ドビンソン漂流記
『こどもの光』
1971年1月号〜1972年12月号
単行本
小学館
藤子・F・不二雄大全集全1巻

中央公論社中公コミックス
藤子不二雄ランド全2巻

双葉社パワァコミックス全2巻?
 「あっという間のできごとだった。
小暗黒星がぼくののっていた客船をこなごなにくだいたのだ。」
「ほかの人たちがどうなったかは知らない。
手近のロボートで逃げだすのがやっとだった。ロボート、すなわちロボットボートだ。」
こんな感じで深刻に始まるお話ですが、その深刻さが持続するのは1ページだけ。
2ページ目から故障中のロボートが、それは「コワレテル」、それは「ナイヨー」と、
主人公ドビンソンの希望を、ことごとく刈り取っていく。
「ポンコツなら人を乗せるな」「ダレガ乗ッテクレトタノンダ」
と言い合っていると、ロボートが近くの星の引力に引き寄せられ不時着してしまう。
もちろん、ロボートのブレーキは故障中…。
2人?が不時着した先は真っ暗な穴の中。
ロボートが衝突して開いた穴から外を見ると、どうやら日本家屋の屋根裏のようだ。
もちろん、ドビンソンはまだそんな事は知らず、「これは動物の巣らしいぞ」と判断し、
その「動物」も含め、「いろいろ研究して冬休みの宿題にしよう」と前向きに調査を始める。
レコーダーのマイクに「この星をドビンソン星と名づける」と吹き込む姿は
とても漂流者には見えない…。
ロボートとともに、レコーダーのマイク片手に「動物の巣」を見て回ると、
そこは、マサルという少年と、その両親が住む家だった。
当然、彼らに見つかり「オバケ」と間違われて追い回されるドビンソンとロボート。
結局、観念して「さぁ、食べるなら食べろ」と叫ぶドビンソン。
落ち着いて話し合ってみると、ドビンソンが宇宙人であり漂流者である事、
マサル達がこの星の「人間」である事が分かり、
ドビンソンはマサルの家に住まわせてもらう事になるのであった。
 ドビンソンは「ポッド星人」である。
耳が大きく、しっぽがあり、正面から見た鼻の形はハート形。
頭に帽子のようなものを被っているが、パパやママも被っており、
頭から取れたりもしないので、あるいは、そういう頭なのかもしれない。
初期にしか見られないが、口先をやかんのようにとがらせて、
湯気を吹き出す事ができ、それを見るとその帽子(のようなもの)は
「やかん」や「急須」のフタのようにも見えてくる。
要するに「ポッド」星人の「ドビン」ソンが「やかん」のように湯気を吹き出すのだ。
そういえば、やかんに顔を描いてお母さんを恋しがる姿も描かれていたっけ。
他に、特有の能力として、「カサカ」と叫ぶと相手を「さかさ」にひっくり返す事ができる。
こちらも、やはり初期に、しかも1回しか使われないので、その能力の本質は不明である。
ポッド星の科学は地球よりかなり進んでおり、ドビンソンの知識・知能・技術力は
地球人とは比べ物にならないようだ。
その為だろうか、最初は地球人を「人間」ではなく「動物」だと思い込み、
「地球」を「魔境」と判断して、自分だけが「文明人」だと断言していた。
とは言え、地球にはろくな材料がない、と言い訳しているが、
その知識と技術で作り出す道具は少々問題のあるものばかりで、いまいち役に立っていない。
ただ、ロボートが体内に格納している薬は、さながらドラえもんの道具のようで、
ポッド星の科学がいかに進んでいるかを示している。
 藤子F氏が描く最終回は現在進行形のものが多いですが、この作品では
クリスマスの日に、ドビンソンを探しにパパとママが地球にやって来て、
マサルの家にまで上がり込むのですが、タイミングが悪くドビンソンもロボートも留守で、
マサルのママにドロボウと間違われてしまい、そのまま帰ってしまうのです。
これでもう2度と地球には探しに来ないと確信し、絶望するドビンソン。
そこへマサルのパパが帰ってくるが、
クリスマスプレゼントを何処かに落としてきてしまったようだ。
急いで探しに行くと、ちょうど同じ場所にカバンを忘れて引き返してきた
ドビンソンのパパとママが!
「ひょっとしてドビンソンくんの…。」
「知ってるんですか!?」
家に帰ってきたマサルのパパは、
ドビンソンへの「とびっきり」のプレゼントを持ってきたのでした。
掲載誌の「こどもの光」には
数年後「キテレツ大百科」が
連載される事となる。

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