、「大爆笑」という程の内容ではない。
近年のストーリーマンガには、多少の差はあれ、
ギャグが当然のごとく含まれている。
ふと、その多くが「冗談」を基本としているように思えてきた。
例えば、立て続けにフザケる仲間に対して「ぶっ殺すぞ!この野郎」
と怒鳴る場合、それはあくまで「冗談」であり、
本気で「ぶっ殺し」たりはしない。
例えば、キレたキャラがアスファルトを砕いたり、
下手をすれば地球を真二つに割ってしまう。
これらもやはり、「怒り」をオーバーに表現した「冗談」である。
ここで、藤子F氏の作風に戻ってみる。
ジャイアンの行動は「冗談」だろうか?
ジャイアンは常に本気でのび太をボコボコにしている。
一方ののび太も本気で仕返しをしようとしている。
「ドラえもん」は「本気」に対する「本気」に「道具」が絡んで、
全体的には「ギャグ」という事になっている。
近年のストーリーマンガは、誇張した「冗談」をスパイスに、
キャラが死ぬ事すらある「本気」の世界を描いている。
ジャイアンやスネ夫によるイジメを
不快になるくらい残酷に感じる時がある。
その一方で、血だらけで闘うストーリーマンガの主人公から、
本気で痛みを感じる事は少ない。
「キャラクターが本気である事」
藤子・F・不二雄氏の作風で、最も重要な部分であるのかもしれない…。
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